世界遺産の基礎知識3-諮問機関とユネスコ【世界遺産検定】

2023年11月12日

世界遺産の基礎知識3-諮問機関とユネスコ【世界遺産検定を受検する方は必須】

管理人
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世界遺産の基礎知識についてまとめます。世界遺産という言葉は聞いたことあるけど、世界遺産とは何を目的にどのような基準で登録されるのか、確認していきましょう。世界遺産検定を受検する方は、試験全体の20~25%を占める重要なパートとなります。

世界遺産委員会諮問機関

世界遺産委員会諮問機関は、ユネスコの世界遺産委員会に対して助言や専門的な情報を提供する組織のことを指します。これらの諮問機関は、文化遺産や自然遺産に関する専門的な知識を有する団体で、世界遺産の選定、評価、保護において委員会を支援します。

現在、主な世界遺産委員会諮問機関は以下の3つです
・ICOROM
・ICOMOS
・IUCN





ICCROM(文化財の保存及び修復の研究のための国際センター)

ICCROM(文化財の保存及び修復の研究のための国際センター)は、国際的な政府間組織で、文化財保存と修復に焦点を当てています。ICCROMは、国際的な文化財の保存と修復の研究・訓練を促進し、世界中の様々な文化財を保護するために活動しています。
ICCROMは、1959年に設立され、本部はイタリアのローマにあります。

ICCROMとユネスコは、文化財の保存と遺産の保護において密接に協力しています。ICCROMは、ユネスコと連携して、文化財専門家や修復技術者の育成、国際的なプロジェクトの支援、技術的なガイダンスの提供などを行っています。

ICOMOS(国際記念物遺跡会議)

ICOMOS(国際記念物遺跡会議)はフランのパリ本部を置く、国際的な非政府組織(NGO)です。

ICOMOSは1965年に設立され、文化財の保護と管理に関して、国際的な協力を促進することを目的としています。ICOMOSは、ユネスコの世界遺産委員会において、文化遺産に関する専門的な助言を提供する主要な諮問機関の一つです。

ICOMOSは、建築、考古学、都市計画、景観など、さまざまな文化遺産の分野にわたる専門家やプロフェッショナルが参加しています。
組織の使命は、文化的な価値のある遺産の保存と管理に関する専門的な知識とベストプラクティスを提供し、持続可能な開発と文化的な多様性の推進に寄与することです。

ICOMOSは、世界中で文化遺産に対する取り組みをリードし、保存のための基準やガイドラインの開発、教育と研究の促進、国際的なネットワークの構築など、幅広い活動を展開しています。
また、世界遺産登録の際には、新しい候補地の評価や既存の遺産の状態評価など、専門的な助言を提供しています。

ICUN(国際自然保護連合)

IUCNは、国際自然保護連合の略で、国際的な自然保護と持続可能な利用の促進を目的とする非政府組織です。IUCNは1948年に設立され、本部はスイスのジュネーブにあります。自然環境の保全と持続可能な利用を促進し、生物多様性の保護や地球上の生態系の健全性に焦点を当てています。

IUCNのメンバーシップは、政府、非政府組織、科学者、専門家、ビジネス関係者など、様々なセクターからの組織で構成されています。IUCNは、専門的な知識と科学的なアプローチを通じて、自然保護と持続可能な開発のための政策、プログラム、プロジェクトの推進に取り組んでいます。

IUCNの主な活動と役割には、以下の通りです。

1.バイオダイバーシティの保護
 IUCNは生態系の状態評価や絶滅危惧種のリストの作成など、バイオダイバーシティに関する科学的な作業を行い、生態系や種の保全に関する助言を提供しています。

2.持続可能な利用と自然資源管理
 IUCNは、自然資源の持続可能な利用、森林管理、水資源管理などに関する国際的なガイドラインやプロジェクトを推進しています。

3.気候変動への対応
 IUCNは気候変動の影響に対処し、生態系への適応策を提案するための科学的な研究とプログラムを展開しています。

4.国際的な政策への影響力
 IUCNは国際的な環境政策の形成に影響を与え、国際的な環境協定の交渉に参加しています。

IUCNはユネスコの世界遺産委員会において、自然遺産に関する専門的なアドバイスを提供する諮問機関の一つとしても知られています。

ユネスコ

ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)は、国際連合(UN)に属する特殊機関の一つです。
教育、科学、文化、通信、情報に関する協力を促進し、平和と安全を図ることを目的としています。

ユネスコは1945年に設立され、本部はフランスのパリにあります。
ユネスコの主な活動領域は、以下のとおりです。

1.教育
 世界中の教育の向上と普及を促進し、特に途上国や社会的に弱い立場にある人々への教育の機会を拡大します。

2.科学
 科学の進歩と国際的な協力を推進し、科学技術の発展が人類全体の利益に資するよう支援します。

3.文化
 文化の多様性の尊重と保護を促進し、文化遺産の保存やクリエイティブ産業の育成などに関与します。

4.通信・情報
 情報と通信技術の発展を奨励し、アクセス可能な情報社会の構築をサポートします。

5.持続可能な開発
 環境保護、持続可能な開発目標(SDGs)の推進、人権の尊重など、世界的な課題に対する協力を進めます。

ユネスコには、総会、執行委員会、事務局がある。
総会は通常2年に1度開催されます。執行委員会は58か国の政府代表からなり、2年に4回以上開催されます。松浦晃一朗氏は、日本人初のユネスコ事務局長として、第8代の2期(1999~2005、2005~2009)を務め、無形文化遺産条約の成立などに尽力した。

まとめ

・世界遺産委員会諮問機関は、ユネスコの世界遺産委員会に対して助言や専門的な情報を提供する組織。ICCROM、ICOROM、IUCNがある。
・ICCROMは、1959年に設立され、本部はイタリアのローマ。
・ICCROMは、文化財の保存と修復の研究・訓練を促進。
・ICOMOSは、1965年に設立され、本部をフランのパリに置く国際的な非政府組織(NGO)。
・ICOMOSは、文化遺産の保存、修復、管理に焦点。

ユネスコは、1945年に設立され、本部はフランスのパリ
松浦晃一朗氏は、日本人初のユネスコ事務局長。

世界遺産に興味を持たれた方は、世界遺産検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。
世界遺産検定公式HP