世界遺産検定1級を目指す学習者に向けて、複数の世界遺産にまたがる「先史時代の遺跡」を整理した大辞典エントリーです。個々の遺産の解説ではなく、文字による記録が残る前の人類の暮らしや墓・信仰を伝える世界遺産を横断して一覧できる索引として使えます(辞典内は中国・韓国・日本の遺産です。世界の代表例は下の別見出しにまとめています)。
基礎データ
| 見出し語 | 先史時代の遺跡(先史・岩絵) |
|---|---|
| 定義 | 文字による記録が残る前の時代(先史)の、人類の暮らし・墓・信仰を伝える遺跡や遺物(一般的な説明)。 |
| 世界遺産での現れ方 | 人類の化石(周口店)/墓(支石墓)/岩に刻んだ絵(盤亀川)/定住する狩猟・漁労・採集の集落(縄文) |
| 関連する世界遺産 | 辞典内は4件(中国1・韓国2・日本1)。下の一覧のリンクから、各遺産の大辞典エントリーへ移動できます。 |
混同しやすい点:縄文・支石墓・岩刻画・化石人類
遺跡の種類で区別します。周口店は、更新世の人類の化石が出土する遺跡です。支石墓は、大きな石の板で造った墓(巨石文化)、盤亀川は、岩に刻んだ岩刻画で、墓と絵は別物です。縄文遺跡群は、農耕以前(pre-agricultural)の定住する狩猟・漁労・採集社会の例で、稲作を基盤とする良渚古城(辞典未収録)とは対照的です。辞典内の澄江の化石産地は、カンブリア紀の生物の化石産地で、人類の先史とは別です(一般的な説明)。墓の見方は古墳(墳墓)のエントリーも参照してください。
関連する世界遺産の一覧
日本
- 北海道・北東北の縄文遺跡群(2021年):北海道南部と東北北部の17の考古遺跡。約1万年にわたる、農耕以前でありながら定住した縄文文化の、独特な証拠です。
中国
- 周口店の北京原人遺跡(1987年):北京の南西約42kmにある、更新世の人類の遺跡。23地点から人類の化石、文化的な遺物、動物の化石が見つかり、年代は500万年前から1万年前にわたります(北京原人は中期更新世の約70万〜20万年前=一般的な説明)。
韓国
- 高敞・和順・江華の支石墓跡(2000年):数百基の支石墓が集中する先史時代の墓地で、UNESCOの英語の要約は紀元前1千年紀の墓としています。紀元前3000〜2000年紀に世界各地で現れた巨石文化に属し、これほど集中して残る例はほかにないと述べています。
- 盤亀川流域の岩刻画群(2025年):約3kmにわたる川沿いに、大谷里と川前里の2つの岩刻画があります。紀元前5000年から紀元後9世紀まで、世代を重ねて刻まれたため、先史だけの遺産ではありません。
辞典には未収録の世界の代表例
大辞典は東アジアの遺産を中心に載せています。検定でよく問われる先史時代の代表例を、リンクなしで挙げます(登録年はUNESCO)。
- 良渚古城遺跡(中国、2019年):稲作を基盤とする統一された信仰体系をもつ、新石器時代後期(約紀元前3300〜2300年)の初期の地域国家の遺跡(辞典には未収録)
- サンギラン初期人類遺跡(インドネシア、1996年)(総合ガイド記事あり):初期人類の遺跡(周口店と並べて問われやすい遺産)
- アワッシュ川下流域(エチオピア、1980年):人類の化石が出土した遺跡
- 南アフリカの人類化石遺跡群(南アフリカ、1999年):人類の化石遺跡群
- ヴェゼール渓谷の先史時代の遺跡群と装飾洞窟群(フランス、1979年):先史時代の遺跡と装飾洞窟。ラスコー洞窟を含みます(一般的な説明)
- ポン・ダルクの装飾洞窟(ショーヴェ洞窟)(フランス、2014年):装飾された洞窟
- アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器時代の洞窟壁画(スペイン、1985年):旧石器時代の洞窟壁画
- ゴブスタン岩絵の文化的景観(アゼルバイジャン、2007年):6,000点を超える岩刻画があり、4万年にわたる岩絵の証拠とUNESCOは述べています
- ヴァルカモニカの岩絵群(イタリア、1979年):屋外の岩絵群
- モンゴル・アルタイ山脈の岩絵群(モンゴル、2011年)(総合ガイド記事あり):屋外の岩絵群
- タッシリ・ナジェール(アルジェリア、1982年):岩絵で知られる複合遺産
- ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連遺跡群(イギリス、1986年):巨石の遺跡群
- カルナックの巨石群とモルビアン湾沿岸(フランス、2025年):巨石群
よくある質問

縄文遺跡群は、何を示す遺産ですか?
UNESCOによれば、紀元前約1万3000年ごろから発展した、定住する狩猟・漁労・採集社会が、出現し、成熟し、環境の変化に適応していった過程です。農耕以前の定住の早い例で、複雑な精神的信仰と儀礼も伝えます。
縄文遺跡群は、どのような地形に分布していますか?
UNESCOによれば、北海道南部と東北北部の17の考古遺跡が、山地・丘陵・平野・低地・内湾・湖・川など、さまざまな地形にあります。環境の変化に適応しながら発展した定住社会の姿を、地形ごとの違いとして示します。


