はじめに
中国には多くの魅力的な世界遺産がありますが、今回注目するのは「黄山」(上の地図⑦)です。本記事では、黄山の概要と世界遺産としての価値について詳しくご紹介していきます。

黄山の概要と世界遺産としての価値
黄山(こうざん、Huangshan)は、中国の安徽省南部に位置する、息をのむほど美しい山岳景勝地です。秦の時代には「黟山(いざん)」と呼ばれていましたが、唐の玄宗皇帝が、伝説上の黄帝がこの山で不老不死の霊薬を飲み仙人になったという言い伝えに基づき、「黄山」と改名したとされています。
この地域は、約1億年前までは海底だったものが、地殻変動によって隆起し、その後長年の風雨による浸食と風化作用を経て、現在の独特な地形が形成されました。花崗岩質の山々は奇妙な形に削られ、72もの峰々が連なり、特に蓮花峰(標高1,864m)、光明頂、天都峰の「三大主峰」は1,800メートルを超える高さを誇ります。
古くから「黄山を見ずして、山を見たというなかれ」と称されるほどの絶景は、中国の伝統的な水墨画の世界を彷彿とさせ、多くの文人墨客に愛されてきました。彼らは黄山の美しさを詩や絵画のモチーフとして残し、黄山は中国人の精神的な拠り所の一つともなっています。また、道教や仏教の修行の場としても栄え、数多くの寺院が建てられてきました。
黄山は、山全体が自然保護区として厳重に管理されており、多様な動植物が生息する豊かな生態系を育んでいます。ケーブルカーも整備されており、比較的容易にその壮大な景色を堪能できるようになっています。
世界遺産としての基本情報
名称 | 黄山 |
---|---|
登録年 | 1990年 |
登録基準 | (2):ある期間またはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観設計の発展に大きな影響を与えた、価値ある人間の交流を示している。 (7):地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であること。これには、生命の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的または自然地理的特性などが含まれる。 (10):学術上または保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含するものであること。 |
安徽省に位置する世界遺産
安徽省には、現在以下の3つの世界遺産が登録されています。
- 黄山(こうざん)
- 分類:世界複合遺産(自然遺産と文化遺産の両方の価値を持つ)
- 登録年:1990年
- 特徴:雲海、奇松、怪石、温泉、冬景色が「黄山五絶」として知られる、水墨画のような幻想的な山岳景観。
- 安徽南部の古村落-西逓(せいてい)と宏村(こうそん)
- 分類:世界文化遺産
- 登録年:2000年
- 特徴:明・清時代の伝統的な建築様式「徽派建築」が良好な状態で保存されている古村落。特に、宏村は牛の形を模した独特の村の配置と水路網が特徴的です。
- 大運河(だいうんが)
- 分類:世界文化遺産
- 登録年:2014年
- 特徴:中国の広範囲にわたる巨大な運河網の一部として、安徽省内の「柳孜運河遺跡(柳孜橋梁遺跡)」や「泗県運河」などが登録されています。
これらの世界遺産は、安徽省の豊かな自然と歴史、そして独特の文化を物語る貴重な場所となっています。
「黄山五絶」と呼ばれる景観の魅力と見どころ

黄山には、その独特な景観を形容する「黄山五絶(こうざんごぜつ)」という言葉があります。一般的には「奇松」「怪石」「雲海」「温泉」の「四絶」が有名ですが、近年ではこれに「冬雪」を加えて「五絶」として紹介されることが多くなっています。
雲海(うんかい)
黄山の最大の魅力の一つが、山々を覆い尽くす壮大な雲海です。特に雨上がりの朝や、季節の変わり目には頻繁に発生し、峰々が雲の海に浮かぶ島々のように見える様は、まさに仙境そのものです。「黄山は雲霧の故郷」とも称され、その幻想的な景色は多くの人々を魅了してやみません。
奇松(きしょう)
黄山の奇松は、岩の割れ目や崖に力強く根を張り、厳しい自然環境の中で独特の形に成長した松のことです。幹がねじれていたり、枝が水平に伸びていたり、まるで自然が作り出した彫刻作品のような姿を見せてくれます。特に有名なのは、観光客を歓迎しているかのように見える迎客松(げいかくしょう)です。
怪石(かいせき)
怪石は、長年の風雨による浸食と風化作用で、花崗岩が奇妙な形に削られてできた岩のことです。見る角度や時間、そして光の加減によって、まるで生きているかのように姿を変えるのが特徴です。空中に浮かんでいるように見える飛来石(ひらいせき)や、猿が海を眺めているように見える猴子観海(こうしからかい)など、ユニークな名前が付けられた怪石が数多く存在します。
温泉(おんせん)
黄山の麓には、古くから湧き出る温泉があります。紫雲峰の麓から湧き出す源泉は、年間を通して安定した湯量を誇ります。豊富なミネラルを含んだお湯は、黄山観光で疲れた体を癒すのに最適です。
冬景色(ふゆげしき)と雪景色(ゆきげしき)
冬の黄山は、雪と氷に覆われ、まるで水墨画のような別世界へと変貌します。雪化粧をまとった奇松や怪石が、雲海の中に姿を現す光景は息をのむほど美しく、特に冬の雲海は発生率が高く、幻想的な景色を求める観光客に人気です。樹氷や霧氷も加わり、普段とは全く異なる黄山の魅力を楽しむことができます。
黄山へのアクセス方法
最寄りの空港
- 黄山屯渓国際空港 (Huangshan Tunxi International Airport): 黄山から約50kmの場所に位置しています。
最寄りの鉄道駅
- 黄山北駅 (Huangshanbei North Railway Station): 高速鉄道の駅で、黄山市徽州区にあります。
山への入り口(登山口)
- 黄山市: 黄山市は黄山の麓に位置し、ここから黄山風景区へのアクセスが可能です。具体的な登山口は複数ありますが、この黄山市から各登山口への交通手段を調べる必要があります。
黄山風景区へのアクセス方法としては、まず黄山屯渓国際空港または黄山北駅まで行き、そこからバスやタクシーなどで黄山風景区の入口まで移動するのが一般的です。登山口は複数あり、それぞれロープウェイ乗り場や登山ルートが異なりますので、旅行プランに合わせて最適な登山口を選ぶと良いでしょう。
黄山観光のおすすめモデルコース

黄山は広大で、見どころも多いため、滞在日数や体力に合わせて計画を立てることが重要です。
黄山観光のおすすめモデルコース
おすすめモデルコースを紹介します。
日帰りコース
時間がない場合や、体力に自信がない方向けのコースです。主要な景観を効率よく巡ります。
- 午前: 黄山風景区南大門からシャトルバスで雲谷寺(うんこくじ)ロープウェイ乗り場へ。ロープウェイで白鵝嶺(はくがりょう)へ登り、黄山の頂上部へ。
- 午前中盤: 白鵝嶺から歩いて、始信峰(ししんほう)や黒虎松(こくこしょう)など、奇松や怪石の多いエリアを散策。
- 昼食: 山頂のホテルや売店で軽食。
- 午後: 北海(ほっかい)エリアや獅子峰(ししほう)からの雲海を眺める。天候が良ければ光明頂(こうみょうちょう)まで足を延ばし、黄山最高峰の絶景を堪能。
- 午後遅く: 白鵝嶺ロープウェイで下山し、シャトルバスで南大門へ戻る。
ポイント:
- 主要な景観に絞り、無理のない範囲で行動する。
- ロープウェイを最大限に活用し、移動時間を短縮する。
- 天候によっては雲海が見られない可能性も考慮する。
1泊2日コース
黄山の魅力を存分に味わいたい方におすすめのコースです。夕日や朝日、そして時間帯によって表情を変える雲海を体験できます。
1日目
- 午前: 南大門からシャトルバスで雲谷寺ロープウェイ乗り場へ。ロープウェイで白鵝嶺へ登り、頂上部へ。
- 午前中盤: 始信峰、黒虎松、連理松(れんりしょう)など、奇松・怪石の多いエリアを散策。
- 昼食: 山頂のホテルやレストランで昼食。
- 午後: 北海、清涼台(せいりょうだい)から雲海を眺め、その後、排雲亭(はいうんてい)を経て西海大峡谷(せいかいだいきょうこく)の入口へ。西海大峡谷の一部(歩行可能な範囲)を散策し、黄山ならではの雄大な景色を満喫。
- 夕方: 宿泊するホテルにチェックインし、夕食。
- 夕日鑑賞: 丹霞峰(たんかほう)または光明頂など、夕日スポットへ移動し、壮大な夕日を鑑賞。
2日目
- 早朝: ご来光を見るために、光明頂または始信峰など人気の朝日スポットへ。
- 朝食: ホテルで朝食。
- 午前: 体力と興味に応じて、以下のいずれかのルートを選択。
- 体力に自信がある場合: 天都峰(てんとほう)または蓮花峰(れんかほう)への登山に挑戦(時期によっては閉鎖の場合あり)。急峻な道のりだが、達成感と素晴らしい景色が待っている。
- 比較的楽に散策したい場合: 飛来石(ひらいせき)、歩仙橋(ほせんきょう)など、黄山の象徴的な怪石を巡るコース。
- 昼食: 山頂のホテルや売店で軽食。
- 午後: 玉屏楼(ぎょくへいろう)エリアの迎客松(げいかくしょう)を見学後、玉屏ロープウェイで慈光閣(じこうかく)へ下山。シャトルバスで南大門へ戻る。
ポイント:
- 山頂での宿泊は早めに予約する。
- 夕日や朝日の鑑賞ポイントを事前に調べておく。
- 西海大峡谷は特に体力を消耗するため、無理のない範囲で。
体力レベル別アドバイス
- 体力レベル★☆☆(初心者・体力に自信がない方)
- ロープウェイを積極的に利用し、主要な景観を短時間で巡る日帰りコースがおすすめ。
- 無理に全てのポイントを回ろうとせず、体調に合わせて休憩を取りながら行動する。
- 歩行距離が短い「迎客松」周辺や「北海」周辺を中心に散策する。
- 体力レベル★★☆(中級者・一般的な体力のある方)
- 1泊2日コースで、山頂の宿泊を楽しむのがおすすめ。
- 西海大峡谷は一部のみを散策し、無理のない範囲で。
- 早朝の朝日鑑賞など、時間帯による景色の変化も楽しむ。
- 体力レベル★★★(上級者・登山経験者)
- 1泊2日コースで、西海大峡谷の全ルートや、天都峰・蓮花峰への挑戦も可能。
- より奥深い黄山の自然を満喫できるルートを検討する。
- 登山経験がある場合でも、天候の急変には十分注意し、装備を万全にする。
黄山観光の準備と注意点

黄山観光を快適に安全に楽しむために、事前の準備と注意が必要です。
服装と持ち物
- 服装:
- 重ね着(レイヤリング)が基本: 黄山は標高が高く、山頂と麓、昼夜で気温差が激しいです。夏でもフリースや薄手のダウンジャケットなど、体温調節しやすい服装を準備しましょう。
- 防水・防風性のあるアウター: 天候が変わりやすいため、レインウェア上下は必須です。
- 歩きやすい靴: 登山靴または滑りにくいトレッキングシューズが必須です。山道は石段が多く、雨で滑りやすくなることがあります。
- 帽子・手袋: 紫外線対策や防寒対策に。
- 持ち物:
- 水筒・飲み物: 山頂では高値になるため、事前に購入しておきましょう。
- 行動食: エネルギー補給ができるチョコレート、ナッツバーなど。
- 日焼け止め・サングラス: 標高が高いため、紫外線が強いです。
- 常備薬・救急用品: 絆創膏、消毒液など。
- 小型のザック(リュックサック): 両手が空くように。
- カメラ: 絶景を記録するために。
- 充電器・モバイルバッテリー: スマートフォンなどの充電切れ対策。
- ヘッドライトまたは懐中電灯: 早朝の朝日鑑賞や、万が一暗くなった場合に備えて。
- 現金: 山頂の売店などではカードが使えない場合もあります。
- 地図: 現地の地図またはスマートフォンアプリの地図。
- タオル: 汗拭きや防寒対策に。
- 折りたたみ傘または簡易ポンチョ: 急な雨に備えて。

ロープウェイの利用
黄山には複数のロープウェイがあり、登山時間を大幅に短縮できます。
- 雲谷寺ロープウェイ(雲谷索道): 東側から山頂へアクセスする主要なルート。
- 玉屏ロープウェイ(玉屏索道): 南側からアクセスし、「迎客松」がある玉屏楼へ直行できます。
- 太平ロープウェイ(太平索道): 北側からアクセスし、丹霞峰方面へ。
注意点:
- 運行時間: 時期によって運行時間が異なるため、事前に確認が必要です。
- 混雑: ピークシーズンや祝日には非常に混雑し、長時間待つことがあります。時間に余裕を持って行動しましょう。
- 運賃: 片道と往復があり、別途料金がかかります。
ベストシーズン
黄山のベストシーズンは、目的によって異なります。
- 春(4月~5月):
- 新緑が美しく、花が咲き始めます。
- 雲海が発生しやすく、比較的快適な気候です。
- 夏(6月~8月):
- 緑が最も鮮やかで、避暑地としても人気があります。
- 雨が多い時期でもあり、雲海に遭遇するチャンスも高いですが、雷雨にも注意が必要です。
- 秋(9月~11月):
- 紅葉が美しく、気候が安定しており、澄んだ空気の中で景色を楽しめます。
- 雲海も発生しやすく、写真撮影に最適です。
- 冬(12月~3月):
- 雪景色や霧氷、樹氷が見られ、墨絵のような幻想的な景色が広がります。
- 冬の雲海は特に美しいと評判です。
- ただし、気温が低く、一部の遊歩道や峰は閉鎖されることがあります。防寒対策を万全にする必要があります。
年間を通して楽しめる黄山ですが、最も人気があり、様々な景観が楽しめるのは春と秋です。 冬の黄山は、特別な魅力がありますが、気象条件によっては厳しい登山となるため、経験者向けと言えます。
黄山周辺の観光スポット

黄山観光と合わせて訪れたい、魅力的な周辺スポットをご紹介します。
屯渓老街(とんけいろうがい)
黄山の玄関口である黄山市屯渓区に位置する、中国で最も保存状態の良い商業老街(古い商店街)の一つです。宋、元、明、清代の建築様式が色濃く残る石畳の通りには、伝統的な家屋が軒を連ね、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気を味わえます。
- 見どころ:
- 徽派建築: 白い壁と黒い瓦が特徴の徽派建築(きはけんちく)は、この地域の伝統的な建築様式です。通りを歩くだけでも、その美しいデザインに目を奪われます。
- 伝統工芸品: 徽州筆、歙硯(きゅうけん)、徽墨(きゅうぼく)といった文房四宝のほか、木彫りや竹細工、茶器など、様々な伝統工芸品を扱う店が並びます。お土産探しにも最適です。
- 地元グルメ: 安徽料理のレストランや、臭豆腐、毛豆腐(マオドウフ)などのローカルフードの屋台も楽しめます。
- 夜景: 夜には提灯が灯され、昼間とは異なる幻想的な雰囲気を醸し出します。
- アクセス: 黄山屯渓国際空港や黄山北駅からバスやタクシーでアクセス可能です。黄山市内の中心部に位置するため、アクセスは非常に便利です。
宏村(こうそん)と西递(せいてい)
黄山市黟県(いけん)に位置する、明・清代の伝統的な村落で、2000年に「安徽南部の古村落-西逓と宏村」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。中国の水墨画に描かれるような美しい風景が広がり、「画里郷村」(絵の中の村)とも称されます。
- 宏村(こうそん):
- 特徴: 牛の形を模した独特の村の設計が特徴です。村の中央には「月沼(げつしょう)」と呼ばれる半月形の池があり、周囲の建築物が水面に映り込む光景は絵画のようです。また、村全体に張り巡らされた水路は、生活用水としてだけでなく防火用水としても利用されていました。映画「グリーン・デスティニー」のロケ地としても有名です。
- 見どころ: 南湖書院、承志堂、月沼、南湖など。
- 西递(せいてい):
- 特徴: 宏村と同様に徽派建築の美しい村で、より多くの私邸や祠堂が保存されています。歴史的な建造物が多く、往時の繁栄を偲ばせます。
- 見どころ: 牌楼(ぱいろう)、胡文光刺史牌坊(こぶんこうししはいぼう)、履福堂(りふくどう)など。
- アクセス: 黄山屯渓区からバスやタクシーでアクセスできます。宏村と西逓は比較的近い距離にあるため、一日で両方を訪れることも可能です。
黄山旅行を計画する
黄山への旅を成功させるために、旅行の計画段階で考慮すべき点です。
ツアーと個人旅行の比較
- ツアーのメリット:
- 手軽さ: 交通手段(飛行機、バスなど)、宿泊、観光ルート、食事などが全て手配されており、計画の手間が省けます。
- ガイド付き: 現地の専門ガイドが同行するため、歴史や文化、景観に関する深い知識を得られます。言葉の心配も少ないです。
- 安心感: 不慣れな土地でのトラブル時にもサポートが受けられます。
- 費用が抑えられる場合も: グループ料金などで、個人で手配するよりも安くなることがあります。
- ツアーのデメリット:
- 自由度が低い: 決められたスケジュールに従うため、自分のペースで観光したり、興味のある場所で長く滞在したりすることが難しいです。
- 混雑: ピークシーズンは多くのツアー客で賑わうため、ゆっくり景色を楽しめないこともあります。
- 個人的な興味との不一致: 全てのツアー内容が自分の好みと一致するとは限りません。
- 個人旅行のメリット:
- 自由度が高い: 自分の興味や体力に合わせて、好きな場所を好きなだけ巡ることができます。
- 柔軟な日程: 天候や体調に合わせて、自由に予定を変更できます。
- 地元との触れ合い: 現地の人々との交流の機会が増え、より深く文化を体験できます。
- 個人旅行のデメリット:
- 手配の手間: 交通、宿泊、観光ルートなどを全て自分で手配する必要があり、時間と労力がかかります。
- 情報収集: 現地情報の収集や、言葉の壁がある場合があります。
- 緊急時の対応: トラブル発生時に全て自分で対応しなければなりません。
結論: 初めての黄山訪問や、中国語に不安がある場合はツアーがおすすめです。体力に自信があり、自分のペースでじっくりと黄山を探索したい場合は、個人旅行が良いでしょう。
宿泊施設の選び方
黄山周辺の宿泊施設は、主に山頂と山麓(屯渓区)に分かれます。
- 山頂の宿泊施設:
- メリット:
- 絶景のアクセス: 夕日や朝日、雲海を間近で鑑賞でき、移動時間が短縮されます。
- 早朝・夜間の黄山を楽しむ: 他の観光客が少ない時間帯に、静かに黄山を満喫できます。
- 体力の温存: 日帰りでは難しいコースもカバーしやすくなります。
- デメリット:
- 高価: 山頂のホテルは麓のホテルに比べて料金が高い傾向にあります。
- 設備が限定的: 山の上であるため、麓の大型ホテルに比べて設備やサービスがシンプルである場合があります。
- 荷物: 自分で荷物を運ぶ必要があるため、荷物は最小限に。
- 選び方: 光明頂や排雲亭に近いホテルが、日の出・日の入りの鑑賞に便利です。オフシーズンでも早めに予約することをおすすめします。
- メリット:
- 山麓(屯渓区)の宿泊施設:
- メリット:
- 選択肢が豊富: ホテル、ゲストハウス、民宿など、予算やスタイルに合わせた選択肢が多いです。
- 設備が充実: 大型ホテルではプール、ジム、複数のレストランなどの設備が整っています。
- 周辺観光に便利: 屯渓老街や黄山北駅、空港へのアクセスが良く、周辺観光の拠点として便利です。
- 費用が抑えられる: 山頂に比べて宿泊費を抑えることができます。
- デメリット:
- 黄山への移動時間: 黄山風景区の入口までバスなどで移動する必要があり、時間がかかります。
- 日の出・日の入り鑑賞が難しい: 山頂での夜景や朝日鑑賞は基本的にできません。
- 選び方: 屯渓老街周辺は観光にも便利で、夜の散策も楽しめます。交通の便が良い場所を選ぶと良いでしょう。
- メリット:
結論: 黄山の絶景を最大限に楽しむなら山頂に1泊がおすすめです。予算や旅のスタイルに合わせて、山頂と山麓の組み合わせも検討しましょう。
まとめ
黄山は、中国安徽省に位置する世界複合遺産です。雲海、奇松、怪石、温泉、冬雪の「黄山五絶」と呼ばれる絶景が魅力で、水墨画のような幻想的な世界が広がります。
黄山北駅や黄山屯渓国際空港からアクセスし、ロープウェイを使いながら観光できます。体力や好みに合わせて日帰りや1泊2日のコースを選び、山頂宿泊で夕日や朝日を楽しむのもおすすめです。屯渓老街や宏村・西逓といった周辺の古村落も必見。春と秋がベストシーズンですが、冬の雪景色も格別です。
よくある質問
黄山観光に最適な時期はいつですか?
目的によって異なります。
- 新緑・雲海: 4月~5月の春。新緑が美しく、雲海も発生しやすい時期です。
- 紅葉・安定した気候: 9月~11月の秋。紅葉が美しく、天候が比較的安定しており、澄んだ景色を楽しめます。
- 雪景色・霧氷: 12月~3月の冬。水墨画のような雪景色や霧氷、樹氷が見られます。特に冬の雲海は絶景ですが、気温が低く、一部閉鎖されるルートもあります。
- 避暑: 6月~8月の夏。山頂は涼しく、避暑地としても人気ですが、雨量が多く、急な雷雨に注意が必要です。
年間を通してそれぞれの魅力がありますが、最も人気があり、様々な景観が楽しめるのは春と秋です。
黄山は体力が必要ですか?初心者でも登れますか?
黄山は多くの石段があり、体力は必要ですが、観光ルートや利用するロープウェイを工夫すれば、初心者や体力に自信がない方でも楽しめます。
- ロープウェイの活用: 複数のロープウェイが整備されており、これを利用すれば大幅に登山時間を短縮し、主要な景観ポイントまで比較的楽にアクセスできます。
- 日帰りコース: 主要な見どころに絞り、ロープウェイを往復で利用する日帰りコースであれば、無理なく観光が可能です。
- 体力レベル別アドバイス: 上記の「黄山観光のおすすめモデルコース」の「体力レベル別アドバイス」を参考に、ご自身の体力に合ったプランを立てましょう。
山頂に宿泊するメリットとデメリットは何ですか?
メリット:
- 夕日・朝日・雲海の鑑賞: 早朝や夕暮れ時の幻想的な黄山の景色を間近で堪能できます。
- 人の少ない時間帯の散策: 日帰り客がいない早朝や夜間は、静かに黄山を楽しむことができます。
- 体力の温存: 翌日の観光に備え、移動時間を短縮できます。
デメリット:
- 高価: 山頂のホテルは麓のホテルに比べて宿泊費が高いです。
- 設備がシンプル: 山の上であるため、麓の大型ホテルに比べて設備やサービスが限られる場合があります。
- 荷物: 基本的に自分で荷物を運ぶ必要があるため、荷物は最小限に抑える必要があります。
黄山観光で必要な持ち物は何ですか?
服装: 標高が高いため、季節を問わず重ね着(レイヤリング)が基本です。防水・防風性のあるアウター(レインウェア)、歩きやすいトレッキングシューズは必須です。
その他: 水筒、行動食、日焼け止め、サングラス、常備薬、小型のザック、カメラ、モバイルバッテリー、ヘッドライト(ご来光を見る場合)、現金(山頂の売店など)。
現地での移動手段はどうすればいいですか?
黄山市内 ⇔ 黄山風景区入口: バスまたはタクシーが一般的です。
黄山風景区入口 ⇔ 各登山口: シャトルバスが運行しています。
山中: ロープウェイと徒歩での移動が主となります。山中の道は整備されていますが、多くの石段があるため、歩きやすい靴が重要です。
食事はどうすればいいですか?
山頂: ホテル内のレストランや、簡単な軽食を販売する売店があります。麓に比べて選択肢は少なく、料金も高めです。
山麓(屯渓区): 屯渓老街周辺に多くのレストランがあり、安徽料理や中華料理を楽しめます。
宏村や西逓へのアクセスは簡単ですか?
黄山市屯渓区からバスやタクシーでアクセス可能です。日帰りでも観光できますが、時間をかけてじっくり見たい場合は、それぞれの村に宿泊するのも良いでしょう。公共交通機関はありますが、本数が限られる場合もあるため、事前に調べておくことをおすすめします。
中国語が話せなくても大丈夫ですか?
ツアーに参加する場合は、日本語ガイドがいるツアーを選べば安心です。個人旅行の場合は、主要な観光地やホテルでは英語が通じるスタッフもいますが、基本的な中国語のフレーズ(挨拶、数字、場所を尋ねるなど)を覚えておくと便利です。翻訳アプリの活用も有効です。






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