トランス・バウンダリー・サイト一覧【2023年最新版】

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トランス・バウンダリー・サイト一覧

トランス・バウンダリー・サイト一覧【2023年最新版】です。トランス・バウンダリー・サイトすなわり国境を超える遺産を紹介します。トランス・バウンダリー・サイトの概念は、世界遺産検定を勉強する上で重要です。トランス・バウンダリー・サイトとして登録された世界遺産を巡る旅をしてみると、世界遺産をより深く知ることができて、旅が充実することでしょう。旅行の計画や世界遺産検定の対策に役立つことを切に願っています。

トランス・バウンダリー・サイトとは

トランス・バウンダリー・サイトとは、「国境を越える遺産」のことです。

そもそも国境というものは人類の歴史が進むにつれて人為的に引かれたラインであり、国境線にとらわれない自然遺産の登録推薦の際には障壁となってしまっている側面がありました。そこで、多国間の協力のもとで遺産を保護・保全していくためにトランス・バウンダリー・サイトという考え方が共通認識となっていきました。

しかし、これは自然遺産だけの話ではありません。文化遺産でも、かつて1つの民族・国家・文化圏であった地域が近代的な国家の成立で分断されてしまっている例は多数あります。そういったケースでも、トランス・バウンダリー・サイトの考え方は用いられます。

作業指針では、できる限り関係締約国が共同で登録推薦書を作成し、共同管理委員会・機関などを設立して遺産全体の管理を監督することが推奨されています。

また、現在は1つの締約国内にある世界遺産でも、拡大登録によってトランス・バウンダリー・サイトとして扱われるようになることもあります。

トランス・バウンダリー・サイトの注意点

トランス・バウンダリー・サイトの例となる世界遺産は、下記が挙げられます。

・ヴィクトリアの滝(ザンビア・ジンバブエ)
・ベルギーとフランスの鐘楼群(ベルギー・フランス)

こうしたケースがある一方で、国境を越える世界遺産であっても別々の遺産として登録されているケースも存在します。例えば、イグアス国立公園はアルゼンチンとブラジルの両方に接していますが、別々に登録されています。

また、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路についてもスペインとフランスでは別々に登録されており、このケースではトランス・バウンダリー・サイトとはみなされません。

トランス・バウンダリー・サイト(文化遺産)の一覧

トランス・バウンダリー・サイトに登録された、文化遺産の一覧は以下のとおり。

No. 名称 登録国 備考
1 ベルギーとフランスの鐘楼群 ベルギー、フランス  
2 慈善の集団居住地群 オランダ、ベルギー  
3 ヨーロッパの大温泉保養都市群 イギリス、イタリア、オーストリア、チェコ、ドイツ、フランス、ベルギー  
4 グアラニ人のイエズス会ミッション アルゼンチン・ブラジル  
5 カパック・ニャン アンデスの道 アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、エクアドル、ペルー  
6 シュトルーヴェの測地弧 ベラルーシ、エストニア、フィンランド、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、モルドバ、ロシア、スウェーデン、ウクライナ 計10か国
7 ポーランド、ウクライナのカルパチア地方の木造教会 ポーランド、ウクライナ  
8 ローマの歴史地区

イタリア、ヴァティカン市国

 
9 ローマ帝国の国境線 – ゲルマニア・インフェリオルのリーメス ドイツ、オランダ  
10 ローマ帝国の国境線-ドナウのリーメス(西部分) ドイツ、オーストリア、スロバキア  
11 エルツ山地(クルスナホリ)鉱業地域 チェコ、ドイツ  
12 16 ‐ 17世紀ヴェネツィア共和国の軍事防衛施設群:スタート・ダ・テッラー西部スタート・ダ・マーレ クロアチア、イタリア、モンテネグロ  
13 ル・コルビュジエの建築作品 ‐ 近代建築運動への顕著な貢献 アルゼンチン、ベルギー、フランス、ドイツ、インド、日本、スイス 計7か国
14 フェルテー(ノイジードル)湖の文化的景観 オーストリア、ハンガリー  
15 セネガンビアのストーン・サークル遺跡群 ガンビア、セネガル  
16 コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代の岩壁画 ポルトガル、スペイン  
17 ピレネー山脈のペルデュ山 スペイン、フランス  
18 アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道 イタリア、スイス  
19 アルプス山脈周辺の先史時代の堀立柱住居群 オーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、スイス  
20 水銀関連遺産:アルマデンとイドリア スロベニア、スペイン  
21 ムスカウ公園/ムジャクフ公園 ドイツ、ポーランド  
22 中世墓碑ステチュツィの墓所群 ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ、セルビア  
23 クルスキー砂洲 リトアニア、ロシア  
24 シルクロード:長安−天山回廊の交易路網 中国、カザフスタン、キルギス  
25 シルクロード:ザラフシャン・カラクム回廊  タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン 2023年
26 第一次世界大戦(西部戦線)の追悼と追憶の場  ベルギー、フランス 2023年

トランス・バウンダリー・サイト(自然遺産)の一覧

トランス・バウンダリー・サイトに登録された、自然遺産の一覧は以下のとおり。

No. 名称 登録国 備考
1 ベロヴェシュカヤ・プーシャ/ビャウォヴィエジャ森林保護区 ベラルーシ、ポーランド  
2 アラスカ・カナダ国境地帯の山岳公園群 カナダ、アメリカ  
3 ニンバ山厳正自然保護区 コートジボアール、ギニア  
4 タラマンカ山脈 ‐ ラ・アミスター自然保護区群/ラ・アミスター国立公園 コスタリカ、パナマ  
5 ヴィクトリアの滝(モシ・オ・トゥニャ) ザンビア、ジンバブエ  
6 アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群 ハンガリー、スロバキア  
7 ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園 カナダ、アメリカ  
8 W国立公園 ベナン、ブルキナファソ、ニジェール  
9 ヘーガ・クステン/クヴァルケン群島 フィンランド、スウェーデン  
10 サン・ジョルジオ山 イタリア、スイス  
11 ウヴス・ヌール盆地 モンゴル、ロシア  
12 カルパティア山脈の原始ブナ林とドイツの古代ブナ林 アルバニア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、ドイツ、イタリア、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、ウクライナ、フランス、ポーランド、スイス、ボスニア・ヘルツェゴビナ、チェコ、北マケドニア 計18か国 赤字の国は2021年範囲拡大
13 ワッデン海 デンマーク、ドイツ、オランダ  
14 サンガ川流域の3カ国保護地域 カメルーン、中央アフリカ、コンゴ共和国  
15 西天山 カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン  
16 ダウリアの景観群 モンゴル、ロシア  
17 トゥランの寒冬の砂漠群  トルクメニスタン、カザフスタン、ウズベキスタン 2023年

まとめ

トランス・バウンダリー・サイト一覧【2023年最新版】を紹介しました。

トランス・バウンダリー・サイトとは、「国境を越える遺産」のことです。
国境を越える世界遺産であっても別々の遺産として登録されているケースも存在します。
・例えば、イグアス国立公園はアルゼンチンとブラジルの両方に接していますが、別々に登録されています。

例えば、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路についてもスペインとフランスでは別々に登録されています。

旅行することで様々な経験が出来て、人生が豊かになることでしょう。思い立ったら、興味の沸く場所に足を運んでみてはいかがでしょうか。

世界遺産に興味を持たれた方は、世界遺産検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。
世界遺産検定公式HP