海外旅行、特にアメリカ路線を利用する際、搭乗券(ボーディングパス)に「SSSS」という見慣れない印字を見つけて不安になったことはありませんか?
この「SSSS」は、あなたの旅がいつもよりずっと厳重な、二次的な追加セキュリティ検査の対象になったことを示しています。
本記事では、この「SSSS」の意味から、なぜあなたが選ばれたのかという原因の候補、空港で何をされるかという具体的な検査内容、そして次回以降からこの選出を解除するためのTSAの救済プログラムまでを、筆者の実体験を交えながら徹底的に解説します。この記事を読めば、突発的なSSSS遭遇時の不安は解消し、冷静に対処できるようになります。

SSSS(4つのS)とは?正確な意味と選ばれる理由の候補
「SSSS」は「Secondary Security Screening Selection」の略で、追加のセキュリティ検査が必要であることを示しています。このマークが付いた搭乗券は、アメリカの出入国や乗り継ぎ時にしか出ない特別な航空券なのです。
SSSSの意味とTSA(運輸保安局)の関与
これは、「二次的な(追加の)セキュリティ検査選出」を意味します。このマークが付いた乗客は、通常のセキュリティチェック(X線検査など)に加え、さらに詳細な検査を義務付けられます。
このプログラムは、アメリカ運輸保安局(TSA)(Transportation Security Administration / 運輸保安局)が管理するもので、アメリカの空港を発着または乗り継ぎする路線で適用されます。
なぜ選ばれる?SSSSにチェックが入る可能性のある旅行パターン
TSAは、SSSSに選出される具体的な基準やアルゴリズムを公式には公開していません。これはセキュリティシステムの根幹に関わるためです。
しかし、一般的に専門家や体験者の間で指摘されている「選ばれる可能性のある要因」は存在します。
| 選出の主な理由の候補 | 説明 |
| ランダム選出 | 最も一般的な理由。セキュリティの網羅性を高めるための無作為な抽出。 |
| 旅行パターン | 片道航空券の購入、短期間での複数国周遊、直前の予約・購入、現金での航空券購入など。 |
| TSAの監視リスト | 「スクリーニングリスト」上の人物、またはその人物と同姓同名である場合(誤認選出)。 |
| その他 | 過去の渡航歴(ハイリスク地域との関連)や、旅行者が発券システム上で過去に何らかのフラグを立てられた経歴がある場合。 |
遭遇時の具体的な検査内容と「協力的な対処法」
SSSSのチケットを受け取ってしまった場合、最も重要なのは冷静に、そして協力的に対処することです。
検査はどこで、何をされる?具体的なプロセス
SSSSの検査は、通常のセキュリティチェックとは別に、主に二段階で行われます。また、オンラインチェックインが不可となり、必ず空港の有人カウンターで搭乗券を発券する必要があります。
| 検査段階 | 場所 | 主な検査内容 |
| 第1段階 | チェックインカウンター | 有人チェックインの必須化。スタッフがお気の毒そうな顔で「追加検査がある」旨を告げる(笑)。 |
| 第2段階 | 搭乗ゲート前 / 専用検査場 | 詳細な手荷物検査(全ての荷物と中身を詳細に確認)、爆発物検査(手荷物や身体に付着した残留物を採取し専用機器で分析)、身体検査(パットダウンやボディスキャン)。 |
SSSSに当たった時の「3つの必須対処法」
これは時間を無駄にせず、検査をスムーズに終わらせるための実用的なアドバイスです。
- 【1】 早めに空港へ到着する
- 追加の検査には予測不可能な待ち時間が発生します。通常よりも国際線なら1時間、国内線なら30分は早く空港に到着することを強く推奨します。
- 【2】 オンラインチェックインは諦め、必ず有人カウンターへ
- SSSSが印字されたチケットはシステム上、自動発券ができません。空港に着いたら、すぐに航空会社の有人カウンターを探し、チェックイン手続きを行いましょう。
- 【3】 係員には協力的かつ冷静に対応する
- 係員の指示には迅速に従い、敵対的な態度や不必要な抵抗は避けてください。これは検査時間を長引かせるだけで、状況が改善することはありません。彼らの職務に協力することが、あなたの時間を守ることにつながります。
以上の対処法を参考にして、スムーズに追加のセキュリティ検査を受けられるように準備しましょう。
航空券に「SSSS」が印字された時の体験談

管理人管理人は、2019年に世界一周航空券を活用して、世界一周を達成していますが、9月にスペインのマドリードからニューヨーク行きのアメリカン航空を利用した時に、SSSSと印字された航空券の当たりを引きました。
旅行ルート
2019年に世界一周航空券を購入した際は、4月、9月、12月の3回に分けて旅行をしています。搭乗履歴は、下表のとおりです。短い期間で複数の国に入出国するスケジュールだったことが、SSSSが印字された理由ではないかと推測しています。
| 搭乗日 | 便名 | 出発地ー目的地 | 備考 |
| 2019/4/30 | JL0094 | SEOUL-TOKYO | |
| 2019/5/1 | JL0749 | TOKYO-DELHI | |
| 2019/5/5 | JL0740 | DELHI-TOKYO | |
| 2019/9/17 | JL7081 | TOKYO-LONDON | |
| 2019/9/17 | BA0123 | LONDON-DOHA | |
| 2019/9/18 | QR0163 | DOHA-COPENHAGEN | |
| 2019/9/26 | IB3731 | COPENHAGEN-MADRID | |
| 2019/9/27 | AA0095 | MADRID-NEW YORK | SSSS航空券大当たり |
| 2019/9/28 | AA0255 | NEW YORK-LOS ANGELES | |
| 2019/12/22 | AA7730 | LOS ANGELES-SANTIAGO | |
| 2019/12/23 | LA0841 | SANTIAGO-EASTER ISLAND | |
| 2019/12/26 | LA0844 | EASTER ISLAND-SANTIAGO | |
| 2019/12/28 | AA7666 | SANTIAGO-NEW YORK | |
| 2019/12/29 | JL0005 | NEW YORK-TOKYO | |
| 2019/12/30 | JL0095 | TOKYO-SEOUL |


搭乗日当日
マドリードの空港でチェックインした際に、特別な検査がある旨を告げられました。このような経験は初めてだったので、????となりました。
SSSSに当たった際のデメリットは大きく2つあります。
・通常の保安チェックの他に搭乗時に検査を受ける必要がある。
・オンラインチェックインが出来ないため、有人カウンターでチェックインする必要がある。
SSSSが印字されたチケットは、グランドスタッフからお気の毒そうな顔をされます(笑)
搭乗時の追加の検査は、機内持ち込み手荷物(私の場合は全ての荷物をバックパック1つ旅していました。)の入念な検査、金属探知機による検査、ボディスキャナーによる検査をされました。この時は待ち時間も含めて20分くらいだったと思います。
【重要】SSSSから脱出するTSA救済策
「今回でSSSSは最後にしてほしい」「誤って監視リストに載っているのでは?」と不安に感じる方のために、TSAには正式な救済・問い合わせプログラムが存在します。
DHS Traveler Redress Program(TRIP)とは?
もしあなたがSSSSに頻繁に選出される場合、または同姓同名による誤認が疑われる場合は、アメリカの国土安全保障省(DHS)が提供するDHS Traveler Redress Program (TRIP)に申請することができます。
これは、政府の監視リストとの誤認や、その他の渡航に関する問題に対処するためのプログラムです。
| プログラム名 | DHS Traveler Redress Program (TRIP) |
| 目的 | スクリーニングリストとの誤認を解消し、旅行時の問題を解決する。 |
| 取得できる番号 | Redress Number(救済番号) |
| 利用方法 | 航空券を予約・購入する際、搭乗者情報(API情報)にこのRedress Numberを毎回入力します。 |
このRedress Numberを取得し、予約時に利用することで、システムが「この人は審査済みで問題ない」と認識し、次回のSSSS選出を回避できる可能性が高まります。
今後の回避策:安全な旅行パターンとTSA PreCheck
Redress Numberを取得する以外にも、日常的にSSSSに選ばれるリスクを下げる行動があります。
- 周遊パターンを見直す: 短期間での過度な国境越え(特にハイリスクと見なされる地域との往復)を避ける。
- 航空券は早期に予約・購入する: 直前の購入や現金での購入は、リスク要素とみなされることがあるため避ける。
- TSA PreCheckの検討: アメリカ在住者、または頻繁にアメリカを訪問する方であれば、有料ですがTSA PreCheckなどのプログラムに加入することで、通常の保安検査自体を大幅に短縮し、SSSSのリスクも大幅に下げることができます。
まとめ
SSSSは、遭遇すると非常に面倒で心理的な負担も大きいトラブルですが、決して犯罪者と疑われているわけではありません。テロ対策を目的としたアメリカ独自のセキュリティプログラムのランダム選出、あるいはシステム上のフラグによるものです。
冷静に、そして係員に協力的な態度で検査に臨めば、あなたの旅が中断されることはありません。また、頻繁に遭遇する場合は、ぜひDHS TRIPのRedress Numberの取得を検討してください。
あなたの安全で快適な空の旅を願っています!
トラブル事例










トラブル対策






海外ツアー
2.航空券
早割はこちら!<エアトリ>
3.ホテル
【Trip.com】旅行をもっとお得に!
4.アクティビティ
現地と直接つながる【Hello Activity】
5.通信機器
海外旅行者向けeSIMなら VOYAGEESIM
6.スーツケース
