世界一周航空券とはどのようなものでしょうか。長期間の休みを取って世界の何十か国を旅するイメージも強いと思います。実は私自身も縁のないものだと思っていました。サラリーマンで長期休暇の取得が難しい人にも、普通の海外旅行にも適用することができるのです。
世界一周航空券のルールを正しく理解して利用することで、安く海外旅行に行けることもあります。このページでは、世界一周航空券とは何か?世界一周航空券の種類と特徴、ルールをわかりやすく解説します。お得に海外を旅しよう!
世界一周とは、太平洋と大西洋をぞれぞれ1回のみ渡って出発地に戻ることです。
( 東方向か西方向のどちらかを決めて、逆戻りせずに同一方向に旅程を組む必要があります。)
例えば、「日本→アジア→ヨーロッパ→アメリカ→日本」というルートは可能ですが、「日本→アジア→ヨーロッパ→アジア→アメリカ→日本」というルートは認められません。
複数枚の航空券をセットにして販売するものが、世界一周航空券となります。
ワクワクしませんか?すごく夢のあるチケットとなっています。
世界一周航空券の選び方
世界一周航空券を販売するのは、スターアライアンス、ワンワールド、スカイチームの3つの主要航空連合(エアラインアライアンス)となる。航空連合がわからない方は、https://kaz-travel.com/world-round-ticket/compare-airline-alliance/を参照。
どの航空連合の世界一周航空券を購入するのかは、以下の観点で決めましょう。
・行きたい国や都市へ就航しているアライアンス
例えば、チリのイースタ島やエクアドルのガラパゴス諸島等はLATAM航空でしか行けないので、LATAM航空が加盟するアライアンス(2020年2月現在はワンワールドだが、2020年4月末で脱退予定)を選択する必要がある。
・マイルを貯めている(上級会員となっている)航空会社が加盟するアライアンス
世界一周航空券でフライトマイルを加算可能なので、ANAマイルを貯めている方はスターアライアンス、JALマイルを貯めている方はワンワールドで考えてみてはいかがでしょうか。また、既に上級会員となっている場合は、エコノミークラスチケットでもビジネスクラスラウンジが利用可能なので、空の旅が快適になります。
世界一周航空券の種類とルール
世界一周航空券の種類は、下記3種類となります。スターアライアンスとスカイチームは、同じマイル制で、ほとんど同じ条件となります。一方で、ワンワールドは大陸制という制度となっています。
・スターアライアンス、スカイチーム:マイル制限を意識してルートを組む必要があるので、例えばヨーロッパ周遊等の近い距離を移動するフライトを多く組むことで、マイルを抑えることができる。
・ワンワールド:長距離フライトを多く組んで、たくさんの大陸を回りたい人におすすめ。マイルを多く獲得して、上級会員の達成もできます。
スターアライアンス | ワンワールド | スカイチーム | |
制度 | マイル制 | 大陸制 | マイル制 |
ルール | 29,000マイル以内、34,000マイル以内、39,000マイル以内の3段階運賃を採用 | 3, 4, 5, 6と訪問大陸の数に応じて4段階運賃を採用 | 26,000マイル以内、29,000マイル以内、33,000マイル以内、38,000マイル以内の4段階運賃を採用 |
最低旅行期間 | 10日(エコノミークラスは3日) | なし | 10日 |
有効期間 | 1年間 | 1年間 | 1年間 |
利用回数上限 | 16 | 16 | 16 |
途中降機 | 2~15 | 2~15 | 2~15 |
最低滞在回数 | 2 | 2 | 3 |
最高滞在回数 | 15 | 15 | 15 |
同一都市滞在 | 1 | 制限無※ただし大陸内の最大フライト回数指定あり。 | 1 |
世界一周航空券の値段
さて、気になる値段は、以下のとおりです。
ただし、TAX(出国税・空港施設利用料・保険料・燃油サーチャージ等)が別途かかります。
1.スターアライアンス
35万円強から、150万円強までの金額設定となっています。プレミアムエコノミーの設定があるのが、特徴的です。クラスの選択肢が広がるのは、良いですね。
クラス | 29,000マイル以内:STAR1 | 34,000マイル以内:STAR2 | 39,000マイル以内:STAR3 |
エコノミー | 358,900円 | 422,700円 | 494,600円 |
プレミアムエコノミー | 553,800円 | 632,300円 | 734,800円 |
ビジネス | 705,500円 | 822,000円 | 958,900円 |
ファースト | 1,141,000円 | 1,344,000円 | 1,504,800円 |
2.ワンワールド
33万円強から、150万円弱までの金額設定となっています。
クラス | エコノミーY | ビジネスC | ファーストF |
3大陸 | 335,000円 | 656,300円 | 1,003,300円 |
4大陸 | 354,600円 | 780,400円 | 1,182,500円 |
5大陸 | 418,800円 | 895,200円 | 1,370,200円 |
6大陸 | 485,000円 | 978,200円 | 1,495,100円 |
3.スカイチーム
35万円強から、195万円強までの金額設定となっています。
クラス | 26,000マイル以内 | 29,000マイル以内 | 33,000マイル以内 | 38,000マイル以内 |
エコノミー | 359,100円 | 400,600円 | 481,100円 | 554,100円 |
ビジネス | 638,400円 | 712,100円 | 810,300円 | 933,100円 |
ファースト | 設定なし | 1,503,600円 | 1,697,100円 | 1,956,100円 |
世界一周航空券のメリット・デメリット
世界一周航空券のメリット
世界一周航空券のメリットは、大きく3つあります。
1.年間を通して料金が一定であること。
航空券は通常、GW期間、夏休み、年末年始等が繁忙期となり、料金も高くなる。世界一周航空券は、繁忙期、閑散期関係なく一律料金となるので、こうした繁忙期の期間に予約を取っておくことで、料金も安く済ますことができる。
2.世界一周航空券のルールで料金が決まるため、ルールをフル活用することで1チケットあたりの価格が通常購入するよりも格安であること。
利用回数上限は16回となるので、3回フライトするルート(東京→ロンドン→ニューヨーク→東京)よりも、16回フライトするルートで購入した方が、1回フライトあたりの単価は安くなる。特にビジネスクラスやファーストクラスは、通常料金とは比べ物にならないくらいに格安です。
例えば、東京ーロサンゼルスのファーストクラス片道で約110万円(世界一周航空券のファーストクラス運賃とほぼ同額。)また、ビジネスクラスの世界一周航空券を購入することで、修行せずに航空会社(全日空や日本航空等)の上級会員のステータス獲得も可能。楽しく旅をしながら、ついでに上級会員のステータスを獲得できるなんて、ワクワクしませんか。
3.有効期間が1年間と定められており、留学や出張、海外旅行を分割して利用することも可能であること。
留学や出張後に、複数地域を周遊するのであれば、世界一周航空券を購入した方がお得だったりする。また、1年に2回海外旅行に行く人であれば、夏休み、年末年始等のサラリーマンが休暇を取得しやすい期間に合わせて、航空券を分割して利用することもできます。
世界一周航空券のデメリット
世界一周航空券のデメリットは、大きく2つあります。
1.購入時に全ルートと日程を決めておく必要があること。
ルート変更、日程変更は可能であるが、オープンチケット発券は出来ないので、事前に全ルートと日程を決めておく必要があります。また、ルールが細かく設定されているので、ルート決めや購入が結構面倒であることです。ルート決めを楽しめる人にはとっても夢があって楽しいのですが…
2.金額が高額であること。
エコノミークラスで約35万円(TAX別)程度から購入可能であるが、1回フライトあたりのコスパは良いが高額となるので、購入に躊躇してしまう人も多いと思います。
メリット、デメリットそれぞれを理解した上で、旅のスタイルに合わせて選択することが重要ではないかと考えております。
世界一周航空券を活用したルート作成と購入方法
ルート作成方法と購入方法
ルート作成については、それぞれ以下のツールで可能です。細かいルールにより、エラーになったり、慣れていないとちょっと面倒かもしれません。ツールでルート作成をして、決済していくイメージとなります。今後の予約日程等を意識すると、全日空、もしくは日本航空、大韓航空などアライアンスの日本拠点となる航空会社へ電話で購入するのがよいと思います。
・スターアライアンス
https://www.staralliance.com/ja/book-fly で検索が可能。全日空国際線で予約・購入が可能。
・ワンワールド
https://rtw.oneworld.com/rtw/ で作成が可能。日本航空国際線で予約・購入可能。
・スカイチーム
https://www.skyteam.com/ja/round-the-world-planner で作成が可能。
ルート作成例
ワンワールド世界一周の具体的なルートは、https://kaz-travel.com/world-round-ticket/oneworld-2019/を参照のこと。今後もどんどん、具体的なルートを追加していきます。
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