中国渡航前必見!ビザの種類と取得方法を徹底解説
はじめに
2020年3月31日より、日本国籍に対する15日以内のビザ免除措置は暫定的に停止されており、原則として中国へ入国の際にはビザの取得が必要です。そのため、渡航目的や滞在期間に応じてビザを取得する必要があります。本記事では、中国ビザの種類や取得条件、申請に必要な書類を紹介し、渡航者がビザ申請を円滑に行うための情報を提供します。本記事を参考に、適切なビザを取得し、中国渡航を安心してお楽しみください。
トランジットビザ免除措置
2023年1月29日より、国際線の航空会社が中国を経由して第三国に渡航する場合、中国国務院が指定した一定時間(72時間/144時間)以内であれば特定地域にビザなしで滞在できるという制度です。
- チェックインの際、航空会社に申し出る。
- 空港到着後、入国審査場手前にある一時入境許可申請窓口に行く。
- 到着/出境カード、72/144時間入国許可証に記入する。
- 入国審査官に、記入した書類、第三国に行く航空券、ホテルの予約確認書を提示する。
144時間ビザ免除
ビザ免除空港 | 滞在可能地域 |
北京首都国際空港、北京大興国際空港、天津浜海国際航空、石家荘正定国際空港 | 北京市、天津市、河北省 |
上海虹橋国際空港、上海浦東国際空港、杭州蕭山国際空港、寧波櫟社国際空港、南京禄口国際空港 | 上海市、江蘇省、浙江省 |
広州白雲国際空港、深セン宝安国際空港、掲陽潮汕国際空港 | 広東省 |
72時間ビザ免除
ビザ免除空港 | 滞在可能地域 |
長沙黄花国際空港 | 湖南省 |
桂林両江国際空港 | 広西チワン族自治区桂林市 |
ハルビン太平国際空港 | 黒龍江省ハルビン市 |
中国ビザの主要な種類
中国ビザには様々な種類がありますが、渡航者にとって主要なものは以下のとおりです。適切なビザを確認し、必要書類や手続きを整えましょう。
Mビザ(業務ビザ)
Mビザは営業交流や商業貿易活動を行うために取得するビザです。申請には招聘状、パスポート原本、パスポートの顔写真ページのコピー、写真、申請表が必要です。手続き期間は5営業日程度です。 機械設備のメンテナンスや指導研究、撮影などの活動がMビザの対象となります。オンラインビザ申請書も必要です。現地での滞在期間はビザの有効期間に左右されます。
Zビザ(就労ビザ)
Zビザは中国本土での就労を行うために取得するビザです。申請には外国人就労規制強化の新制度に基づく条件を満たす必要があります。具体的には、高級管理職や技術研究開発の主要メンバー、金融機関や会計事務所の高級管理職、市場動向に合致する奨励類職位に必要な外国人材、イノベーション・創業人材、優秀な青年人材などの条件があります。 提出書類や所要時間は、中国ビザ申請センターに事前に確認することが重要です。
Lビザ(観光ビザ)
中国に観光目的で渡航する場合には、Lビザを取得する必要があります。申請者は有効なパスポートを所持し、訪問都市名、査証種類、旅費負担先などの情報が必要となります。また、観光ビザの取得歴がある場合は、直近1回分の中国ビザページのコピーも提出する必要があります。 同様に、ホテル予約の確認書や往復の航空券予約の確認書も提出が求められることがあります。オンラインビザ申請書も必要です。滞在期間は通常30日以内ですが、延長が必要な場合は現地の出入国管理局に申請が可能です。
その他のビザ
その他、中国における外国人の交流・訪問・視察等にはFビザが必要となります。また、中国が必要とする外国人高度人材・専門分野人材にはRビザが取得が求められます。外国人永久居住証・外国人居留許可証を所持している場合は査証が免除されます。また、二国間協議に基づく査証免除や特定のツアーに参加する場合も査証が免除されることがあります。 以上のように、ビザ申請の方法や取得条件が多岐にわたりますが、適切なビザを取得することで、安心して中国渡航を楽しむことができます。
ビザ申請方法
中国ビザを取得するためには、取得するビザの種類に合わせて、書類を準備する必要があります。本ページでは、取得する人が多い、Lビザ(観光ビザ)とMビザ(業務ビザ)について、解説いたします。
ビザ申請の流れ
中国入国ビザの申請に関する流れは、大まかに以下3つのステップで実施します。
- Step1:ビザ申請に必要な資料の準備
・招聘状1.Lビザ(観光ビザ)の場合:ホテル手配確認書(※)または招聘状2.Mビザ(業務ビザ)の場合:業務を行う会社が発行した招聘状・航空券(Eチケット控え):Lビザ(観光ビザの場合)・申請に必要な証明写真、パスポートの準備・中国ビザ情報の登録
※ホテル手配確認書は、本人の名前で予約したほうが無難。
- Step2:中国ビザセンターでビザ申請
・招聘状中国国内の企業が発行する必要があります。・パスポート原本および顔写真があるページのプリント(中国に入国したことがある場合は旧パスポートも持参すること※)・証明写真1枚(48mm×33mm)・Webページで登録した「中華人民共和国査証申请表」をプリント※申請情報、必要書類に不備が無ければ、30分程度で終了しますが、1時間程度の時間が必要となる前提で申請しましょう。
※旧パスポートで中国ビザを取得したことがある場合は、パスポートとビザのページをコピーすること。
※旧パスポートを紛失した場合は、紛失した旨をメモに記載し、提出すること。
- Step3:中国ビザの受取
ビザ申請に必要な資料の準備
1.招聘状招聘(しょうへい)とは「礼を尽くして、人を招くこと」という意味で用いられます。
その為、招聘状とは、目上の人でありながら、礼を尽くして、出張される方をお招きするために発行する書類となります。
決まったフォーマットなどはなく、一般的には下記のような項目などを記載します。
・招聘する人・会社の情報
・招聘される人(ビザを申請する人)の名前、国籍、職業や役職
・招聘の理由や経緯
・招聘する日時、場所
・招聘者との関係
つまり、誰(どの企業)が、どんな人を、いつどこに、何故、どの様に「礼を尽くして招く」のか、が記載されていれば招聘状ということになります。
2.ホテル手配確認書(Lビザ(観光ビザ)の場合のみ)
2名で旅行する等で、代表者が予約する場合もあると思いますが、ビザ取得者が手配していることを確認できる状態が望ましいと思います。実際にそのホテルに泊まるか否かは関係ありませんので、同行者がいる場合はそれぞれがホテルを予約したほうが無難だと思います。
3.航空券(Lビザ(観光ビザ)の場合のみ)
Eチケット控えを印刷して持参しましょう。
4.パスポート
有効期限が短いパスポートは、ビザ申請を認められませんので、申請前に有効期限までの残日数を必ず確認してください。有効期限までの残余日数については、ビザ種類によって異なります。
入国回数 | ビザ有効期限 | 滞在可能日数 | パスポートの残存期間 | 未使用パスポートのページ数 |
シングル(1回) |
3ヶ月 | 30日 | 7ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
シングル(1回) | 3ヶ月 | 60日 | 8ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
シングル(1回) | 3ヶ月 | 90日 | 9ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
ダブル(2回) | 3ヶ月/6ヶ月 | 30日 | 7ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
ダブル(2回) | 3ヶ月/6ヶ月 | 60日 | 8ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
ダブル(2回) | 3ヶ月/6ヶ月 | 90日 | 9ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
マルチプル(※) | 6ヶ月 | 30日 | 7ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
マルチプル(※) | 6ヶ月 | 60日 | 8ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
マルチプル(※) | 6ヶ月 | 90日 | 9ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
マルチプル(※) | 1年 | 30日 | 13ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
マルチプル(※) | 1年 | 60日 | 14ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
マルチプル(※) | 1年 | 90日 | 15ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
マルチプル(※) | 2年 | 30日 | 25ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
マルチプル(※) | 2年 | 60日 | 26ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
マルチプル(※) | 2年 | 90日 | 27ヶ月以上 | 2ページ以上必要 |
5.証明写真
2017年からビザ申請で要求される写真が、厳格に定義されました。 以下の要件に合致しない写真は一切受け付けられませんので 注意してください。
写真の要件は、以下に記載した通り、とても厳格なものとなっています。証明写真機で1人で撮影しても問題ありませんが、写真館とかプロに頼んだ方が良いと思います。
・縦4.8cm x 横3.3cm
・6ヵ月以内に撮影したカラー写真 (発行6ヵ月経過したパスポートと同じ写真は不可)
・写真の上から頭頂部までは3㎜~5㎜
・写真の下から顎ラインまでは7㎜以上
・顔の長さ2.8cm~3.3cm、顔の幅1.5㎝~2.2㎝
・メガネの着用不可
・前髪で額が隠れた写真は不可
→額が80%程度見えるように整髪料など使用して前髪を固定してください。
→髪が長い方は両耳が見えるようにして撮影してください。
・背景は白で無背景(グレーやオフホワイトは不可)
・上着なしで白いシャツだけの着用は背景と同化する為不可
・正面前向きで目を開け、口を閉じ、耳・眉毛が見える状態
(髪が眉や耳にかかっているものは不可)
・顔周りに装飾品(ピアス、ネックレス、帽子、スカーフ等)はつけない。
事前に以下のページで確認してください。Webページで写真をアップロードする必要があり、規格を満たさない場合、そこでエラーとなります。
中国ビザ申請提出用写真の規格について
6.ビザ情報の登録
ビザ情報の登録を実施します。中国ビザセンターから登録してください。
※中国ビザ申請の事前予約廃止についてのお知らせ 2023年11月20日より中国駐日本国大使館はビザ申請の事前予約制を廃止したことを公表しました。中国駐日本国大使館
ビザセンターの場所
中国ビザ申請は、東京・名古屋・大阪の中国ビザ申請サービスセンターと札幌・新潟・福岡・長崎の各中国総領事館で申請が可能です。申請者は居住地の管轄区に基づき、対応する公館でビザ申請を行わなければなりません。以下は、東京の中国ビザ申請サービスセンターの情報です。
ビザ申請時に持参するもの
(A4サイズ)もあわせて準備すること。また過去に中国に行ったこ
とがある場合、その時の出入国スタンプが押されているページの
コピーも必要です。
いない場合は、「家に保管してある」という誓約書を書かされます。
なお、前回のビザ申請時にパスポートを提出していても、毎回確認
されます。(注意)過去にビザ申請した場合、旧パスポートの顔写真
のあるページのコピーも必要です。
□ 航空券(Eチケット控え)(Lビザ(観光ビザ)は必須)
ビザ申請
ビザ申請時の流れは、以下の通りです。
手順1:提出資料の事前確認
カウンターにいるスタッフが申請書類がそろっているかチェックを受けます。 ここで書類の不備を指摘されると、大きなタイムロスになるのでパスポートのコピーや証明写真はしっかり準備していきましょう。準備した資料に不備・問題が無ければ整理番号が手渡されます。 自分の整理番号呼ばれるまで待機 します。
手順2:申請・査証審査
自分の順番になったら、モニターに表示された窓口(東京の場合は、査証申請は1番から12番窓口で対応)で申請資料を提出し、査証審査を受けます。
手順3:受領証の受取
指定された日付に、再度、ビザセンターに行き、受領証にサインをして受け取れば申請終了です。
申請料金
まとめ
本記事では、中国ビザの主要な種類や取得条件、申請に必要な書類を紹介しました。渡航者は適切なビザを取得することが重要であり、事前に必要な手続きや書類を確認し、ビザ取得がスムーズに進むよう準備することが求められます。また、現在の住所地域を管轄するビザ申請センターを利用し、パスポートの状態にも注意してください。 海南省への渡航や72/144時間のトランジットビザ免除措置、APECビジネストラベルカードや外国人永久居住証・外国人居留許可証の所持など、一部の場合には査証が免除されることもあります。適切なビザを取得し、安心して中国渡航をお楽しみください。
よくある質問
Q1: 中国への渡航者はビザを取得する必要がありますか?
A1: はい、一般的に中国への渡航者はビザの取得が必要です。
Q2: ビザの種類はどれくらいありますか?
A2: 中国には様々なビザの種類がありますが、主なものにはMビザ、Zビザ、Lビザ、Fビザ、Rビザなどがあります。
Q3: ビザを取得するために必要な書類はありますか?
A3: ビザの種類によって必要な書類は異なりますが、一般的にはパスポートのコピー、写真、申請書、招聘状などが必要です。
Q4: ビザ取得にかかる時間はどれくらいですか?
A4: ビザの取得にかかる時間はビザの種類や申請センターによって異なりますが、一般的には1ヶ月から数ヶ月程度です。