世界一周航空券という壮大な旅の計画を立てる際、「マイル」の存在は多くの旅人にとって非常に魅力的です。普段からフライトでマイルを貯めている方はもちろん、これから世界一周を機に大量のマイルを手に入れたいと考える方もいるでしょう。
しかし、「世界一周航空券でマイルはどれくらい貯まるの?」「貯まったマイルはどう使えるの?」「上級会員特典は使えるの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、世界一周航空券とマイルの関係を徹底的に深掘りし、マイル積算の基本ルールから、効率的な貯め方、そして特典を最大限に活用する方法まで、あなたの疑問を解消します。
世界一周航空券とマイル積算の基本:なぜ貯まるのか?

世界一周航空券は、通常、特定の航空会社ではなく、**航空アライアンス(航空連合)**が提供する商品です。そのため、マイル積算の仕組みも、このアライアンスのルールに則って行われます。
アライアンスとマイル積算の仕組み
世界には大きく分けて、ワンワールド(oneworld)、スターアライアンス(Star Alliance)、スカイチーム(SkyTeam)という3つの主要な航空アライアンスがあります。世界一周航空券は、これらアライアンスの加盟航空会社(例えば、ワンワールドならJAL、アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズなど)のフライトを組み合わせて利用します。
- アライアンス共通のマイルプログラム: 各アライアンスは、それぞれに共通のマイルプログラムを持っているわけではありません。例えば、ワンワールドの世界一周航空券を利用した場合、フライトごとに、そのフライトを運航する航空会社のマイルプログラム、またはアライアンス内の好きな航空会社のマイルプログラムに積算することができます。
- 例: JALのマイレージバンク(JMB)会員がワンワールドの世界一周航空券でアメリカン航空のフライトに乗った場合、JMBにマイルを積算できます。

マイル積算の対象となるか?
結論から言うと、ほとんどの世界一周航空券はマイル積算の対象となります。ただし、マイルが積算されるかどうか、そしてその積算率は、以下の要因によって決まります。
- 予約クラス(Booking Class / Fare Class):
- これが最も重要な要素です。航空券には、エコノミー、ビジネス、ファーストといった座席クラスの他に、運賃の種類を示すアルファベット1文字の「予約クラス(例:Y, H, K, L, N, Xなど)」が割り当てられています。
- 世界一周航空券の予約クラスは、通常の割引運賃と同じく、低い積算率が設定されていることが多いです。特に、格安な世界一周航空券(例:エコノミークラスの最も安い予約クラス)の場合、積算率が非常に低かったり、全く積算されない予約クラスに設定されていたりする可能性もあります。
- 確認方法: 予約時に必ず、利用する世界一周航空券の予約クラスを確認し、それを積算したい航空会社のマイルプログラムの積算率表と照らし合わせましょう。
- 運航航空会社:
- 実際にフライトを運航する航空会社が、積算したいマイルプログラムの提携航空会社である必要があります。世界一周航空券はアライアンスを利用するため、基本的には問題ありませんが、コードシェア便などの場合は注意が必要です。
- マイルプログラムのルール:
- 各航空会社のマイルプログラムには、積算対象となる予約クラスや、積算率に関する独自のルールがあります。
ポイント: マイル積算を重視するなら、予約時に必ず予約クラスと積算率を確認することが極めて重要です。担当の旅行代理店やアライアンスのコールセンターに問い合わせて、詳細を確認しましょう。

どれくらいマイルが貯まる?積算率と獲得マイル数
世界一周航空券でどれくらいのマイルが貯まるのかは、予約クラスと飛行距離によって大きく変動します。
予約クラスと積算率の例(一般的な傾向)
一般的な傾向として、予約クラスごとのマイル積算率は以下のようになります。
- ファーストクラス: 150%~200%(非常に高い)
- ビジネスクラス: 100%~125%(高い)
- プレミアムエコノミー: 70%~100%(中程度)
- エコノミークラス(通常運賃): 100%
- エコノミークラス(割引運賃): 30%~70%
- エコノミークラス(格安割引運賃): 0%~25%(積算されない場合も)
世界一周航空券は、その性質上、割引運賃で設定されていることが多いため、エコノミークラスでは30%~70%程度の積算率になることが多いと理解しておきましょう。最も安いエコノミー運賃では、残念ながらマイル積算対象外となるケースも存在します。
実際に獲得できるマイル数の計算例
仮に、飛行距離が50,000マイルの世界一周航空券(エコノミークラス)を利用した場合を想定してみましょう。
- 積算率70%の場合: 50,000マイル × 70% = 35,000マイル
- 積算率50%の場合: 50,000マイル × 50% = 25,000マイル
- 積算率30%の場合: 50,000マイル × 30% = 15,000マイル
これはあくまで一例ですが、世界一周という長距離の旅であれば、エコノミークラスでも数万マイルを獲得できる可能性があります。ビジネスクラスやファーストクラスであれば、数十万マイルの獲得も夢ではありません。
重要: マイルを貯める目的で世界一周航空券を選ぶ場合は、購入前に必ず予約クラスと積算率を確認し、獲得できるマイル数をシミュレーションしましょう。

管理人は2019年のワンワールド世界一周航空券(ビジネスクラス)をおよそ110万円で購入し、8万マイル程度が溜まりました。
貯まったマイルの賢い活用方法


世界一周航空券で大量のマイルを獲得した後、そのマイルをどう使うかは、旅の楽しみをさらに広げる重要なポイントです。
次のフライトの特典航空券に交換
これがマイルの最も一般的な使い道であり、最もお得な活用方法の一つです。
- 国内線・国際線: 獲得したマイルを使って、次回の旅行で国内線や国際線の特典航空券に交換できます。数万マイルあれば、アジア近距離の往復航空券、あるいは国内の往復航空券に十分交換可能です。
- 片道航空券: 必要マイル数が少なく済む片道特典航空券に交換し、別の旅行プランと組み合わせることもできます。
- アップグレード: 手持ちの航空券の座席クラスをアップグレードする特典航空券に交換することもできます。エコノミーからビジネス、ビジネスからファーストへといったアップグレードは、少ないマイルで大きな価値を得られる魅力的な使い方です。
ポイント: 特典航空券は、利用したい時期や路線によって必要マイル数が大きく異なります。特に人気路線や繁忙期は、必要マイル数が増えたり、空席が少なかったりするため、早めの予約が重要です。
座席のアップグレード
エコノミークラスの世界一周航空券を購入した場合でも、途中のフライトでマイルを使って座席をアップグレードできる可能性があります。
- 長距離フライトで特に有効: 世界一周旅行では長時間のフライトが多いため、マイルでビジネスクラスやファーストクラスにアップグレードできれば、旅の疲れを大幅に軽減し、快適性を格段に向上させることができます。
- アップグレードの条件: アップグレードが可能な予約クラスは限定されていることが多く、購入した世界一周航空券の予約クラスが対象外となる場合もあります。事前に確認が必要です。
ホテル宿泊やレンタカー、ツアーに交換
航空会社によっては、提携ホテルやレンタカー、ツアー、ショッピングのクーポンなど、フライト以外の特典にマイルを交換することも可能です。
- 多様な選択肢: マイルを航空券以外で使いたい場合に便利な選択肢です。
- 交換レートに注意: 多くの場合、特典航空券に交換するよりもマイルあたりの価値が低くなる傾向があります。マイルの使い道としては、優先順位は低めと考えて良いでしょう。
その他の活用方法
- e-JALポイント/ANA SKY コインなどへの交換: マイルを航空券購入時に現金のように使えるポイントに交換できる場合があります。有効期限が迫っているマイルの消化や、特典航空券の空席がない場合の選択肢として有効です。
- 寄付: 環境保護活動や慈善事業にマイルを寄付できるプログラムもあります。
ポイント: マイルの価値は、その使い方によって大きく変わります。一般的に、座席のアップグレードや国際線の特典航空券に交換するのが最もマイルの価値を高める使い方と言われています。
世界一周航空券と上級会員特典:旅の快適性を向上させる


普段から航空会社の上級会員資格を持っている方、あるいは世界一周航空券で一気にステータス獲得を目指す方にとって、上級会員特典は旅の快適性を格段に高める要素です。
アライアンスの上級会員資格
各アライアンスには、それぞれ独自の上級会員プログラムがあります。例えば、
- ワンワールド: エメラルド、サファイア、ルビー
- スターアライアンス: ゴールド、シルバー
- スカイチーム: エリートプラス、エリート
これらの資格は、アライアンス内のどの加盟航空会社を利用しても共通の特典が適用されます。世界一周航空券は複数の加盟航空会社を利用するため、上級会員特典の恩恵を最大限に享受できる機会が多いと言えます。


世界一周航空券で受けられる主な上級会員特典
- ラウンジ利用:
- 最も人気の特典です。世界中の提携空港ラウンジを無料で利用できます。長時間の乗り継ぎやフライト前の時間を、食事、ドリンク、シャワー、Wi-Fiなどが完備された快適な空間で過ごせます。
- 特にビジネスクラスやファーストクラスのラウンジは、料理の質やサービスのレベルが非常に高く、世界一周の疲れを癒すのに最適です。
- 優先チェックイン:
- 専用カウンターでスムーズにチェックインできます。混雑時でも長い列に並ぶ必要がありません。
- 優先搭乗:
- 一般客より先に機内へ案内されるため、荷物棚のスペースを確保しやすくなります。
- 優先手荷物取扱:
- 預けた荷物が優先的にターンテーブルに出てくるため、到着後の待ち時間を短縮できます。
- 手荷物許容量の優待:
- 通常のエコノミークラスの航空券よりも、預けられる荷物の個数や重量が増える優待を受けられることが多いです。世界一周旅行では荷物が多くなりがちなので、これは非常に助かる特典です。
- 優先空席待ち:
- 満席便でも、空席待ちの際に優先的に案内されることがあります。
- 優先保安検査(一部空港):
- 一部の空港では、専用の保安検査レーンを利用でき、よりスムーズに通過できます。
世界一周航空券で上級会員資格を目指す
長距離フライトが多い世界一周航空券は、アライアンスの上級会員資格(例えば、JALのJGCやANAのSFC修行のような)を短期間で達成するチャンスでもあります。
- 搭乗クラスとフライト数: ビジネスクラス以上の世界一周航空券を利用したり、エコノミークラスでも積算率の高い予約クラスを選んだり、あるいはフライト数を最大まで組み込むことで、多くのFOP(フライトポイント)や搭乗回数を稼ぐことができます。
- 計画性: マイル積算同様、上級会員資格取得を目標とする場合は、事前に各航空会社やアライアンスの資格取得基準(必要FOP/PP、搭乗回数など)を確認し、それに合わせてルートやクラスを計画する必要があります。


まとめ:マイルを味方につけ、世界一周をさらに豊かに
世界一周航空券は、それ自体が壮大な旅のパスポートですが、マイルの知識を味方につけることで、その旅はさらに豊かになります。
旅の途中で獲得できる数万、あるいは数十万マイルは、次なる冒険への貴重な資金源となり、将来の旅行計画を大きく広げてくれるでしょう。また、上級会員特典を享受できれば、長旅の快適性も格段に向上します。
世界一周航空券の予約前に、「どの予約クラスで、どれくらいマイルが貯まるのか」をしっかり確認し、「貯まったマイルをどう活用したいのか」という目標を明確にすることで、あなたの世界一周旅行は、より戦略的で、より充実したものになるはずです。
さあ、マイルという強力な武器を携え、夢の世界一周へと飛び立ちましょう!


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世界一周航空券とマイルに関するQ&A
ここまでで解決しなかった、あるいはさらに深掘りしたい疑問に答えます。
世界一周航空券の予約クラスは、事前に確認できますか?
はい、可能です。世界一周航空券を取り扱う旅行代理店に問い合わせるか、各アライアンスの公式サイトでルートをシミュレーションする際に、予約クラスの情報を確認できる場合があります。マイル積算を重視するなら、必ず購入前に確認しましょう。
マイル積算の際に、どの航空会社のマイルプログラムに貯めるべきですか?
基本的には、あなたが普段最も利用している、または今後も利用する予定のある航空会社のマイルプログラムに貯めるのがおすすめです。そうすることで、マイルが分散せず、まとまったマイルとして効率的に活用できます。同じアライアンス内であれば、どの加盟航空会社に貯めても問題ありません。
フライトごとにマイルの積算先を変えられますか?
理論上は可能です。ただし、マイルの管理が複雑になるため、よほどの理由がない限り、すべて同じアライアンス内の1つのマイルプログラムに積算することをおすすめします。チェックイン時に必ず積算したいマイルプログラムの会員番号を伝えるか、Eチケット情報に登録されているか確認しましょう。
マイル積算ができない予約クラスの世界一周航空券は避けるべきですか?
それはあなたの優先順位によります。もしマイル積算が最大の目的でなければ、マイル積算ができない非常に安価な世界一周航空券は、予算を抑える上で魅力的な選択肢となり得ます。しかし、マイルを確実に貯めたい場合は、積算率が低い、あるいは0%の航空券は避けるべきでしょう。
世界一周航空券は、マイルを使って購入できますか?
ANAではマイルを使って、世界一周航空券を購入可能です。ただし、空港使用税などはマイルを使うことはできません。詳細は航空会社に確認してください。
世界一周航空券で獲得したマイルに有効期限はありますか?
はい、ほとんどのマイルプログラムには有効期限があります。一般的には3年間ですが、プログラムによって異なります。有効期限切れで失効しないよう、定期的にマイル残高を確認し、計画的に利用しましょう。
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