アメリカ・カリフォルニア州の北の端、太平洋沿いに広がる巨木の森がレッドウッド国立公園です。世界遺産としての正式名は「レッドウッド国立・州立公園群」で、1980年にユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されました。ここには、地球上で最も背が高くなる木コースト・レッドウッドが育っています。現在知られている世界一高い木「ハイペリオン」(約115m)も、この公園の中にあります。
この記事では、まず検定で問われる登録年・登録基準・登録面積を、UNESCO世界遺産センターの公式情報で整理します。そのうえで、米国国立公園局(NPS)の公式情報をもとに、次のような旅行の疑問に答えます。
- サンフランシスコからどう行くか
- 入園料はかかるのか
- トールツリー・グローブの予約はどう取るか
- ハイペリオンは見に行けるのか
ハイペリオンの周りは立ち入り禁止区域に指定されていること、人気のトレイルはオンライン予約制であることなど、行く前に知っておきたい注意点もまとめました。料金や現地の状況は変わることがあるため、出発前には必ず公式サイトで確認してください。
レッドウッド国立・州立公園群の基本データ
検定対策で押さえたい基本情報を一覧にしました。登録情報はUNESCO世界遺産センター、名称は世界遺産検定の公式一覧に合わせています。
| 検定での名称 | レッドウッド国立・州立公園群 |
|---|---|
| 英語名(UNESCO) | Redwood National and State Parks |
| 所在地 | アメリカ合衆国カリフォルニア州の北西部(太平洋沿岸、オレゴン州との境の近く) |
| 遺産種別 | 自然遺産 |
| 登録年 | 1980年 |
| 登録基準 | (vii)(ix)((viii)(x)は含まない) |
| 世界遺産の登録面積 | 41,571ha(約416km²。UNESCO掲載値) |
| 現在の公園全体の面積 | 54,168ha(約542km²。2018年時点、UNESCO) |
| オールドグロース林(原生林)の面積 | 登録時は16,193ha、2018年時点で16,442ha(UNESCO) |
| 構成 | レッドウッド国立公園(1968年設立、1978年拡張)と、3つの州立公園(プレーリー・クリーク・レッドウッズ、デル・ノルテ・コースト・レッドウッズ、ジェデダイア・スミス・レッドウッズ)。1994年から国と州が共同で管理している |
| 入園料 | 無料(ファーン・キャニオンなど一部の州立公園エリアは有料) |
| キーワード | コースト・レッドウッド、世界一高い木、世界最大のひと続きのレッドウッド原生林、約60kmの海岸線 |
面積は、どの時点の数字かによって大きく変わります。世界遺産に登録されたのは約416km²(UNESCOの掲載値)です。そこから土地が加わり、2018年時点の公園全体は約542km²になりました。ただし、このうち一度も伐採されていない原生林は約164km²だけです。UNESCOによると、登録した時点で、約15,400haがすでに大規模に伐採された森でした。
世界遺産に登録された理由|2つの登録基準と検定の比較ポイント

公園の主役はコースト・レッドウッド(和名センペルセコイア、学名Sequoia sempervirens、ヒノキ科)の森です。UNESCOによると、この仲間の木は1億6,000万年前から存在していました。かつては世界中の湿った温帯に広がっていましたが、今は北アメリカの西海岸の雨の多い地域にしか残っていません。公園には、海岸と海沿いの山地という2つの環境があります。原生林のほか、潮間帯・海・川の豊かな動植物も見られます。
登録基準(vii)(ix)の中身
登録基準は、自然遺産の4つの基準のうち2つです。UNESCOの評価文を要約すると、次のとおりです。
- 基準(vii)(すぐれた自然美):太平洋に面した海沿いの山地が、コースト・レッドウッドの見事な森に覆われている。コースト・レッドウッドは最も背の高い生き物で、世界で最も印象的な木のひとつ。現在知られている世界一高い木々のうち何本かがこの範囲内に育っている
- 基準(ix)(生態系):世界最大のひと続きのレッドウッドの原生林が、もともとの森と川辺の環境のまま守られている
「世界一高い木がある」のは基準(vii)、「原生林が生態系ごと残っている」のは基準(ix)と分けて覚えると整理しやすくなります。登録基準(vii)〜(x)そのものの意味は「自然遺産の登録基準(7)〜(10)とは?」で、覚え方は「登録基準(1〜10)を一発で覚える語呂合わせ」で整理しています。
9割以上が伐採された森を守る|国立公園と州立公園の歴史
NPSによると、もともとあったコースト・レッドウッドの原生林は96%が伐採されました。この公園群が守っているのは、カリフォルニア州に残る原生林の約45%です。「世界のレッドウッドの半分」ではなく「州内に残る原生林の45%」である点に注意しましょう。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1920年代 | カリフォルニア州が、プレーリー・クリーク(1923年)、デル・ノルテ・コースト(1925年)、ジェデダイア・スミス(1929年)の3つのレッドウッド州立公園を設立 |
| 1963年 | ナショナル ジオグラフィック協会の調査で、当時世界一高い木とされた「トール・ツリー(リビー・ツリー)」が見つかり、国立公園をつくる動きが進む |
| 1968年 | 連邦議会がレッドウッド国立公園を設立(3つの州立公園を内側に含む形) |
| 1978年 | 上流での伐採から森を守るため、国立公園を拡張。伐採跡地を回復させる計画も始まる |
| 1980年 | 世界遺産(自然遺産)に登録 |
| 1994年 | NPSとカリフォルニア州立公園局が協定を結び、4つの公園を「レッドウッド国立・州立公園群」として共同管理 |
| 2002・2005年 | 2002年にカリフォルニア州がミル・クリーク流域の土地を取得し、2005年の連邦法で公園の境界に編入(UNESCOによると、範囲は1981・1985・2000・2005年などに変更されている) |
UNESCOは、登録範囲の中に、伐採後に育った若い二次林が数千haあることを課題として挙げています。こうした森は、原生林と同じ性質をまだ持っていません。そのためNPSと州は、昔の林道を取り除き、二次林を原生林に近づける回復の取り組みを続けています。公園には、NGOのセーブ・ザ・レッドウッズ・リーグや、ユロック族などの先住民も、パートナーとして関わっています。
検定で狙われる比較ポイント
アメリカの自然遺産は、登録年と登録基準の組み合わせで問われることが多い分野です。レッドウッドと紛らわしい遺産を並べると、次のようになります。
| 世界遺産 | 登録年 | 登録基準 | 見分けるキーワード |
|---|---|---|---|
| レッドウッド国立・州立公園群(本記事) | 1980年 | (vii)(ix) | コースト・レッドウッド、世界一高い木 |
| オリンピック国立公園 (アメリカの世界遺産一覧で紹介) | 1981年 | (vii)(ix) | ワシントン州の温帯雨林・氷河。レッドウッドと同じ基準の組み合わせ |
| ヨセミテ国立公園 (アメリカの世界遺産一覧で紹介) | 1984年 | (vii)(viii) | 花崗岩の谷、ジャイアント・セコイアの森 |
| エバーグレーズ国立公園 | 1979年 | (viii)(ix)(x) | 亜熱帯の湿地、(vii)がない、現在も危機遺産 |
| イエローストーン国立公園 | 1978年 | (vii)(viii)(ix)(x) | 世界初の国立公園、間欠泉 |
| グランド・キャニオン国立公園 | 1979年 | (vii)(viii)(ix)(x) | 約20億年分の地層、峡谷 |
特に紛らわしいのが、カリフォルニア州の2つの「巨木」です。
- コースト・レッドウッド:海沿いのレッドウッドに生える。背の高さで世界一
- ジャイアント・セコイア:内陸のシエラネバダ山脈(ヨセミテなど)に生える。幹が太く、体積で上回る
NPSも「体積はジャイアント・セコイア、背の高さはコースト・レッドウッドが上」と説明しています。また、レッドウッドとオリンピックは、どちらも(vii)(ix)の2基準で、登録年も1年違いです。「温帯の森」というテーマで並べて出題されることも考えられるので、州(カリフォルニア/ワシントン)と主役の木で区別しておきましょう。
世界一高い木「ハイペリオン」と、見に行けない理由
NPSによると、コースト・レッドウッドの寿命は最長で約2,000年、平均は500〜700年です。高さは90m(300フィート)を超えることも多く、幹の直径は5〜6mに達します。ただし、世界で最も長生きする木は、アメリカ西部のブリッスルコーン・パイン(約5,000年)です。レッドウッドは「最も長生き」ではなく、「最も背が高い」木です。
「世界一高い木」の移り変わり
世界一高い木の記録は、木が伸びたり、嵐で先が折れたりして何度も入れ替わってきました。
| 木の名前 | 見つかった年 | 高さ | 場所 |
|---|---|---|---|
| トール・ツリー(リビー・ツリー) | 1963年 | 約112m(367.8フィート) | レッドウッド国立公園のトールツリー・グローブ。先端が枯れて記録を失い、世界34位に後退した(枯れた時期は、NPSのトレイル案内では1994年、よくある質問のページでは1980年代と、NPSの中でも記述が分かれている) |
| ストラトスフィア・ジャイアント | 2000年 | 約112〜114m | フンボルト・レッドウッズ州立公園(世界遺産の範囲外) |
| ハイペリオン | 2006年 | 約115.5m(379フィート) | レッドウッド国立公園のレッドウッド・クリーク流域。現在知られている世界一高い木 |
トールツリー・グローブは、1963年にナショナル ジオグラフィック誌で紹介されたことで、国立公園ができるきっかけになった場所です。ただしNPSは、「世界一高い木はトールツリー・グローブにはない」とはっきり書いています。トールツリー・グローブを歩いても、ハイペリオンは見られません。
ハイペリオンの周りは立ち入り禁止区域
ハイペリオンには道がなく、深いやぶをかき分けて進まないとたどり着けません。そのため、見に行こうとする人に周りの植物が踏み荒らされ、木の根元も傷んでしまいました。NPSによると、木の周りに生えていたシダは、踏みつけによってなくなっています。
そこでNPSは、公園の規則(コンペンディウム)で、ハイペリオンのあるトム・マクドナルド・クリーク周辺を立ち入り禁止区域に指定しました。NPSは「この区域に立ち入ると、罰金または拘禁の対象になりうる」としています。2022年に禁止が報道された際には、最大5,000ドルの罰金と6か月の拘禁と伝えられました(NPRの報道)。「場所が秘密だから見つけられない」のではなく、立ち入ること自体が違法です。
NPSは、巨木の森を通る整備されたトレイルだけでも約160km(100マイル)以上あり、その沿道にもハイペリオンより見ごたえのある巨木がたくさんあると案内しています。次の章で、代わりに歩けるトレイルを紹介します。
人気トレイルと見どころ|トールツリー・グローブは予約制

公園群には、草原や海岸沿いの道も含めると、全部で320km(200マイル)を超えるトレイルがあります。ほかの国立公園と違って入口のゲートがなく、国道101号線を走っているうちに、いつの間にか公園の中に入っています。NPSは、まずビジターセンターに寄って地図と最新の状況を確認するよう勧めています。NPSの資料ページ(Publications and Resources)には、日本語のビジターガイドと案内パンフレット(PDF)もあります。ただし作成年が古い(2014年版など)ため、料金や開館時間は英語の最新ページで確認してください。
トールツリー・グローブ(往復約7.2km・中級〜上級)
レッドウッド・クリークの川辺の平地にある巨木の林で、NPSによると、高さ106m(350フィート)を超える木がたくさんあります。ただし、気軽に歩けるコースではありません。
| 距離 | 往復約7.2km(4.5マイル) |
|---|---|
| 高低差 | 合計約1,600フィート(約487m)。最初の約2.4kmで約240m(800フィート)下り、帰りは同じだけ登り返す |
| 難易度 | 中級〜上級(moderate to strenuous) |
| 所要時間 | 3〜6時間。車での移動を含めると最低でも半日(4時間以上)かかる |
| 登山口まで | 最寄りのビジターセンターから車で約1時間(未舗装路を約10km(6マイル)含む、細く曲がりくねった道)。鍵のかかったゲートがあり、全長21フィート(約6.4m)を超えるキャンピングカーやトレーラーは入れない |
| 許可 | オンライン予約が通年で必要(無料) |
NPSによると、予約はオンラインのみで受け付けています。ビジターセンターの窓口では発行されません。予約の種類は次の2つです。
- 事前予約(終日):180日前から、前日までに予約。NPSの予約案内では1日45件
- 前日予約(半日):午前(8〜12時)の枠は前日の朝8時、午後(13時〜日没)の枠は前日の13時に受付開始。各10件
予約すると確認メールが届きます。ゲートの暗証番号は、事前予約ならハイキング当日の23時間前に、前日予約なら予約後すぐにメールで届きます。夏は早く埋まるので、日程が決まったらすぐにNPSの「Tall Trees Trailhead Day-Use Online Reservations」から予約しましょう。食料・水・歩きやすい靴・雨具・懐中電灯を持っていくようNPSは呼びかけています。ペットは連れて行けません。
予約なしで巨木を見られる代わりのトレイル
NPSは、トールツリー・グローブは時間も体力も必要なので、ほかの道も検討するよう勧めています。次のトレイルは予約がいらず、短い時間で巨木の森を歩けます(距離はNPSの案内)。
| トレイル | 場所 | 距離 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| レディ・バード・ジョンソン・グローブ | 南部(ボールド・ヒルズ・ロード、国道101号線から約3km) | 1周約1.6km(1マイル) | 平坦で歩きやすい。国立公園の献呈式が行われた場所 |
| カール・ナップ(プレーリー・クリーク)〜フットヒル・トレイル | 南部(プレーリー・クリーク・レッドウッズ州立公園) | 組み合わせで周回 | NPSが「トールツリーの代わりに一番のおすすめ」とする道。行きやすく、木の高さも同じくらい |
| スタウト・メモリアル・グローブ | 北部(ジェデダイア・スミス・レッドウッズ州立公園) | 1周約0.8km(0.5マイル) | スミス川の近く。高さ約90mの巨木が並ぶ |
| グローブ・オブ・タイタンズ | 北部(ジェデダイア・スミス・レッドウッズ州立公園) | 1周約2.4km(1.5マイル) | 2022年に、森の地面を守るための高架の木道(金属製)が整備された |
ファーン・キャニオン(夏は予約制)

高さ約9m(30フィート)の崖一面がシダに覆われた渓谷で、1周約1.1km(0.7マイル)の道があります。NPSによると、ここに生えるシダには、3億2,500万年前までさかのぼれる古い系統の種類もあります。一年中足が濡れる道なので、濡れてもよい靴で行きましょう。
- 予約:5月15日〜9月15日はオンライン予約が必要(当日予約はなし)
- 料金:ゴールド・ブラフス・ビーチの駐車料金が1日12ドル。支払いは現金か小切手のみでカードは使えない(America the Beautifulパスの所持者は駐車料金が免除)
- 道路:全長約13km(8マイル)の砂利道で、川を2回渡る。トレーラーと全長24フィート(約7.3m)を超える車は入れない
車で巡る景観ドライブ
歩く時間が取れない人は、車窓から巨木の森を楽しめる道を通るのもおすすめです。NPSの「Scenic Drives」で紹介されている主な道は次のとおりです。
| 道路 | 長さ(片道) | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| ニュートン・B・ドゥルーリー・シーニック・パークウェイ(Newton B. Drury Scenic Parkway) | 約16km(10マイル) | 舗装路。プレーリー・クリーク・レッドウッズ州立公園を抜ける国道101号線の旧道で、ビジターセンターやエルクの見られる草地がある。商用車は通行不可 |
| ハウランド・ヒル・ロード(Howland Hill Road) | 約16km(10マイル) | 大部分が未舗装の細い道。ジェデダイア・スミス・レッドウッズ州立公園の中心部を通り、スタウト・グローブの登山口がある。キャンピングカー・トレーラーは通れない |
| コースタル・ドライブ(Coastal Drive) | 1周約14km(9マイル) | 海と河口を見下ろす周回路。一部未舗装で、北側はキャンピングカー・トレーラー不可 |
映画『スター・ウォーズ』のロケ地として
北カリフォルニアのレッドウッドの森は、映画『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983年)で、森の衛星エンドアの撮影に使われました。カリフォルニア州立公園財団は、スピーダー・バイクの追跡シーンはグリズリー・クリーク・レッドウッズ州立公園で撮影されたと紹介しています。そのほかのシーンは、構成資産のひとつであるプレーリー・クリーク・レッドウッズ州立公園などで撮影されたとしています。ただし、撮影の中心は公園の外の私有林だったとする資料もあり、撮影地には諸説あります。映画の森の雰囲気を味わう場所として楽しむのがよいでしょう。
レッドウッドの動物|エルクとマダラウミスズメ
UNESCOは、この遺産の動物として、アシカ、ハクトウワシ、カリフォルニアカッショクペリカンなどを挙げています。ここでは、旅行者が見かけやすい動物と、検定で押さえたい鳥を紹介します。
ルーズベルトエルク|近づきすぎに注意

公園で一番出会いやすい大型動物が、北米にいる6つのエルク(ワピチ)の亜種のうち最大のルーズベルトエルクです。NPSによると、公園群には7つの群れがすんでいます。主な場所は次のとおりです。
- ゴールド・ブラフス・ビーチとプレーリー・クリーク周辺
- エルク・メドウ
- オーリックの谷
- ボールド・ヒルズ(約250頭で一番大きな群れ)
オスは体重が540kg(1,200ポンド)にもなります。NPSは、23m(25ヤード)以上離れて見るよう呼びかけています。特に次の2つの時期は、もっと距離をとってください。
- 5月下旬〜6月(出産期):子どもを守るメスが突進してくることがある
- 8月下旬〜10月(繁殖期):オスが攻撃的になる
マダラウミスズメ|原生林でしか子育てできない海鳥

マダラウミスズメ(マーブルドムレット、Marbled Murrelet)は、ふだんは海で暮らす小さな海鳥です。ところが、卵を産むのは海岸から数km〜約50km(2〜30マイル)内陸の原生林の高い枝の上です。そのため、原生林がなくなると子育てができません。UNESCOは、伐採された二次林ではマダラウミスズメのような絶滅のおそれがある種のすみかとして不十分だ、と指摘しています。この鳥は、レッドウッドの原生林を守る意味を示す代表的な種です。
NPSによると、カリフォルニア州の個体数は、かつての約6万羽から約4,000羽に減りました。繁殖する個体の75〜90%が、この公園群の沖合にいます。1992年に米国の種の保存法(ESA)で「Threatened(絶滅のおそれがある)」に指定され、カリフォルニア州の法律では「Endangered(絶滅危惧)」です。公園の巣は、キャンプ場の食べ残しで増えたステラーカケスなどに襲われやすくなっています。そのため、NPSは野生動物にエサを与えないよう強く呼びかけています。
カリフォルニアカッショクペリカンは「絶滅危惧種」から外れた
UNESCOの遺産の説明文には、「絶滅危惧種のカリフォルニアカッショクペリカン」と書かれています。しかし、米国魚類野生生物局(USFWS)は、個体数が回復したとして、2009年にカッショクペリカンを種の保存法の保護リストから外しました(2009年12月発効)。現在は絶滅危惧種ではなく、渡り鳥条約法による保護が続いています。UNESCOの説明文には登録当時の表現が残っていると考えられ、現在のESA上の扱いとは異なっています。
NPSのESA対象種のページでは、公園で普段見られる対象種として、次の種が挙げられています。
- マダラウミスズメ
- キタアメリカフクロウ(ニシアメリカフクロウの亜種)
- ユキチドリの亜種
- ギンザケ・マスノスケ・スチールヘッドなどのサケ類
- トドなど(トドの東部個体群は2013年にESAの指定から外れている)
ESAの区分は、IUCNレッドリストの「絶滅危惧IA類」「危急」などとは別の制度なので、混同しないようにしましょう。
行き方・入園料・ベストシーズン
ここからは、実際に旅行の計画を立てるときに必要な情報をまとめます。
入園料は無料(一部の州立公園エリアは有料)
NPSの公式料金ページ(2026年11月時点)によると、レッドウッド国立公園には入口の料金所がなく、入園料は無料です。入園料自体がないため、NPSの料金ページには米国非居住者向けの追加料金の記載もありません。料金がかかるのは、次のような一部の場所だけです。
| 区分 | 料金 |
|---|---|
| 国立公園・州立公園の道路のドライブ、トレイル | 無料 |
| トールツリー・グローブの予約 | 無料(オンライン予約が必要) |
| ゴールド・ブラフス・ビーチ/ファーン・キャニオン | 1日12ドル(州立公園の料金。現金・小切手のみ) |
| キャンプ場(4か所) | 1サイト1泊35ドル(予約はReserveCalifornia) |
最新の料金はNPSの「Fees & Passes」で確認してください。
サンフランシスコからの行き方

公園群は、カリフォルニア州北部の海岸沿いに、南北約80km(50マイル)にわたって広がっています。北はオレゴン州境に近いクレセント・シティ、南はオーリックの南のレッドウッド・クリーク流域までです。NPSが案内している主な行き方は次のとおりです。
- 車(サンフランシスコから):国道101号線を北上する。NPSの案内では、公園までは約325マイル(約520km)で車で約6時間(よくある質問のページでは「約7時間」)。南の入口にあたるトーマス・H・クーチェル・ビジターセンターは、サンフランシスコの北約312マイル(約500km)、ユーリカの北約40マイル(約64km)にあり、オーリックの町の約1.6km南です
- 飛行機:一番近い空港はアルカタ・ユーリカ空港(ACV)で、サンフランシスコ・ロサンゼルス・デンバーからユナイテッド・エクスプレスの直行便が毎日出ています。クーチェル・ビジターセンターまでは約25マイル(約40km)です。北部へ行くなら、クレセント・シティの空港(CEC、オークランドから直行便)も使えます
- 公共交通機関:地元のバスレッドウッド・コースト・トランジットが、アルカタ・オーリック・クラマス・クレセント・シティなどの町を結んでいます。ただし、トレイルの登山口まで行くバスはありません
NPSは、スマートフォンの地図アプリやGPSが、公園の中では間違った道(未舗装路や通行止めの道)を案内することがあると注意しています。紙の地図と道路標識を頼りに進んでください。クーチェル・ビジターセンターも、地図アプリが示すオーリックの町の中ではなく、町の南の海辺にあります。見どころが南北に点在しているので、レンタカーで回るのが現実的です。
レンタカーで回る場合は、国際運転免許証の準備が必要です。取り方は「国際運転免許証(IDP)の取り方完全ガイド」、アメリカのドライブ旅行全体の費用とルートは「アメリカ横断ドライブの費用とルート」で解説しています。
宿泊|公園の中にホテルはない
NPSによると、公園群の中の宿泊施設は、州立公園のキャンプ場にある簡素なキャビン8棟だけです(プレーリー・クリークに4棟、ジェデダイア・スミスに4棟)。これらは数か月前に埋まることが多いので、早めの予約が必要です。ほとんどの旅行者は、周辺の町のホテル・モーテルに泊まります。泊まる町の選び方は次のとおりです。
- 北部(スタウト・グローブやグローブ・オブ・タイタンズ)を回るなら:クレセント・シティ
- 南部(トールツリー・グローブ、レディ・バード・ジョンソン、ファーン・キャニオン)を回るなら:オーリック、アルカタ・ユーリカ方面
特に夏は周辺の宿も混み合うので、トールツリー・グローブの予約と同時に宿も押さえておくと安心です。ホテルは、クレセント・シティやユーリカ周辺で探すと選択肢が多くなります。
ベストシーズンと服装
NPSによると、海の影響で気温は一年を通して7〜16℃前後(華氏40度台半ば〜60度台前半)と穏やかで、どの季節でも歩けます。10月〜4月は雨が多く、年間1,500〜2,000mmの雨のほとんどがこの時期に降ります。夏は雨が少なく、海から上がる霧が森を包みます。この霧が、乾く夏のレッドウッドに水分を届けています。
| 時期 | 特徴と注意点 |
|---|---|
| 5月中旬〜6月上旬 | 野生のシャクナゲの花の見ごろ(NPS)。エルクの出産期なので距離に注意 |
| 6月〜10月ごろ | 雨が少なく歩きやすい。ファーン・キャニオンやスタウト・グローブへの季節限定の仮設橋がかかる(水量によって時期は変わる)。トールツリー・グローブとファーン・キャニオンの予約が埋まりやすい |
| 10月〜4月 | 雨が多い。倒木でトレイルが通行止めになることがある |
季節を問わず、重ね着できる服・雨具・滑りにくい靴を用意しましょう(NPS)。夏でも霧の中は肌寒いことがあります。出発前にNPSの「Current Conditions」で通行止めの情報を確認してください。ビジターセンターの開館時間は、夏が9〜17時、秋〜春が9〜16時です(感謝祭・12月25日・1月1日は休館)。
観光に必要な日数の目安
見どころが南北約80kmに散らばっていることを踏まえた、kaz-travelの目安です。
| 日程 | 回れる範囲の目安 |
|---|---|
| 1日 | 南部のクーチェル・ビジターセンター、レディ・バード・ジョンソン・グローブ、プレーリー・クリーク周辺(エルク観察) |
| 1泊2日 | 上記+トールツリー・グローブ(要予約・半日)またはファーン・キャニオン |
| 2泊3日以上 | 南部+北部のスタウト・グローブ、グローブ・オブ・タイタンズ |
サンフランシスコからは片道6〜7時間かかるので、日帰りは現実的ではありません。往復の移動を含めて、最低でも2泊3日を見ておきましょう。
アメリカ旅行の準備(ESTA・チップ)
- ESTA(電子渡航認証):日本のパスポートでビザなしで観光する場合も、事前の申請が必要です。料金・手続きは米国税関・国境警備局(CBP)の公式情報で確認してください
- チップ:レストランやガイドツアーではチップの習慣があります。目安は「海外チップ文化の国別ガイド」を参考にしてください
まとめ
レッドウッド国立・州立公園群は、カリフォルニア州北部の海沿いに残る、世界最大のひと続きのコースト・レッドウッドの原生林を守る自然遺産です。検定では次の3点をセットで覚えましょう。
- 1980年登録
- 登録基準(vii)(ix)(オリンピック国立公園と同じ組み合わせ)
- 世界一高い木ハイペリオン(約115.5m)がある
あわせて、背の高さのコースト・レッドウッド、体積のジャイアント・セコイア(ヨセミテ)という違いも押さえておくと安心です。
旅行先としては、次の4点を押さえておけば、計画で迷うことはありません。
- 入園料は無料
- トールツリー・グローブは往復約7.2km(4.5マイル)の本格的な道で、オンライン予約が必要
- ハイペリオンの周りは立ち入り禁止区域
- 公園の中にホテルはなく、周辺の町に泊まる
1億6,000万年前から続く巨木の森を、ぜひ整備されたトレイルから自分の目で確かめてみてください。
よくある質問

登録年・登録基準、世界一高い木、トレイルの予約、入園料、行き方について、よくある疑問をまとめました。料金や現地の状況は変わるため、最新情報は記事内の公式リンクで確認してください。
レッドウッド国立公園が世界遺産に登録されたのはいつですか?登録基準は?
1980年に自然遺産として登録されました。登録基準は(vii)(ix)の2つです。世界遺産検定での名称は「レッドウッド国立・州立公園群」で、国立公園と3つの州立公園がひとつの遺産になっています。UNESCOに載っている登録面積は41,571haです。
世界一高い木「ハイペリオン」は見に行けますか?
行けません。ハイペリオン(約115.5m、2006年発見)の周辺は、踏み荒らしの被害を受けて、NPSが立ち入り禁止区域に指定しています。立ち入ると罰金や拘禁の対象になりえます。道もありません。NPSは、整備されたトレイル沿いの巨木を見るよう呼びかけています。
トールツリー・グローブに行くには予約が必要ですか?
はい。一年中、無料のオンライン予約が必要で、ビジターセンターでは発行されません。事前予約(終日)は180日前から、前日予約(半日)は前日の8時・13時から受け付けます。道は往復約7.2km(4.5マイル)・高低差の合計約487mで、NPSは中級〜上級としています。車での移動を含めて4時間以上かかります。
レッドウッド国立公園の入園料はいくらですか?
NPSによると、入口の料金所がなく、入園料は無料です。料金がかかるのは、ゴールド・ブラフス・ビーチとファーン・キャニオンの駐車料金(1日12ドル、現金・小切手のみ)やキャンプ場(1泊35ドル)など、一部の州立公園エリアです。最新情報はNPSの料金ページで確認してください。
サンフランシスコからどのくらいかかりますか?
NPSの案内では、国道101号線で約325マイル(約520km)、車で6時間ほどです(NPSのよくある質問のページでは約7時間)。近くのアルカタ・ユーリカ空港(ACV)にはサンフランシスコから直行便があり、そこからクーチェル・ビジターセンターまでは約40kmです。
コースト・レッドウッドとジャイアント・セコイアは何が違いますか?
NPSによると、背の高さはコースト・レッドウッド、体積はジャイアント・セコイアのほうが上です。コースト・レッドウッドはカリフォルニア北部の海沿いに、ジャイアント・セコイアは内陸のシエラネバダ山脈(ヨセミテ国立公園など)に生えます。
アイキャッチ画像: トールツリー・グローブのコースト・レッドウッド(写真:NPS/Shaina Niehans、パブリックドメイン。元画像をトリミング・リサイズして掲載)
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