ベトナムの首都ハノイにある「タンロン皇城(下の地図⑥)」は、約1000年の歴史を誇る壮大な史跡です。2010年にユネスコ世界文化遺産に登録されたこの場所は、李朝時代から始まる長い歴史の中で、ベトナムの政治・文化の中心地として重要な役割を果たしてきました。
現在でも美しく保存された遺跡群は、訪れる人々に深い感動を与えています。しかし、いざ訪問しようと思っても「どこから見学すればいいの?」「アクセス方法は?」「入場料はいくら?」など、わからないことも多いのではないでしょうか。
この記事では、タンロン皇城の歴史的価値から具体的な観光情報まで、初めて訪れる方にも分かりやすく詳しく解説します。ベトナムの歴史ロマンに触れる特別な体験を、ぜひこのガイドとともにお楽しみください。
タンロン皇城の歴史と世界遺産としての価値

タンロン皇城は、11世紀に李朝によって建設されたベトナムの歴史的かつ文化的な名所であり、2010年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。この皇城は、ハノイの中心部に位置し、ベトナムの歴史の中でも特に重要な役割を果たしてきました。
世界遺産としての基本情報
名称 | ハノイのタンロン皇城の中心区域 |
---|---|
登録年 | 2010年 |
登録基準 | (2):ある期間またはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観設計の発展に大きな影響を与えた、価値ある人間の交流を示している。 (3):現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。 (4):人類の歴史上において、重要な時代を例証する、ある形式の建造物、建築物群、技術の集積または景観の優れた例である。 |
歴史的背景
タンロンという名称は、ハノイの旧称「昇龍」を指し、古代中国の影響を受けた地名です。李朝の初代皇帝である李太祖が、1010年にこの地に都を置いたことから始まりました。彼は、黄竜が天に昇る光景を見て、この地に宮殿を建てることを決意しました。
この地域は元々、中国が7世紀に築いた要塞の跡を利用しており、その後、タンロンは大越国の政治的中心地として機能しました。皇城は19世紀にフエに遷都されるまで、約800年間にわたり、ベトナムの王朝の中枢を担っていました。
世界遺産としての価値
タンロン皇城が世界遺産として評価された理由は、いくつかの重要な登録基準に基づいています。
文化交流の代表例
タンロンの皇城は、中国の文化と南部のチャンパ王国の影響を受けた独自の文化が形成された場所とされています。この異文化交流の証拠は、建築様式や芸術作品に見られます。キン族文化の伝承
皇城が位置する地域では、キン族(ベト族)の文化が長い歴史の中で保たれ、変遷してきたことが確認されています。特に、李朝以降の文化的遺産が多く残されており、ベトナム文化の根底にある要素を探る手がかりとなります。政治と宗教の象徴
タンロン皇城は政治的な機能だけでなく、宗教や哲学、芸術の発展をも示しています。これは、ベトナムの歴史的な進展と共に、この地域がどのように形成されてきたかを物語る重要な証拠となっています。
現在の保存状態
現在、タンロン皇城は保存状態が良好で、観光客に公開されています。発掘作業は続いており、さまざまな時代の遺構を見学することができます。特に、雄大な規模の遺跡や美しい装飾が施された建物は、多くの訪問者を魅了しています。歴史を感じるための最適なスポットであり、ベトナムの深い歴史を感じ取ることができる場所です。
見どころ満載!皇城内の主要スポットガイド

タンロン皇城は、歴史的な価値と壮麗な建築美が融合する場所です。訪れる人々を魅了するスポットが数多くあり、ゆっくりと見学する価値があります。以下に、皇城内で特に注目すべき主要スポットを紹介します。
メインスポット – 南門
第一に訪れるべきは、皇城の威厳を象徴する南門です。この門は、タンロン皇城への入り口として重要な役割を果たしており、広々とした庭園に面しています。南門近くには歴史を感じられる風景が広がり、訪れる旅行者にとって絶好の写真スポットでもあります。ここから眺める皇城の全景は圧巻です。
北門と東河門
続いて、北門は歴史的な傷跡を残す特別な場所です。この門は1800年代のフランスによる爆撃の名残を持ち、歴史を語りかけてきます。北門を訪れることで、戦争の記憶がどれほど歴史の中に根付いているかを実感できるでしょう。
また、東河門も見逃せません。皇城の現存する城壁の一部であり、その背後には古代の戦略が秘められています。ここでは、かつての防御システムについて学ぶことができます。訪問者は当時の城壁の厚さや構造を体感し、歴史を感じるひとときを過ごせます。
敬天殿 – 王の宮殿
次に訪れたいのが敬天殿です。この建物は、王の宮殿とも称され、皇城の中心的な存在です。敬天殿では、内部の装飾や彫刻の美しさに圧倒されることでしょう。特に注目すべきは、階段の龍の彫刻です。ベトナムの文化が色濃く反映されたこの建物は、歴史愛好家にとって必見のスポットです。
戦争時代の国防参謀本部
敬天殿の裏手には、地下に隠された国防参謀本部があります。ここでは、歴史的な体験ができる貴重な場所です。地下に降りると、実際にベトナム戦争中に使用された作戦司令室が待っています。当時の幹部のネームプレートなどが展示されており、戦争のリアルな歴史に触れることができます。
その他のおすすめスポット
フランス植民地時代の建物: 皇城内にはフランスの影響を受けたモダンな建物も数多く存在し、その美しいデザインに目を奪われます。特に展示室は、歴史的な資料が豊富で、訪問者に多くの学びを提供します。
広々とした庭園: 皇城内には、緑に囲まれた美しい庭が広がっており、シンボリックな建物を眺めながらリラックスすることができます。
これらのスポットを訪れることで、タンロン皇城の持つ歴史的な魅力を存分に享受することができるでしょう。ぜひ、時間をかけてじっくりと探索してください。
アクセス方法と観光の所要時間

ハノイ市内からのアクセス
タンロン皇城はハノイの中心部に位置し、観光名所の一つであるため、アクセスは非常に良好です。主な交通手段は以下の通りです。
- タクシー:市内のほとんどの場所から簡単にタクシーを利用でき、料金も比較的リーズナブルです。運転手に「タンロン皇城」と伝えれば、ほとんどのドライバーがわかります。
- バス:公共交通機関を利用する場合、ハノイ市内のバスがタンロン皇城までのルートを運行しています。安価で移動できるため、予算を抑えたい旅行者にオススメです。
ノイバイ国際空港からのアクセス
ハノイのノイバイ国際空港からタンロン皇城へは、空港タクシーを利用するのが最も便利です。所要時間は約45分から1時間ほどで、料金は300,000 VND(約1,500円)前後です。また、事前に空港送迎サービスを予約することもできます。
観光の所要時間
タンロン皇城をじっくりと楽しむための所要時間は、約2〜3時間が目安です。この時間内で、以下の主な見どころを訪れることができます。
- 南門:皇城の主要な入り口であり、絶好の写真スポットです。
- 北門:歴史の傷跡が残る場所で、皇城の意義を感じられます。
- 東河門:ハノイの街中に位置しており、アクセスしやすいスポットです。
そのほかのポイント
- タンロン皇城周辺には、観光名所が多く点在していますので、近隣のホーチミン廟や文廟を訪れながら、観光を楽しむこともできます。一日を通して、ハノイの歴史を感じることができる濃密な旅になるでしょう。
- 混雑する時間帯を避けることで、より快適に観光できます。特に週末や祝日は、観光客が多く訪れるため、平日の朝がオススメです。
タンロン皇城の訪問を計画する際には、これらのアクセス方法や所要時間を参考にして、充実した観光を楽しんでください。
入場料金と写真撮影のポイント

タンロン皇城を訪れる際に気になるのが入場料金です。観光の計画を立てる上で、予算をしっかり把握しておくことが重要です。
入場料金
タンロン皇城の入場料金は次の通りです:
- 大人(一般): 約30,000 VND(約150円)
- 学生: 約15,000 VND(約75円)
- 6歳以下のお子様: 無料
また、入場券は現地の券売所で購入することができますが、事前にオンラインでの予約も可能です。特に観光シーズン中は、混雑を避けるために事前予約をおすすめします。
写真撮影のポイント
タンロン皇城はその壮大な景観と歴史ある建築物が魅力ですが、素晴らしい写真を撮るためのポイントを押さえておきましょう。
フォトスポット
- 南門エリア: 入り口の印象的なアーチは、正面からの撮影に最適です。朝や夕方の柔らかな光が美しく映えます。
- 北門: 歴史の証人ともいえるこの門は、周囲の城壁と一緒に撮影することで、その迫力を表現できます。
- 東河門: 街中に位置するため、当地の生活と歴史を同時に感じることができるワンショットを撮れる良い場所です。
撮影のヒント
- 時間帯に注意: 朝日や夕焼けの時間帯は、特に美しい光が得られます。早起きして、静かな時間を楽しむのもいいでしょう。
- 季節感を活かす: タンロン皇城周辺の木々や花々の変化を利用し、四季折々の風景を撮影することができます。春の桜や秋の紅葉が特に人気です。
- 広角レンズを使用: 建物の大きさや迫力を伝えるために、広角レンズの使用を検討してください。特に北門あたりでは、全体を収めるのに役立ちます。
タンロン皇城はただの観光地ではなく、歴史の深い足跡を感じるスポットです。ぜひ訪問の際は、これらのポイントを意識して、楽しい写真撮影をしてみてください。
おすすめの観光シーズンと注意点

タンロン皇城を訪れる際には、観光シーズンや注意点を把握しておくことが重要です。ここでは、おすすめの季節や訪問時のポイントをまとめました。
おすすめの観光シーズン
タンロン皇城を訪れるのに最適な時期は、主に以下のシーズンです。
- 秋(9月~11月):
この時期は気候が穏やかで、湿度も低く、観光に最適です。特に10月は、ハノイの文化祭やイベントが多く開催されるため、訪問するのにおすすめです。
春(2月~4月):
春になると温暖な気候が訪れ、花が咲き誇ります。特に3月と4月は、気温が心地よく、観光にも適しています。また、この季節は旧正月(テト)も祝われるため、特別な雰囲気を楽しむことができます。
冬(12月~2月):
冬のハノイは冷え込みますが、観光客が少なくなるため、静かな環境でタンロン皇城を楽しむことができる利点もあります。ただし、寒さ対策が必要です。
注意点
タンロン皇城を訪れる前に知っておくべき注意点もいくつかあります。
- 混雑状況:
祝祭日や連休期間中は、観光地が混雑することが予想されます。特に旧正月の時期は、観光客が多くなりがちです。平日や早朝の訪問をおすすめします。
服装:
季節によって気温が変わるため、服装選びにも注意が必要です。秋や春は軽装でも良いですが、冬は暖かい服装を準備してください。
入場料の確認:
観光の際には、事前に入場料や開館時間を確認しておくことが大切です。特に祭事が行われる時期は、開館時間が変更されることもあります。
文化的な配慮:
タンロン皇城は歴史的な遺産であるため、訪問時には文化や歴史に対するリスペクトを忘れずに。観光地内での大声での会話や、無断での撮影は控えましょう。
これらのポイントを押さえて、お楽しみください。
まとめ
タンロン皇城は、ベトナムの歴史と文化を物語る重要な世界遺産です。豊かな歴史的価値と美しい建築物が融合した観光地として、多くの訪問者を魅了しています。アクセスも良く、適切な服装と時間配分さえ心がければ、ゆっくりと皇城の魅力を堪能できるでしょう。
また、季節によって異なる表情を見せるタンロン皇城を訪れ、ベトナムの深い歴史と独特の文化に触れることをおすすめします。この場所で得られる感動と学びは、きっと旅の思い出に残るはずです。














よくある質問

タンロン皇城の見どころは何ですか?
皇城内の主要スポットには、歴史的な意義を持つ南門、北門、東河門があります。中でも、王の宮殿とも呼ばれる敬天殿は、内部の装飾と彫刻が美しく、必見の場所です。また、地下にある国防参謀本部では、ベトナム戦争当時の歴史を感じることができます。
タンロン皇城はいつが訪れるのがおすすめですか?
秋の9月から11月、春の2月から4月が気候も良く、観光に適しています。特に10月のハノイの文化祭やイベントの時期がおすすめです。ただし、旧正月の時期は混雑が予想されるため、平日や早朝の訪問がおすすめです。
タンロン皇城への行き方は?
ハノイ市内からタクシーやバスで簡単にアクセスできます。ノイバイ国際空港からは空港タクシーを利用するのが便利で、所要時間は約45分から1時間ほどです。
タンロン皇城の入場料はいくらですか?
一般の大人の入場料は約30,000 VND(約150円)、学生は約15,000 VND(約75円)です。6歳以下のお子様は無料です。事前にオンラインで予約することで、混雑を避けられます。
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