琉球王国のグスク及び関連遺産群(下の地図の⑪)は沖縄本島南部を中心に点在するグスクなどの琉球王国の史跡群から構成されるており、世界遺産(文化遺産)に登録されています。
「沖縄の世界遺産」と聞いて、何を思い浮かべますか?多くの人が首里城を想像するでしょう。しかし、世界遺産に登録されているのは、首里城だけではありません。沖縄本島に点在する9つの史跡群「琉球王国のグスク及び関連遺産群」がその全貌です。
これらは単なるお城ではなく、琉球王国が築いた独自の文化と歴史を今に伝える貴重な遺産です。この記事では、各グスクに秘められた物語と、その魅力を深掘りします。

琉球王国のグスク及び関連遺産群への行き方

旅行に行く時期にもよりますが、繁忙期(GW、夏休み、冬休み等)を外した安い時期の1人旅で9万円程度かかります。(2泊3日基準)
東京から琉球王国のグスク及び関連遺産群への行き方は、飛行機の一択でしょう。
1.飛行機 エアトリ
羽田空港からANA、JAL便で往復4万円~6万円
成田空港からJetstar、Peach便で往復1.6~1.7万円
75日前に購入する早割等を活用することで、ANA、JAL便の費用を抑えることも可能です。
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9つの世界遺産、それぞれの物語
グスクとは、12世紀から16世紀にかけて、按司(あじ)と呼ばれる豪族たちが築いた城や集落のこと。琉球王国が統一されるまでの激動の時代、グスクはそれぞれの地域で政治や文化の中心として栄えました。日本の城とは異なり、石を積み上げて築かれた美しい曲線を描く城壁が特徴です。
那覇空港を出発して、沖縄本島北部の遺産から回る場合がおすすめです。(上の図①から⑨を順番に回るイメージ)
北部は立ち寄らない等、最大の見どころである首里城だけ見たい場合は、回る順番はアレンジしてください。
※開門時間、料金、駐車場の情報は変更になる可能性がありますので、訪問前に各施設の公式サイトをご確認ください。
遺産名 | サイト | 料金 | 開門時間 | 駐車場 |
座喜味城跡 | 読谷村観光協会 | 無料 | 24時間散策可能(駐車場・トイレは8:30~18:00) | 無料駐車場あり(8:30~18:00) |
今帰仁城跡 | 今帰仁城跡 | 大人600円、中高生450円、小学生以下無料 | ・8:00~18:00(1月~4月、9月~12月) ・8:00~19:00(5月~8月) | 無料駐車場あり |
勝連城跡 | 勝連城跡 | 無料 | 9:00~18:00(駐車場は18:00まで) | 無料駐車場あり |
中城城跡 | 中城城跡 | 大人500円、中高生300円、小学生200円 | 8:30~17:00(5月~9月は18:00まで) | 無料駐車場あり |
斎場御嶽 | 南城市観光協会 | 大人300円、小中学生150円 | ・9:00~17:15(3月~10月) ・9:00~16:45(11月~2月) | 無料駐車場あり |
識名園 | 那覇市観光協会 | 大人400円、小人200円 | ・9:00~18:00(4月~9月) ・9:00~17:30(10月~3月) | 無料駐車場あり |
首里城跡 | 首里城公園 | 有料(一部無料)(公園内施設によって異なる) | ・8:00~18:30(12月~3月) ・8:00~19:30(4月~6月、10月~11月) ・8:00~20:30(7月~9月) | 有料駐車場あり(最初の60分400円、以降30分ごと200円、最大料金800円) |
園比屋武御嶽石門 | 首里城公園 | 無料 | 24時間散策可能 | 首里城公園の有料駐車場を利用 |
玉陵 | 玉陵 | 大人300円、小人150円 | 9:00~18:00 | 首里城公園の有料駐車場を利用 |
座喜味城跡(ざきみじょうあと)
沖縄中部、読谷村にあるグスクです。築城家としても知られる護佐丸が築いたとされ、特に美しい曲線を描くアーチ門は必見。石積みの技術の高さから、今も多くの建築家が訪れます。
今帰仁城跡(なきじんじょうあと)
沖縄本島北部にある、難攻不落の要塞。美しい石積みの城壁が約1.5kmにわたって続き、壮大な景色は圧巻です。特に春には桜が咲き誇り、「桜まつり」も開催されます。
勝連城跡(かつれんじょうあと)
勝連半島の高台に位置し、太平洋と金武湾を一望できます。貿易で栄えた歴史を持ち、世界との交流窓口であった琉球の姿を物語っています。
中城城跡(なかぐすくじょうあと)
最も保存状態が良いとされるグスク。美しい曲線を描く石垣は、琉球石灰岩の特性を活かした優れた建築技術を示しています。
斎場御嶽(せーふぁうたき)
琉球王国最高の聖地。国王や聞得大君(きこえおおきみ)が参拝した神聖な場所であり、荘厳な雰囲気に包まれています。
識名園(しきなえん)
琉球王家の最大の別邸。中国の文化を取り入れた庭園は、琉球独自の様式美を感じさせます。
首里城跡
琉球王国の中心であり、最大のグスク。日本の城と中国の宮殿建築が融合した独特な様式は、琉球の文化を象徴しています。現在は再建に向けての工事が進められており、その様子を見学することも可能です。
園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)
首里城のすぐ近くにある石門。国王が外出する際に安全を祈願した聖地であり、琉球の信仰を象徴する場所です。
玉陵(たまうどぅん)
歴代琉球国王の陵墓。琉球の王家の歴史を今に伝える、重要な史跡です。
ベストシーズンと観光に必要な日数
ベストシーズンと観光に必要な日数について、ご紹介します。
ベストシーズン
沖縄のベストシーズンは、一般的には秋から冬にかけてがおすすめです。具体的な時期としては、10月から12月が特に良いとされています。以下に、それぞれの季節の特徴を挙げてみましょう。
- ・秋(10月から11月)
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気温が下がり、湿度が低くなるため過ごしやすくなります。観光地やビーチも混雑が少なくなります。10月はまだ海水温も高めなので、ビーチでのアクティビティが楽しめます。
- ・冬(12月から2月)
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気温が比較的安定しており、日中は適度な温かさです。冬でも比較的穏やかな気象が続くことが多いです。12月はイルミネーションやクリスマスの雰囲気も楽しめます。
観光に必要な日数
琉球王国のグスク及び関連遺産群観光の一般的なスケジュールは、訪れたい場所にもよりますが東京からは、2泊3日が最低でも必要です。国内ツアーはHISホームページ、クラブツーリズムを参照ください。
また、現地のアクティビティは、アクティビティジャパン、アソビュー!を参照ください。
おすすめのツアー
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世界遺産の価値

琉球王国のグスク及び関連遺産群は、東照宮や日光二荒山神社など、歴史的で重要な社寺があります。
- 1.概要
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- 登録基準(ii)(iii)(vi)が適用されている。
- 12世紀~16世紀にかけて建造されたグスク(城塞建築)を中心とする遺構。
- グスクはもともとは野面積み(※1)の石垣の自衛的農村集落を意味する言葉だった。
- 按司(あじ※2)が群雄割拠した12世紀に居城化、やがて切石積みの堅牢な石垣の大規模グスクへ発展した。
※1:自然の石をそのまま積み上げる積み方。
※2:農村を基盤に成長した豪族。
- 2.歴史
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- 12世紀按司が群雄割拠、グスク時代を迎えた。
- 15世紀になると按司を束ねる王の登場、北山・中山・南山と呼ばれる3つの小王国が成立した。
- 1429年に中山が統一し琉球王国が成立した。
- 1458年に勝連城の阿麻和利の乱を鎮圧、中央集権国家体制が整った。
- 1477年に第二尚氏第三国王尚真のもと行われた城下の整備、王族女性を神職とする神女組織など祭祀一致の改革が行われた。
- 1945年に米軍上陸、首里城など多くのグスクが破壊された。
- 3.構成資産の概要
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名称 概要 首里城跡 中山王居城、琉球王国の中心地、総延長1080mの城壁には布積み・相方積みが混在、地上分の建造物群は沖縄戦で焼失し再建、2019年10月31日首里城正殿から出火、正殿は全焼(北殿、南殿、書院・鎖之間、黄金御殿、二階御殿、奉神門の7棟も延焼) 今帰仁城跡 北山王居城(琉球王国では北山監守の居城)、自然の要害の地、周囲には野面積みの曲線城壁 座喜味城跡 本島中部読谷村西岸グスク跡、15世紀に有力按司の護佐丸が造営、沖縄最古アーチ状城門、現在も拝所は信仰を集めている。
勝連城跡 最古のグスク跡、15世紀半ば阿麻和利の居城、自然の丘と曲輪、コバノツカサ神拝所、L字のトゥヌムトゥと呼ばれる祭祀場所がある。
中城城跡 高台のグスク跡、護佐丸の居城、勝連城とは中城湾の対岸、6つの曲輪
玉陵(たまうどぅん) 1501年尚真築造の陵墓(破風墓)、王族はまず中室→王・王妃・王子は東室、その他は西室へ
園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん) 1519尚真の時代に築造、首里城の森で王族の聖域の園比屋武御嶽の石門、木造建築様式の石造建築、森は沖縄戦で消失、現在も石門に人が参拝
識名園 1799年造営の王家の別邸、沖縄戦で破壊、1975~96年に掛けて修復、全体の意匠や構成は琉球独自
斎場御嶽 神女の最高位「聞得大君」の「御新下り」の儀式等の聖地、三庫理・大庫理・寄満等の拝所

まとめ
琉球王国のグスク及び関連遺産群への行き方・費用・観光に必要な日数・ベストシーズン・世界遺産の内容について、解説してきました。ポイントを以下にまとめます。
・旅行にかかる費用は、2泊3日で9万円(繁忙期を除く)程度です。
・秋と冬がベストシーズンとなる。
・12世紀~16世紀にかけて建造されたグスク(城塞建築)を中心とする遺構。
・グスクはもともとは野面積みの石垣の自衛的農村集落を意味する言葉だった。
・按司が群雄割拠した12世紀に居城化、やがて切石積みの堅牢な石垣の大規模グスクへ発展した。
・周辺住民の自然崇拝・先祖崇拝の聖域を拝所(うがんじゅ)と呼ばれる。
旅行することで様々な経験が出来て、人生が豊かになることでしょう。思い立ったら、興味の沸く場所に足を運んでみてはいかがでしょうか。
世界遺産に興味を持たれた方は、世界遺産検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。
世界遺産検定公式HP






よくある質問

沖縄の世界遺産はすべて回るのに何日かかりますか?
9つの遺産は広範囲に点在しているため、すべてをじっくりと見て回るには最低でも2泊3日、時間に余裕があれば3泊4日あるとより楽しめます。レンタカーでの移動が基本となるため、移動時間も考慮して無理のないプランを立てることをおすすめします。
各グスクを巡るのに、交通手段は何が便利ですか?
断然レンタカーがおすすめです。公共交通機関(バス)も利用できますが、運行本数が少なかったり、バス停から遠かったりする場所もあるため、レンタカーを利用する方が時間を気にせず効率的に巡ることができます。
どのグスクから巡るのが効率的ですか?
那覇空港から旅を始めるなら、まずは那覇市内の首里城跡、玉陵、識名園を巡るのが便利です。その後、北上しながら座喜味城跡や中城城跡を巡り、最後に北部にある今帰仁城跡を目指すルートが一般的です。管理人は北部から先に目指すルートで旅をしました。
見学する際の注意点はありますか?
グスクは石畳や階段が多い場所がほとんどです。歩きやすいスニーカーや運動靴を履いて行きましょう。沖縄の日差しは強いため、帽子や日焼け止め、水分も忘れずに持参してください。また、斎場御嶽のような聖地では、神聖な雰囲気を保つため、静かに見学するなどのマナーを守りましょう。
雨の日でも楽しめますか?
はい、グスクは屋外にある場所がほとんどですが、雨の日の幻想的な雰囲気もまた格別です。ただし、足元が滑りやすくなるため、より一層注意して見学してください。また、雨具やタオルを忘れずに持参しましょう。
2.航空券・バス






3.ホテル
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4.アクティビティ


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5.通信機器
6.スーツケース