はじめに
中国には多くの魅力的な世界遺産がありますが、今回注目するのは「ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群」(上の地図⑭)です。本記事では、ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群の概要と世界遺産としての価値について詳しくご紹介していきます。

ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群の概要と世界遺産としての価値
チベット自治区の首府ラサは、「神の地」を意味する名の通り、チベット仏教の中心地として深い歴史と文化を育んできました。その中でも特に象徴的な存在が、天空にそびえるポタラ宮です。この地には、ポタラ宮のほか、ジョカン寺、ノルブリンカという三つの重要な遺跡が点在し、チベット仏教の精神世界を今に伝えています。
世界遺産としての基本情報
名称 | ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群 |
---|---|
登録年 | 1994年 |
登録基準 | (1):人類の創造的才能を表現する傑作である。 (4):人類の歴史上において、重要な時代を例証する、ある形式の建造物、建築物群、技術の集積または景観の優れた例である。 (6):顕著で普遍的な意義を有する出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、もしくは文学的作品と直接または明白に関連する。 |
世界遺産「ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群」とは?
「ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群」は、2000年にユネスコの世界遺産に登録されました。当初はポタラ宮のみが登録されましたが、2001年にジョカン寺が、2003年にはノルブリンカが拡張登録され、現在はこの三つの遺跡が一体となって世界遺産を構成しています。これらは、単なる建築物としてだけでなく、チベット仏教の信仰、歴史、芸術、そしてチベット人民の精神性の象徴として、極めて高い普遍的価値を持っています。
- ポタラ宮(Potala Palace): ラサの市街を見下ろすマルポリの丘に建つ、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマの冬の宮殿であり、政治の中心でもありました。その壮大な姿は、まさにチベットの象徴です。
- ジョカン寺(Jokhang Temple): ラサ最古の仏教寺院で、チベット仏教徒にとって最も神聖な巡礼の中心地です。
- ノルブリンカ(Norbulingka): ダライ・ラマの夏の離宮であり、美しい庭園が広がる場所です。
これら三つの遺跡は、それぞれ異なる役割を持ちながらも、チベット仏教の歴史と深く結びつき、互いに補完し合うことで、チベット文化の全体像を形成しています。
チベット仏教とダライ・ラマの歴史的・文化的意義
チベット仏教は、インド仏教とチベット固有の信仰が融合して発展した独特の仏教です。その最大の特徴は、ダライ・ラマを精神的・世俗的最高指導者とする転生思想です。ダライ・ラマは、観音菩薩の化身とされ、その存在はチベット人民にとって精神的な支柱であり、政治的指導者でもありました。
ポタラ宮は、まさにこのダライ・ラマが政務を執り、信仰の中心として君臨した場所です。ジョカン寺は、巡礼者たちが心からの信仰を捧げる聖地であり、ノルブリンカは、ダライ・ラマが夏の間に静養し、国民と交流した場でした。
これらの遺跡群は、チベット仏教の教えが建築や芸術、そして人々の生活にどのように深く根ざしてきたかを雄弁に物語っています。壮麗な建築物、色彩豊かな壁画、信仰深い巡礼者の姿を通じて、チベット仏教が単なる宗教にとどまらず、チベット文化、社会、そして人々の精神そのものを形成してきた歴史的・文化的意義を肌で感じることができます。
ポタラ宮:チベットの魂が宿る冬の宮殿

ラサのマルポリの丘に威厳をもってそびえ立つポタラ宮は、チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマの冬の宮殿であり、かつての政治・宗教の中心地でした。その壮大な姿は、まさにチベットの魂が宿る場所と言えるでしょう。
ポタラ宮の歴史と建築様式(白宮・紅宮の役割)
ポタラ宮の建設は、7世紀に吐蕃王朝のソンツェン・ガンポが築いた宮殿が起源とされています。しかし、現在見られるような大規模な宮殿として再建されたのは、17世紀に五世ダライ・ラマによってでした。彼は、チベットを統一し、ポタラ宮を現在の壮麗な姿へと拡張しました。以降、歴代ダライ・ラマの居城として、またチベットの政治と宗教を司る最高機関として機能しました。
ポタラ宮は、大きく白宮(White Palace)と紅宮(Red Palace)という二つの部分で構成されています。
- 白宮: 主にダライ・ラマの居住空間と政務を執り行う場所でした。外壁が白く塗られていることからこの名があります。歴代ダライ・ラマの私室や、政府の執務室、講義室などがあり、チベットの政治と日常生活の中心でした。
- 紅宮: 主に**仏殿や歴代ダライ・ラマの霊塔(お墓)**が安置されている宗教的な空間です。外壁が赤く塗られていることからこの名があります。特に五世ダライ・ラマ以降の歴代ダライ・ラマの霊塔は、金や宝石で装飾され、チベット仏教の信仰の深さを示しています。
見どころ:歴代ダライ・ラマの霊塔、仏殿、壁画、宝物
ポタラ宮には、数えきれないほどの見どころがあります。
- 歴代ダライ・ラマの霊塔: 紅宮に安置されている歴代ダライ・ラマの霊塔は、まさに圧巻です。特に五世ダライ・ラマの霊塔は、高さが20メートル以上もあり、何トンもの純金と数えきれないほどの宝石で飾られています。その豪華さと荘厳さは、見る者を圧倒します。
- 仏殿(ポチャン): 数多くの仏殿には、様々な仏像やタンカ(仏画)が祀られています。チベット仏教の神々や聖者たちの姿が、精緻な彫刻や絵画で表現されています。
- 壁画: 宮殿内の壁一面には、鮮やかな色彩の壁画が描かれています。これらの壁画は、チベット仏教の教義、歴史上の出来事、伝説、チベット人民の生活などをテーマにしており、当時の芸術と歴史を今に伝える貴重な資料です。
- 宝物: 各部屋には、ダライ・ラマが使用した生活用品、宗教儀式に用いられた法器、世界各国から献上された宝物などが展示されており、チベットの豊かな文化と歴史の深さを感じさせます。
ポタラ宮訪問の注意点と観光ルート
ポタラ宮は観光客の数が厳しく制限されており、事前予約と入場時間の指定が必須です。また、高地にあるため、高山病対策を十分に行う必要があります。
- 高山病対策: 階段が多く、内部は標高がさらに高くなるため、ゆっくりと時間をかけて見学し、途中で休憩を取るようにしましょう。水分補給も重要です。
- 写真撮影: 内部での写真撮影は、基本的に禁止されています。ルールを厳守しましょう。
- 観光ルート: 一般的に、マルポリの丘の麓から階段を上り、白宮を経て紅宮を見学するルートとなります。所要時間は約1~1.5時間と限られています。
ポタラ宮は、その歴史的・宗教的な重要性から、訪れる人々に深い感動と畏敬の念を抱かせる、まさにチベットの魂が宿る場所です。
ジョカン寺(大昭寺):チベット仏教巡礼の中心

ラサ市街の中心に位置するジョカン寺は、チベット仏教徒にとって最も神聖な巡礼の中心地であり、チベットの信仰を象徴する存在です。「大昭寺」という中国語名も広く知られています。
ジョカン寺の創建と歴史的変遷
ジョカン寺は、7世紀に吐蕃王朝のソンツェン・ガンポ王によって創建されました。彼の妃である文成公主(唐の皇女)が持参した釈迦牟尼(しゃかむに)12歳等身像を安置するために建てられたと伝えられています。この像は、仏陀が生きていた頃の姿を正確に写したものとされ、チベット仏教徒にとって最高の礼拝対象となっています。
創建以来、ジョカン寺はチベット仏教の中心地として、多くの巡礼者や学僧、歴代のダライ・ラマからの信仰を集めてきました。時代ごとの増改築や修復を経て、その規模と荘厳さを増してきました。しかし、その根本的な精神性や巡礼の形態は、千年以上もの間、変わらず受け継がれています。
見どころ:釈迦牟尼像、チベット仏教徒の巡礼風景
ジョカン寺の最大の見どころは、やはり本堂に安置されている釈迦牟尼12歳等身像です。この像の前では、遠方からはるばるやってきた巡礼者たちが、五体投地(全身を地面に伏せて礼拝する行為)を繰り返す姿を見ることができます。彼らの真摯な信仰心に触れることは、ジョカン寺を訪れる上で最も印象深い体験となるでしょう。
他にも、寺院内には多くの仏像、タンカ(仏画)、壁画などが飾られており、チベット仏教の豊かな芸術世界に触れることができます。薄暗い堂内を巡る巡礼者たちの列、線香の香り、チベット語の読経が響き渡る空間は、独特の神秘的な雰囲気を醸し出しています。
周辺散策:バルコル広場と巡礼路
ジョカン寺の周囲には、円形に巡るバルコル広場(Barkhor Square)と巡礼路が広がっています。ここは、チベット仏教徒がジョカン寺を囲んで右回りに歩く「コルラ(巡礼)」を行う場所であり、チベット文化の息遣いを最も強く感じられる場所の一つです。
バルコル広場には、チベットの伝統的なお土産を扱う露店が軒を連ね、活気にあふれています。チベット仏教の数珠、マニ車、チベット絨毯、民族衣装など、様々な品々が売られています。巡礼者たちに混じってバルコルを歩き、チベットの人々の日常生活と信仰が密接に結びついている様子を肌で感じてみてください。
ノルブリンカ:ダライ・ラマ夏の離宮と安らぎの庭園

ラサ市街の西郊に位置するノルブリンカは、「宝の園」を意味する名の通り、歴代ダライ・ラマの夏の離宮として造られた広大な庭園です。ポタラ宮が冬の宮殿であるのに対し、ノルブリンカは夏の期間にダライ・ラマが政務を執り、静養する場所でした。
ノルブリンカの歴史と庭園の構成
ノルブリンカの建設は、18世紀中頃、七世ダライ・ラマの時代に始まりました。その後、歴代のダライ・ラマによって増改築と拡張が繰り返され、現在の広大な庭園と宮殿群が形成されました。特に、現在の主要な建物である「ケルサン・ポタン」や「タクテン・モンゲェン・ポタン(新宮)」などは、十三世、十四世ダライ・ラマの時代に建てられました。
庭園は、大きくいくつかの区域に分かれており、それぞれに宮殿、仏殿、亭閣、そして様々な種類の植物が配置されています。チベットの伝統的な庭園様式と、中国の内地の庭園様式が融合した独特の景観が特徴です。
見どころ:夏の宮殿、植物、動物たち
ノルブリンカの最大の見どころは、ダライ・ラマが夏に暮らした夏の宮殿です。
- ケルサン・ポタン(Kesang Potrang): 七世ダライ・ラマが造営した最初の宮殿で、素朴ながらも優雅な造りです。
- タクテン・モンゲェン・ポタン(新宮): 十四世ダライ・ラマが使用した比較的新しい宮殿で、内部には当時の生活がうかがえる家具や調度品が残されています。特に、ダライ・ラマが座った法座や、彼の私室などを見ることができます。
広大な庭園内には、チベット固有の植物だけでなく、中国本土やインドなどから持ち込まれた珍しい植物が数多く植えられています。緑豊かな木々や色とりどりの花々が咲き誇り、鳥のさえずりが響く安らぎの空間です。また、かつてはダライ・ラマのペットとして飼育されていた動物たちがいる動物園も併設されており、子供連れの家族にも人気です。
チベット貴族の生活と文化
ノルブリンカは、ダライ・ラマの離宮であると同時に、チベット貴族たちが夏の避暑地として訪れ、宴を楽しんだ場所でもありました。庭園内には、貴族たちがピクニックや社交の場として利用した亭閣や広場が点在しています。
訪問者は、これらの宮殿や庭園を散策することで、かつてのダライ・ラマやチベット貴族たちの優雅な夏の生活や文化の一端を垣間見ることができます。ポタラ宮の厳格な雰囲気とは異なり、ノルブリンカはよりリラックスした、自然と調和したチベットの魅力を感じさせてくれるでしょう。
ラサ「三大遺跡」へのアクセスと観光のポイント

チベット自治区は、その特殊な政治的・地理的条件から、旅行には特別な準備が必要です。ラサの「三大遺跡」を巡る上で、アクセス方法と注意点を理解しておくことが重要です。
ラサへの交通手段:青蔵鉄道と航空便
ラサへのアクセスは、主に青蔵鉄道(Qinghai-Tibet Railway)と航空便の二つの方法があります。
- 青蔵鉄道: 中国青海省の西寧(シーニン)からチベット自治区のラサを結ぶ鉄道です。平均標高が高い地域を走行するため、車内には酸素供給設備が完備されています。景色の変化を楽しみながら、徐々に高地に順応できるため、高山病のリスクを軽減できるとされています。北京、上海、成都、重慶、広州など中国の主要都市から直通列車が出ています。
- 航空便: ラサゴンガル空港(Lhasa Gonggar Airport, LXA)へは、中国国内の主要都市(成都、重慶、昆明、西安など)から直行便が多数運航しています。移動時間は短いですが、一気に高地へ移動するため、高山病のリスクが高まります。
チベット入境と旅行許可証の取得について
チベット自治区は、外国人の単独旅行が制限されており、**特別な旅行許可証(Tibet Travel Permit)**の取得が必須です。
- 許可証の取得: 旅行許可証は、中国政府の認可を受けた旅行会社を通じて、ツアーを申し込むことで取得できます。個人では直接申請できません。
- ツアーへの参加: 外国人は、原則としてガイド付きの団体ツアーに参加することが義務付けられています。自由行動には制限があります。
- パスポートとビザ: 中国への有効なパスポートとビザ(Lビザなど)が必要です。
事前に旅行会社と綿密な連絡を取り、必要な書類や手続きについて確認しましょう。許可証の取得には時間がかかる場合があるので、余裕を持った計画が重要です。
高山病対策とラサ市内での移動
ラサは標高約3,650メートルの高地に位置するため、高山病への対策が非常に重要です。
- 事前準備: 出発前に医師に相談し、必要に応じて予防薬を処方してもらいましょう。
- 到着後: ラサ到着後は、無理せずゆっくりと行動し、十分な休息と水分補給を心がけましょう。初日は激しい運動を避け、飲酒も控えるのが賢明です。
- 症状が出た場合: 頭痛、めまい、吐き気などの症状が出たら、すぐにガイドに伝え、酸素吸入などの対応を取りましょう。
ラサ市内での移動:
- タクシー: 市内の移動はタクシーが便利です。メーター制ですが、乗車前に交渉することも可能です。
- 三輪タクシー(三輪車): 短距離の移動には、三輪タクシーも利用できます。
- 徒歩: ジョカン寺周辺のバルコル広場などは、徒歩で散策するのが最も適しています。
無理のない計画と、適切な高山病対策を行うことで、安心してチベットの旅を楽しむことができます。
周辺観光:ラサとチベット文化を深掘り
ラサには「三大遺跡」以外にも、チベット仏教の奥深さやチベット文化を体験できる魅力的なスポットやアクティビティが多数あります。
セラ寺とデプン寺:三大寺院での問答見学
ラサには、かつて多くの学僧が学んだチベット仏教の三大寺院と呼ばれる寺院があります。ポタラ宮が行政・宗教の中心であったのに対し、これら三大寺院は教学の中心でした。
- セラ寺(Sera Monastery): ラサの北郊に位置し、かつて数千人の僧侶が学んだ巨大な寺院です。特に有名なのが、僧侶たちが仏教の教義について議論する**「問答(もんどう)」**です。夕方に行われることが多く、活発な身振り手振りで議論を交わす姿は、非常に見応えがあります。
- デプン寺(Drepung Monastery): ラサの西郊に位置する、かつては世界最大の僧院の一つでした。歴史的に多くの高僧を輩出し、チベット仏教ゲルク派の最も重要な学府でした。広大な敷地内を散策し、数々の仏殿や僧侶たちの宿坊を見学できます。
- ガンデン寺(Ganden Monastery): ラサからやや離れた山中にありますが、ゲルク派の開祖ツォンカパによって創建された重要な寺院です。時間があれば訪れたい場所です。
これら三大寺院を訪れることで、チベット仏教の学問的な側面や、僧侶たちの生活の一端に触れることができます。
チベット料理と伝統文化体験
ラサでは、チベットの伝統的な食文化を体験することも楽しみの一つです。
- ツァンパ(Tsampa): 大麦を炒って粉にしたチベットの主食。バター茶と混ぜて食べます。
- バター茶(Bod Ja): ヤクのバターと塩が入ったお茶で、チベットの人々の日常生活に欠かせません。
- モモ(Momo): チベット風餃子。肉や野菜の餡を包んで蒸したり焼いたりしたものです。
- トゥクパ(Thukpa): チベット風うどんや麺料理。
- ヤク肉料理: ヤクの肉を使った様々な料理。
- 伝統舞踊と歌: レストランやショーで、チベットの伝統的な歌や踊りを楽しむ機会もあります。
ラサのお土産と特産品
ラサでの思い出に、チベットならではのお土産を探してみましょう。
- タンカ(Thangka): チベット仏教の仏画。
- マニ車(Mani Wheel): 経文が書かれた筒を回すことでお経を唱えることと同じ功徳があるとされる法具。
- チベット絨毯: 伝統的な手織りの絨毯。
- 宝石・装飾品: ターコイズ、珊瑚、琥珀などを使ったアクセサリー。
- チベットハーブ・薬草: 高地ならではの薬草製品。
- カター(Khatag): 感謝や祝福を表す白い布。
- その他: 民族衣装、ヤクの毛製品、バター茶の道具など。
まとめ:ラサの歴史的遺跡群が伝えるチベット仏教の精神
ラサのポタラ宮、ジョカン寺、ノルブリンカを巡る旅は、単なる観光に終わらない、深く心に残る体験となるでしょう。これらの世界遺産は、チベット仏教の精神性と、それによって育まれた独特の文化を雄弁に物語っています。
秘境チベットで感じる深い感動と学び
天空にそびえるポタラ宮の威容、ジョカン寺で五体投地を繰り返す巡礼者たちの真摯な信仰、そしてノルブリンカの静謐な庭園。これら全てが、ラサという地が持つ唯一無二の魅力を形作っています。高地の厳しい自然環境の中で、チベットの人々が築き上げてきた信仰と生活のあり方は、私たちに深い感動と多くの学びを与えてくれます。
この旅は、普段触れることのない異文化への理解を深め、自身の精神世界を見つめ直すきっかけとなるかもしれません。チベット仏教の奥深い教えや、厳しい環境の中で生きる人々のたくましさ、そして彼らの持つ温かさに触れることで、忘れられない体験となることでしょう。
世界遺産保護とチベット文化の未来
「ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群」は、人類共通の貴重な文化遺産として、その保護と維持が国際社会の関心を集めています。これらの遺跡群は、過去の栄光を伝えるだけでなく、現代そして未来へとチベット仏教の精神とチベット文化を継承していくための重要な役割を担っています。
観光客としてこの地を訪れることは、遺跡保護の重要性を認識し、チベット文化の未来を支える一助となることにもつながります。ラサの歴史的遺跡群は、今後も世界中の人々にチベットの精神と美しさを伝え、人類の多様な文化の象徴として輝き続けることでしょう。
よくある質問
ラサの「ポタラ宮の歴史的遺跡群」とは何ですか?
これは、チベット自治区の首府ラサにある3つの主要な世界遺産、ポタラ宮、ジョカン寺(大昭寺)、そしてノルブリンカを総称するものです。これらはチベット仏教の中心であり、ダライ・ラマの歴史と密接に関わる重要な文化遺産です。
ラサへの最も便利なアクセス方法は何ですか?
主に2つの方法があります。
- 青蔵鉄道(Qinghai-Tibet Railway): 中国本土(北京、上海、成都など)から出発し、西寧を経由してラサへ向かいます。時間をかけて高地に順応できるため、高山病のリスクを軽減できると言われています。
- 航空便: 中国国内の主要都市からラサゴンガル空港(Lhasa Gonggar Airport, LXA)への直行便を利用します。移動時間は短いですが、一気に高地へ移動するため、高山病対策がより重要になります。
チベットへの旅行には特別な許可が必要ですか?
はい、外国人旅行者はチベット旅行許可証(Tibet Travel Permit)の取得が必須です。個人での取得はできず、中国政府の認可を受けた旅行会社を通じてツアーを申し込むことで手配してもらえます。原則として、ガイド付きの団体ツアーへの参加が義務付けられています。
ラサは高地だと聞きました。高山病の対策はどうすればいいですか?
ラサは標高約3,650メートルの高地にあるため、高山病対策は非常に重要です。
- 旅行前に医師に相談し、必要であれば予防薬を処方してもらいましょう。
- ラサ到着後は、初日は無理せずゆっくりと行動し、十分な休息と水分補給を心がけてください。激しい運動や飲酒は控えましょう。
- 症状(頭痛、めまい、吐き気など)が出た場合は、すぐにガイドに伝え、酸素吸入などの対応を取ってください。
ポタラ宮の観光にはどのくらいの時間が必要ですか?また、写真撮影はできますか?
タラ宮の見学は、内部の保護のため人数と時間が厳しく制限されており、通常約1~1.5時間が目安です。内部での写真撮影は、基本的に禁止されていますのでご注意ください。
ジョカン寺の周辺にあるバルコル広場とはどんな場所ですか?
ジョカン寺の周囲を囲む円形の広場で、チベット仏教徒がジョカン寺を右回りに巡礼する「コルラ」を行う場所です。チベットの人々の信仰と日常生活が密接に結びついている様子を間近で見ることができ、多くのお土産物店が並び、活気に満ちています。
チベット仏教の僧侶の問答はどこで見学できますか?
ラサ近郊のセラ寺(Sera Monastery)で、僧侶たちが仏教の教義について活発に議論する「問答」を見学することができます。通常は午後の時間帯に行われます。迫力ある身振り手振りでの議論は、チベット仏教の学びの厳しさと情熱を感じさせます。
ラサ訪問のおすすめ時期はありますか?
気候が穏やかで観光に適しているのは、春(4月~5月)と秋(9月~10月)です。夏(7月~8月)は雨季で比較的気温が上がりますが、観光客も多くなります。冬(12月~2月)は非常に寒くなりますが、空気が澄んでおり、現地の巡礼者も増えるため、より宗教的な雰囲気を感じられる時期でもあります。






海外ツアー




2.航空券
早割はこちら!<エアトリ>




3.ホテル
【Trip.com】旅行をもっとお得に!




4.アクティビティ
現地と直接つながる【Hello Activity】




5.通信機器
海外旅行者向けeSIMなら VOYAGEESIM




6.スーツケース