クロアチアの世界遺産一覧【2026年最新版】です。クロアチアには、「アドリア海の真珠」と呼ばれる城壁都市ドゥブロヴニクから、エメラルドグリーンの水をたたえるプリトヴィツェ湖群国立公園まで、10件の世界遺産があります。この記事では、世界遺産の数・登録年・登録基準を地図と表でまとめ、それぞれの遺産の概要を紹介します。ほかの国の登録数は世界遺産登録数ランキングで、個々の遺産や関連する用語は世界遺産の大辞典でも調べられます。

| No. | 登録名 | 登録年 | 所在地 | 登録基準 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ドゥブロヴニクの旧市街 | 1979年(1994年範囲変更) | ドゥブロヴニク・ネレトヴァ郡(アドリア海沿岸) | (1), (3), (4) | |
| 2 | スプリトのディオクレティアヌス帝の宮殿と歴史的建造物群 | 1979年 | スプリト・ダルマチア郡 | (2), (3), (4) | |
| 3 | プリトヴィツェ湖群国立公園 | 1979年(2000年範囲拡大) | リカ・セニ郡ほか(中央クロアチア) | (7), (8), (9) | 自然遺産 |
| 4 | ポレチュ歴史地区にあるエウフラシウス聖堂の司教関連建造物群 | 1997年 | イストリア郡(ポレチュ) | (2), (3), (4) | |
| 5 | 歴史都市トロギール | 1997年 | スプリト・ダルマチア郡 | (2), (4) | |
| 6 | シベニクの聖ヤコブ大聖堂 | 2000年 | シベニク・クニン郡 | (1), (2), (4) | |
| 7 | カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林 | 2007年(2011・2017・2021年範囲拡大) | 中央クロアチア(ディナル・アルプス)ほか18か国 | (9) | 自然遺産 |
| 8 | フヴァル島のスターリ・グラード平地 | 2008年 | スプリト・ダルマチア郡(フヴァル島) | (2), (3), (5) | |
| 9 | ステチュツィ:中世の墓碑の残る墓所 | 2016年 | クロアチア南部ほかボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、セルビア | (3), (6) | |
| 10 | ヴェネツィア共和国の防衛施設群(16-17世紀):スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール | 2017年 | ザダル・シベニク(クロアチア)ほかイタリア、モンテネグロ | (3), (4) |
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表のNo.は、上の地図のピンの番号と同じです(登録年の古い順)。ここからは、地域ごとに見ていきましょう。複数の国にまたがる遺産は、最後にまとめて紹介します。
ダルマチア地方
クロアチア南部、アドリア海に面した沿岸地域です。ヴェネツィア共和国の支配を受けた歴史都市や島々が点在します。
ドゥブロヴニクの旧市街(No.1)
「アドリア海の真珠」と称される、城壁に囲まれた中世都市です。13世紀以降、地中海の有力な海洋国家として栄え、1667年の大地震による被害を受けながらも、ゴシック・ルネサンス・バロック様式の教会や宮殿がよく保存されています。1990年代のユーゴスラビア紛争でも大きな被害を受け、一時は危機遺産リストに登録されましたが、国際的な修復事業により1998年に解除されました。
スプリトのディオクレティアヌス帝の宮殿と歴史的建造物群(No.2)
3世紀末から4世紀初頭にかけて建てられた、ローマ皇帝ディオクレティアヌスの宮殿を中心とする歴史地区です。古代ローマの宮殿遺構の上に、中世の大聖堂やロマネスク様式の教会、ゴシック・ルネサンス・バロック様式の建造物が積み重なるように広がり、古代から現代まで人々が暮らし続ける「生きた遺跡」として評価されています。
歴史都市トロギール(No.5)
紀元前3世紀、ギリシャ人植民者によって築かれた、都市計画の連続性を示す歴史都市です。ヘレニズム期の格子状街路がそのまま現代の街並みに受け継がれ、ロマネスク様式の教会にルネサンス・バロック様式の建造物が加わり、ヴェネツィア時代の要塞も残ります。
シベニクの聖ヤコブ大聖堂(No.6)
1431年から1535年にかけて建てられた、全体が石造りの大聖堂です。フランチェスコ・ディ・ジャコモ、ゲオルギウス・マテイ・ダルマティクス、ニコロ・ディ・ジョヴァンニ・フィオレンティーノの3人の建築家が代を継いで手がけ、ゴシックからルネサンスへの移行を示す独自の建築様式と、71人の顔を彫刻したフリーズ装飾で知られています。
フヴァル島のスターリ・グラード平地(No.8)
アドリア海に浮かぶフヴァル島に広がる、紀元前4世紀にギリシャ人入植者が切り開いた農業景観です。石垣で区切られた幾何学的な土地区画「コラ」が24世紀にわたりほぼそのままの形で保たれ、現在もブドウとオリーブの栽培が続けられています。
イストリア半島
クロアチア北西部、アドリア海に突き出た半島です。古代ローマ以来の歴史を持ちます。
ポレチュ歴史地区にあるエウフラシウス聖堂の司教関連建造物群(No.4)
4世紀にキリスト教が広まったポレチュに残る、司教関連建造物群です。6世紀半ば、司教エウフラシウスによって建てられたバシリカを中心に、アトリウム・洗礼堂・司教宮殿が一体となって残り、初期キリスト教建築の完成度の高いアンサンブルとして評価されています。主後陣を飾るモザイク画も見どころです。
中央クロアチア
クロアチア中部、ディナル・アルプス山系の低地にあたる地域です。
プリトヴィツェ湖群国立公園(No.3)
石灰岩の大地を流れる水が、数千年かけて石灰華(トゥファ)の堰を形成し、連なる湖沼・滝・洞窟を作り出した自然遺産です。上湖群と下湖群に分かれ、森にはヒグマやオオカミも生息します。具体的な観光ルートは、kaz-travelの上湖・下湖の回り方完全ガイドでも詳しく解説しています。
複数の国にまたがる遺産
ここでは、ほかの国々と共同で登録された遺産を紹介します。
カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林(No.7)
氷河期の生き残りの地から、数千年かけてヨーロッパ全土に広がったブナの原生林・古代林です。18か国93か所の構成資産からなり、氷河期後の植物の適応・拡散の過程を示す進行中の生態学的プロセスとして評価されています。
ステチュツィ:中世の墓碑の残る墓所(No.9)
ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ、セルビアの4か国28か所にまたがる、中世の墓石「ステチュツィ」の墓地群です。12世紀後半から16世紀にかけて作られ、正教会・カトリック・ボスニア教会という異なる宗派の人々に共通して使われた点が特徴で、装飾文様や銘文は中世南東欧の精神文化を伝えています。
ヴェネツィア共和国の防衛施設群(16-17世紀):スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール(No.10)
16〜17世紀、ヴェネツィア共和国が築いた防衛施設群です。イタリア・クロアチア・モンテネグロの3か国6か所からなり、クロアチアではザダルとシベニクの要塞が構成資産に含まれます。火器の普及に対応した「アッラ・モデルナ(稜堡式)」と呼ばれる築城様式の発展を示し、後のヨーロッパ各地の要塞建築に影響を与えました。
まとめ
クロアチアにある世界遺産一覧【2026年最新版】をご紹介しました。アドリア海沿岸の歴史都市ドゥブロヴニク・スプリト・トロギールから、プリトヴィツェ湖群国立公園の圧倒的な自然、古代ギリシャの土地区画が残るフヴァル島まで、クロアチアの世界遺産は多彩です。
気になる世界遺産はあったでしょうか。思い立ったら、興味の湧く場所に足を運んでみてはいかがでしょうか。国別の登録数は世界遺産登録数ランキングでもご覧いただけます。
世界遺産に興味を持たれた方は、世界遺産検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。
世界遺産検定公式HP
よくある質問

クロアチアの世界遺産はいくつありますか?
2026年10月時点で10件です。自然遺産1件(プリトヴィツェ湖群国立公園)とブナ原生林、ほかはすべて文化遺産です。うちブナ原生林・ステチュツィ・ヴェネツィア共和国の防衛施設群の3件はほかの国と共同で登録されています。
クロアチアで最も早く登録された世界遺産は?
1979年に登録された、ドゥブロヴニクの旧市街・スプリトのディオクレティアヌス帝の宮殿・プリトヴィツェ湖群国立公園の3件です。
プリトヴィツェ湖群国立公園の回り方は?
上湖群と下湖群に分かれており、どちらを回るかで所要時間やルートが変わります。詳しくは上湖・下湖の回り方完全ガイドで解説しています。
ほかの国と共同で登録されている遺産はありますか?
3件あります。18か国にまたがるブナ原生林、ボスニア・ヘルツェゴビナ・モンテネグロ・セルビアと共同のステチュツィ(中世の墓碑)、イタリア・モンテネグロと共同のヴェネツィア共和国の防衛施設群です。
ドゥブロヴニクが危機遺産リストに登録されていたのは本当ですか?
本当です。1990年代のユーゴスラビア紛争による被害で1991年から1998年まで危機遺産リストに登録されていましたが、国際的な修復事業により解除されました。






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