世界遺産検定1級を目指す学習者に向けて、複数の世界遺産にまたがる「庭園」を整理した大辞典エントリーです。個々の遺産の解説ではなく、庭園や造園の価値が評価された世界遺産を横断して一覧できる索引として使えます(辞典内は東アジアの庭園です。世界の代表例は下の別見出しにまとめています)。
基礎データ
| 見出し語 | 庭園(東アジアの世界遺産) |
|---|---|
| 定義 | 植栽・水・石・建物などを配して、人が造り上げた鑑賞・休息の空間(一般的な説明)。世界遺産では、文化的景観の区分のうち、人が意図して造った景観(庭園・公園)にあたります(運用指針の区分)。 |
| 世界遺産での現れ方 | 日本庭園(京都)/浄土庭園(平泉)/中国の私園(蘇州)・皇室庭園(頤和園・承徳)/湖を庭に見立てた景観(杭州西湖)/宮殿の後苑(昌徳宮)/琉球王家の庭園(識名園)/池の跡(慶州) |
| 関連する世界遺産 | 辞典内は9件(日本3・中国4・韓国2)。下の一覧のリンクから、各遺産の大辞典エントリーへ移動できます。 |
混同しやすい点:浄土庭園・私園・皇室庭園・宮殿の後苑
浄土庭園は、浄土思想と日本固有の自然観が結びついた庭園で、平泉(毛越寺など)に代表され、京都(宇治)の平等院の庭園も浄土式庭園の例として知られます。中国の蘇州古典園林は私園(個人の庭園)、頤和園と承徳の避暑山荘は清の皇帝が造らせた皇室庭園です。杭州西湖は、湖と周囲の丘を整えて理想的な景観を造った、庭園のような文化的景観です。韓国の昌徳宮の後苑(秘苑)は、風水(プンス)に従った配置のもと、地形を生かして造られました(風水参照)。
関連する世界遺産の一覧
日本
- 古都京都の文化財(1994年):UNESCOは、京都が日本の木造建築と、世界の造園に影響を与えた日本庭園の芸術の発展を示すと述べています。
- 平泉(2011年):4つの浄土庭園(うち3つは聖なる山・金鶏山を中心にしたもの)が、浄土思想と日本固有の自然観の融合を示します。2つの庭園は復元され、2つは地中に残っています。
- 琉球王国のグスク及び関連遺産群(2000年):9つの資産の一つ識名園は、琉球王家の別邸の庭園で、特別名勝に指定されています。
中国
- 蘇州古典園林(1997年、拡大2000年):UNESCOは、自然の風景を縮小して再現する中国の古典庭園の例を、蘇州の旧市街にある9つの庭園として登録しています。11〜19世紀の庭園で、拙政園・留園などが含まれます。私園の伝統は4世紀ごろに始まり、18世紀に頂点を迎えました。
- 頤和園(1998年):1750年に清漪園として造営され、1860年の戦争で大半が破壊され、1886年に元の基礎の上に再建されました。昆明湖の3つの大きな島は、中国庭園の伝統的な「一池三山」の配置に対応します。
- 杭州西湖の文化的景観(2011年):湖と堤・人工島・寺院・塔・東屋・庭園が一体となった景観。中国だけでなく日本・韓国の庭園設計にも影響しました。
- 承徳の避暑山荘と外八廟(1994年):現存する中国最大の皇室の宮殿・庭園・寺院の複合体。中国の自然の景観を生かした庭園の傑作で、18世紀の世界の庭園設計にも影響しました。
韓国
- 昌徳宮(1997年):山麓にあり、風水(プンス)に従って地形を抱くように設計されました。北に広がる後苑(秘苑)は、韓国の建築・庭園・景観計画に長く影響しました。
- 慶州歴史地域(2000年):月城地区に、臨海殿という宮殿の跡にある池雁鴨池(アナプチ)があります。
辞典には未収録の世界の代表例
大辞典は東アジアの遺産を中心に載せています。検定でよく問われる庭園の代表例を、リンクなしで挙げます(登録年はUNESCO)。
- ヴェルサイユの宮殿と庭園(フランス、1979年):宮殿と庭園の複合体
- ペルシア式庭園(イラン、2011年):イランの庭園群
- ラホールの城塞とシャーラマール庭園(パキスタン、1981年):城塞と庭園
- キュー王立植物園(イギリス、2003年):王立の植物園
よくある質問

頤和園は、1860年に何があったのですか?
第二次アヘン戦争の時期の1860年の戦争で、大半が破壊されました。その後、1886年に元の基礎の上に再建されています。造営時の名は清漪園で、再建後に頤和園と呼ばれます。
蘇州古典園林で、世界遺産に登録されたのはいくつの庭園ですか?
9つです。約50が現存するとされるうち、UNESCOが旧市街の9つを登録しました(1997年登録、2000年に範囲を拡大)。登録された庭園は11〜19世紀のものです。
浄土庭園を代表する世界遺産はどこですか?
平泉(毛越寺など)です。京都の平等院の庭園も浄土式庭園の例として知られるため、検定では平泉と対で問われます。


