スペインの世界遺産一覧【2026年最新版】です。スペインには、アルハンブラ宮殿やガウディの作品群、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路、古代ローマの遺跡、先史時代の洞窟壁画、カナリア諸島の自然まで、50件の世界遺産があります。この記事では、スペインのどの地域に多くの遺産があるのか、登録された世界遺産の概要を地図と表でわかりやすく紹介します。遺産の歴史的な背景を知ってから旅をすることで、あなたの旅がより充実するでしょう。旅行や世界遺産検定の学習に役立てば幸いです。

| No. | 登録名 | 登録年 | 所在地 | 登録基準 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | コルドバの歴史地区 | 1984年(1994年範囲拡大) | コルドバ県 | (1), (2), (3), (4) | |
| 2 | グラナダのアルハンブラ宮殿、ヘネラリーフェ離宮、アルバイシン地区 | 1984年(1994年範囲拡大) | グラナダ県 | (1), (3), (4) | |
| 3 | ブルゴスの大聖堂 | 1984年 | ブルゴス県 | (2), (4), (6) | |
| 4 | マドリードのエル・エスコリアール修道院と王立施設 | 1984年 | マドリード県(サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル) | (1), (2), (6) | |
| 5 | アントニ・ガウディの作品群 | 1984年(2005年範囲拡大) | バルセロナ県ほか(バルセロナ周辺) | (1), (2), (4) | |
| 6 | アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器時代洞窟壁画 | 1985年(2008年範囲拡大) | カンタブリア州(サンティリャーナ・デル・マル) | (1), (3) | |
| 7 | セゴビアの旧市街とローマ水道橋 | 1985年(2015年範囲変更) | セゴビア県 | (1), (3), (4) | |
| 8 | アストゥリアス王国とオビエドの宗教建築物群 | 1985年(1998年範囲拡大) | アストゥリアス州 | (1), (2), (4) | |
| 9 | サンティアゴ・デ・コンポステーラ(旧市街) | 1985年 | ア・コルーニャ県 | (1), (2), (6) | |
| 10 | アビラの旧市街と城壁外の教会群 | 1985年(2007年範囲変更) | アビラ県 | (3), (4) | |
| 11 | アラゴンのムデハル様式建築 | 1986年(2001年範囲拡大、2016年範囲変更) | テルエル県・サラゴサ県 | (4) | |
| 12 | 歴史都市トレド | 1986年 | トレド県 | (1), (2), (3), (4) | |
| 13 | ガラホナイ国立公園 | 1986年 | ラ・ゴメラ島(サンタ・クルス・デ・テネリフェ県) | (7), (9) | 自然遺産 |
| 14 | カセレスの旧市街 | 1986年(2016年範囲変更) | カセレス県 | (3), (4) | |
| 15 | セビーリャの大聖堂、アルカサル、インディアス古文書館 | 1987年(2010年範囲変更) | セビーリャ県 | (1), (2), (3), (6) | |
| 16 | サラマンカの旧市街 | 1988年 | サラマンカ県 | (1), (2), (4) | |
| 17 | ポブレの修道院 | 1991年 | タラゴナ県(ビンボディ) | (1), (4) | |
| 18 | メリダの考古遺跡群 | 1993年 | バダホス県 | (3), (4) | |
| 19 | サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院 | 1993年 | カセレス県 | (4), (6) | |
| 20 | サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道 | 1993年(2015年範囲拡大) | スペイン北部(ナバラ州、ラ・リオハ州、バスク州、アストゥリアス州ほか) | (2), (4), (6) | シリアル |
| 21 | ドニャーナ国立公園 | 1994年(2005年範囲拡大) | ウエルバ県・セビーリャ県 | (7), (9), (10) | 自然遺産 |
| 22 | 要塞都市クエンカ | 1996年 | クエンカ県 | (2), (5) | |
| 23 | バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダ | 1996年 | バレンシア県 | (1), (4) | |
| 24 | ピレネー山脈のペルデュ山 | 1997年(1999年範囲拡大) | アラゴン州ウエスカ県(スペイン側)、フランス・オート=ピレネー県 | (3), (4), (5), (7), (8) | 複合遺産(フランスと共有) |
| 25 | ラス・メドゥラス | 1997年 | レオン県 | (1), (2), (3), (4) | |
| 26 | バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院 | 1997年(2008年範囲拡大) | バルセロナ県 | (1), (2), (4) | |
| 27 | サン・ミリャン・ユソとスソの修道院群 | 1997年 | ラ・リオハ州(サン・ミリャン・デ・ラ・コゴリャ) | (2), (4), (6) | |
| 28 | コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵群 | 1998年(2010年範囲拡大) | サラマンカ県(シエガ・ベルデ)、ポルトガルのコア渓谷 | (1), (3) | ポルトガルと共有 |
| 29 | イベリア半島の地中海沿岸の岩絵群 | 1998年 | アンダルシア州、アラゴン州、カスティーリャ=ラ・マンチャ州、カタルーニャ州、ムルシア州、バレンシア州 | (3) | シリアル |
| 30 | アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区 | 1998年 | マドリード県(アルカラ・デ・エナーレス) | (2), (4), (6) | |
| 31 | イビサ島の生物多様性と文化 | 1999年 | バレアレス諸島(イビサ島) | (2), (3), (4), (9), (10) | 複合遺産 |
| 32 | サン・クリストバル・デ・ラ・ラグナ | 1999年 | サンタ・クルス・デ・テネリフェ県(テネリフェ島) | (2), (4) | |
| 33 | タラゴナの考古遺跡群 | 2000年 | タラゴナ県 | (2), (3) | |
| 34 | エルチェの椰子園 | 2000年 | アリカンテ県(エルチェ) | (2), (5) | |
| 35 | ルーゴのローマの城壁群 | 2000年 | ルーゴ県 | (4) | |
| 36 | ボイ渓谷のカタルーニャ風ロマネスク様式教会群 | 2000年 | リェイダ県(ボイ渓谷) | (2), (4) | |
| 37 | アタプエルカの考古遺跡群 | 2000年 | ブルゴス県(シエラ・デ・アタプエルカ) | (3), (5) | |
| 38 | アランフエスの文化的景観 | 2001年 | マドリード県(アランフエス) | (2), (4) | |
| 39 | ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群 | 2003年 | ハエン県 | (2), (4) | |
| 40 | ビスカヤ橋 | 2006年 | バスク州ビスカヤ県(ビルバオ西部) | (1), (2) | |
| 41 | カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林 | 2007年(2011年・2017年・2021年範囲拡大) | マドリード州(モンテホのブナ林)ほか(スペインの構成資産) | (9) | 自然遺産(18か国共有) |
| 42 | テイデ国立公園 | 2007年 | サンタ・クルス・デ・テネリフェ県(テネリフェ島) | (7), (8) | 自然遺産 |
| 43 | ヘラクレスの塔 | 2009年 | ア・コルーニャ県 | (3) | |
| 44 | トラムンタナ山脈の文化的景観 | 2011年 | マヨルカ島北西部 | (2), (4), (5) | |
| 45 | アルマデンとイドリア-水銀鉱山の遺跡 | 2012年 | シウダー・レアル県(アルマデン)、スロベニアのイドリア | (2), (4) | スロベニアと共有 |
| 46 | アンテケラの支石墓遺跡 | 2016年 | マラガ県(アンテケラ) | (1), (3), (4) | |
| 47 | メディナ・アサーラのカリフ都市 | 2018年 | コルドバ県(コルドバ近郊) | (3), (4) | |
| 48 | リスコ・カイドとグラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観 | 2019年 | グラン・カナリア島中央部 | (3), (5) | |
| 49 | プラド通りとブエン・レティーロ:芸術と科学の景観 | 2021年 | マドリード | (2), (4), (6) | |
| 50 | メノルカ島のタライオティック文化先史遺跡群 | 2023年 | メノルカ島 | (3), (4) |
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表のNo.は、上の地図のピンの番号と同じです(登録年の古い順)。ここからは、北から順番に、自治州ごとに見ていきましょう。複数の自治州や国にまたがる遺産は、最後にまとめて紹介します。
ガリシア州
スペイン北西端、大西洋に面した州です。巡礼の終着地サンティアゴ・デ・コンポステーラをはじめ、古代ローマの城壁や灯台など、歴史の古い遺産があります。
サンティアゴ・デ・コンポステーラ(旧市街)(No.9)
スペイン北西部の有名な巡礼地で、イスラムに対するスペインのキリスト教徒の戦いの象徴となりました。10世紀末にイスラム勢力に破壊され、翌世紀に完全に再建されました。ロマネスク、ゴシック、バロックの建物が並ぶ旧市街は、世界でも有数の美しい都市景観です。
ルーゴのローマの城壁群(No.35)
ローマの町ルクスを守るため、3世紀後半に築かれた城壁です。城壁の全周が完全に残っており、西ヨーロッパにおけるローマ時代後期の要塞の最も優れた例とされます。
ヘラクレスの塔(No.43)
1世紀末に、ローマ人が建てた灯台「ファルム・ブリガンティウム」に始まり、ア・コルーニャの港の入口で灯台、また目印として使われてきました。高さ57mの岩の上にそびえ、さらに55mの高さがあります(うち34mがローマ時代の石積み)。現役で使われている最古の灯台のひとつです。
アストゥリアス州
スペイン北部、カンタブリア海に面した山がちな州です。9世紀にキリスト教王国が栄え、独自の建築様式を生みました。
アストゥリアス王国とオビエドの宗教建築物群(No.8)
9世紀、イベリア半島でキリスト教の灯を守った小さなアストゥリアス王国で生まれた、革新的なプレ・ロマネスク(ロマネスク以前)の建築様式の遺産です。その最高の成果が、オビエドとその周辺の教会群に見られ、半島の宗教建築の発展に大きな役割を果たしました。
カンタブリア州
スペイン北部の海岸沿いの州です。世界的に有名な旧石器時代の洞窟壁画があります。
アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器時代洞窟壁画(No.6)
旧石器時代の洞窟壁画で知られるアルタミラ洞窟に、2008年、スペイン北部の17の装飾洞窟が加わりました。ウラル山脈からイベリア半島まで、ヨーロッパ全域に広がった旧石器時代の洞窟美術の頂点を示す遺産です。
バスク州
スペイン北部、フランスと接する州です。19世紀の産業革命期の技術を伝える遺産があります。
ビスカヤ橋(No.40)
ビルバオの西、イバイサバル河口にかかる橋で、バスクの建築家アルベルト・デ・パラシオの設計により、1893年に完成しました。高さ45m、支間160mで、19世紀の鉄の伝統と、当時の新しい軽量のより鋼索の技術を融合させた運搬橋です。
ラ・リオハ州
スペイン北部、ワインの産地として知られる州です。スペイン語(カスティーリャ語)の誕生にまつわる修道院があります。
サン・ミリャン・ユソとスソの修道院群(No.27)
6世紀半ばに聖ミリャンが開いた修道共同体が、巡礼地となりました。スソの修道院には、聖人をたたえて建てられた見事なロマネスク様式の教会が残っています。ここで、カスティーリャ語で書かれた最初の文学が生まれ、今日世界で最も広く話される言語のひとつ、スペイン語へとつながりました。
アラゴン州
スペイン北東部、ピレネー山脈からエブロ川流域に広がる州です。イスラムの影響を受けたキリスト教建築が残っています。
アラゴンのムデハル様式建築(No.11)
12世紀、レコンキスタ後のスペインで生まれたムデハル様式は、イスラムの伝統の影響を受けながら、当時のヨーロッパのゴシックなどの様式も反映した芸術です。17世紀初めまで続き、アラゴンでは、塔や天井装飾などの建築に見られます。
カタルーニャ州
スペイン北東部、地中海に面した州で、州都はバルセロナです。ガウディをはじめとするモデルニスモ建築、ローマ遺跡、中世の修道院やロマネスク教会など、世界遺産が5件あります。
アントニ・ガウディの作品群(No.5)
建築家アントニ・ガウディ(1852〜1926年)が、バルセロナとその近郊に手がけた7件の建築群です。19世紀末から20世紀初めの建築と建設技術に、独創的な貢献をしました。折衷的でありながら、きわめて個性的な様式が特徴です。
ポブレの修道院(No.17)
カタルーニャにある、スペイン最大級のシトー会修道院です。中心には12世紀の教会があり、要塞化された王の居館と、カタルーニャ・アラゴン王家の霊廟もあります。簡素で荘厳な佇まいが印象的です。
バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院(No.26)
カタルーニャのアール・ヌーヴォーの建築家リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーによる、バルセロナの建築の傑作2件です。カタルーニャ音楽堂は、光と空間にあふれた鉄骨造の建物に、当時の名だたるデザイナーが装飾を施しました。サン・パウ病院も同じく大胆な建築です。
タラゴナの考古遺跡群(No.33)
現在のタラゴナにあたるタラコは、ローマ時代のスペインの主要な行政・商業都市で、全イベリア属州の皇帝崇拝の中心でもありました。遺構の多くは断片的ですが、一連の優れた発掘調査により、多くの建築が明らかになりました。
ボイ渓谷のカタルーニャ風ロマネスク様式教会群(No.36)
ピレネー山脈の高地、アルタ・リバゴルサ地方の狭いボイ渓谷にある、カタルーニャ風のロマネスク教会群です。渓谷の各村にロマネスクの教会があり、周囲を囲い込んだ畑が取り巻き、高地には季節的に使われる放牧地が広がっています。
カスティーリャ・イ・レオン州
スペイン北西部の内陸に広がる、国内で最も面積の大きい州です。中世の城壁都市や大聖堂、ローマ時代の水道橋、人類の起源を探る遺跡など、世界遺産が7件と、スペインで特に多い州のひとつです。
ブルゴスの大聖堂(No.3)
13世紀に、フランスのイル=ド=フランスの大聖堂群と同じ時期に着工され、15〜16世紀に完成した大聖堂です。建築そのものに加え、絵画、聖歌隊席、墓などの美術品も充実しており、ゴシック美術の歴史を凝縮した存在とされます。
セゴビアの旧市街とローマ水道橋(No.7)
1世紀半ばごろに造られたとされるローマ時代の水道橋が、驚くほど良い状態で残るセゴビアの旧市街です。2層のアーチを重ねた水道橋が歴史都市の景観の一部となっており、11世紀に建設が始まったアルカサルや、16世紀のゴシック様式の大聖堂もあります。
アビラの旧市街と城壁外の教会群(No.10)
11世紀に、イスラム勢力から領土を守るために築かれた「聖人と石の町」です。聖テレサの生誕地であり、中世の厳格さを今に伝えます。ゴシック様式の大聖堂と城壁、城壁の外にある教会群が登録されています。
サラマンカの旧市街(No.16)
マドリードの北西にある古い大学都市です。紀元前3世紀にカルタゴ人に征服され、ローマの集落を経て、11世紀までムーア人に支配されました。ヨーロッパ最古級の大学は黄金時代に最盛期を迎え、歴史地区には当時の建物が多く残ります。
ラス・メドゥラス(No.25)
1世紀、ローマ帝国がスペイン北西部の金鉱で、水力を利用した技術で金の採掘を始めました。2世紀にわたる採掘の後、ローマ人が去り、荒廃した景観が残りました。その後の産業活動がなかったため、赤茶けた奇観が今日まで保存されています。
コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵群(No.28)
ポルトガルのコア渓谷と、スペインのシエガ・ベルデにある先史時代の岩絵群です。ドウロ川の支流のほとりにあり、旧石器時代の終わりから続いた人類の居住を記録しています。数百の岩面に、数千の動物の図像が刻まれています。
アタプエルカの考古遺跡群(No.37)
アタプエルカ山地の洞窟群には、約100万年前から西暦の初めまで、ヨーロッパ最古の人類の化石記録が豊富に残っています。初期人類の姿や暮らしに関する貴重な情報を与える、科学研究の上でも重要なデータの宝庫です。
マドリード州
首都マドリードを含む、スペイン中央部の州です。王室ゆかりの修道院・離宮・庭園や、大学都市があります。
マドリードのエル・エスコリアール修道院と王立施設(No.4)
16世紀末に、聖ラウレンティウスが殉教に使われた焼き網の形を平面に取り入れて建てられた修道院です。それまでの様式から離れた簡素で厳格な建築は、半世紀以上にわたってスペインの建築に大きな影響を与えました。
アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区(No.30)
16世紀初めにシスネロス枢機卿が創設した、世界初の計画的な大学都市です。スペインの宣教師がアメリカ大陸に持ち込んだ理想の共同体「神の都(キウィタス・デイ)」のモデルとなり、ヨーロッパなど各地の大学のモデルにもなりました。
アランフエスの文化的景観(No.38)
自然と人間の営み、曲がりくねった水路と幾何学的な景観設計、田園と都市、森の景観と優美な宮殿建築が織りなす、複雑な関係をもつ文化的景観です。300年にわたる王室の関心が、この景観をかたちづくりました。
プラド通りとブエン・レティーロ:芸術と科学の景観(No.49)
マドリードの都心にある文化的景観で、16世紀に造られた並木道プラド通りを起点に発展しました。この通りは、スペイン語圏の「アラメダ」の原型で、アポロの噴水、ネプチューンの噴水、象徴的なシベーレスの噴水などがあります。
カスティーリャ=ラ・マンチャ州
スペイン中央部、マドリードの南に広がる高原の州です。ローマ・西ゴート・イスラム・キリスト教の歴史が重なる古都や、中世の城壁都市があります。
歴史都市トレド(No.12)
ローマの自治都市、西ゴート王国の首都、コルドバ首長国の要塞、キリスト教王国の前線基地、そして16世紀にカール5世の宮廷が置かれた都市と、2,000年以上の歴史を重ねたトレドです。多くの建築が、その歴史を物語っています。
要塞都市クエンカ(No.22)
コルドバのカリフ国の中心で、ムーア人が防御に適した位置に築いた、保存状態の良い中世の城壁都市です。12世紀にカスティーリャに征服された後、王領の町と司教座の町となり、スペイン初のゴシック様式の大聖堂や、断崖に張り出す有名な「吊り家(カサス・コルガーダス)」があります。
アルマデンとイドリア-水銀鉱山の遺跡(No.45)
古代から水銀が採掘されてきたスペインのアルマデンと、1490年に水銀が初めて見つかったスロベニアのイドリアの、2つの鉱山の遺産です。スペイン側には、鉱山の歴史にまつわる建物や、レタマル城、宗教建築、伝統的な住居があります。
エストレマドゥーラ州
スペイン西部、ポルトガルと接する州です。ローマ時代の植民都市、中世の旧市街、巡礼地の修道院があります。
カセレスの旧市街(No.14)
ムーア人とキリスト教徒の戦いの歴史を、建築に映した町です。ローマ、イスラム、北方ゴシック、イタリア・ルネサンスの様式が混ざり合い、イスラム時代の約30の塔のうち、ブフアコの塔が最も有名です。
メリダの考古遺跡群(No.18)
紀元前25年に建設された植民市アウグスタ・エメリタは、ローマ属州ルシタニアの首都でした。グアディアナ川にかかる大きな橋、円形闘技場、劇場、広大な競技場などの古代都市の遺構が、良好な状態で残っています。
サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院(No.19)
4世紀にわたるスペインの宗教建築の宝庫です。1492年に起きた、カトリック両王によるレコンキスタの完了と、コロンブスのアメリカ大陸到達という、世界史上の二つの出来事を象徴します。有名な聖母像は、スペインとアメリカ大陸をつなぐ巡礼の中心となりました。
バレンシア州
スペイン東部、地中海に面した州です。中世の商取引の建築と、イスラム時代から続く椰子園があります。
バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダ(No.23)
1482〜1533年に建てられた、もともと絹の取引に使われた建物群(絹の取引所)で、常に商業の中心でした。後期ゴシック建築の傑作で、特に壮大な取引の間は、当時のバレンシアの商業の力と繁栄を物語ります。
エルチェの椰子園(No.34)
ナツメヤシの林が広がる景観で、10世紀末、イスラム都市エルチェが築かれたときに、精巧な灌漑システムとともに計画的に造られました。乾燥地帯の農業生産システムを示すオアシスです。
アンダルシア州
スペイン南部の州で、イスラム支配の歴史が色濃く残ります。コルドバ、グラナダ、セビーリャの3つの古都を中心に、世界遺産が7件あります。
コルドバの歴史地区(No.1)
8世紀のイスラム征服後に最盛期を迎え、約300のモスクと無数の宮殿・公共建築がコンスタンティノープルやダマスカス、バグダッドに匹敵する繁栄を誇ったコルドバです。13世紀、フェルナンド3世の時代に大モスク(メスキータ)が大聖堂に転用されました。
グラナダのアルハンブラ宮殿、ヘネラリーフェ離宮、アルバイシン地区(No.2)
隣り合う2つの丘に広がるグラナダの中世地区で、アルハンブラの城塞と宮殿、アルバイシン地区からなります。アルハンブラの東にあるヘネラリーフェは、13〜14世紀にこの地を治めた首長たちの田園の離宮で、壮麗な庭園が見どころです。
セビーリャの大聖堂、アルカサル、インディアス古文書館(No.15)
セビーリャの中心にある、大聖堂、アルカサル(王宮)、インディアス古文書館の3つで構成された記念碑的な複合体です。大聖堂とアルカサルは、1248年のレコンキスタから16世紀にかけて建てられ、ムーア様式の影響を強く受けています。
ドニャーナ国立公園(No.21)
アンダルシアのグアダルキビル川が大西洋に注ぐ河口の右岸を占める国立公園です。ラグーン、湿地、固定砂丘と移動砂丘、低木林など、多様な生息環境が特徴で、絶滅の危機にある5種の鳥類が生息します。ヨーロッパ最大級の湿地のひとつです。
ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群(No.39)
南スペインの小さな2つの町、ウベダとバエーサの都市形態は、9世紀のイスラム時代と13世紀のレコンキスタにさかのぼります。16世紀にルネサンスの考え方に沿った改造が行われ、重要な発展をとげました。
アンテケラの支石墓遺跡(No.46)
アンダルシアの中心にある、3つの巨石建造物(メンガ、ビエラの支石墓、エル・ロメラルのトロス)と、2つの自然の建造物(ラ・ペニャ・デ・ロス・エナモラードスの岩山、エル・トルカルの岩山の地形)からなります。新石器時代から青銅器時代にかけて築かれました。
メディナ・アサーラのカリフ都市(No.47)
10世紀半ばに、ウマイヤ朝が、コルドバのカリフ国の本拠地として築いた都市の遺跡です。数年間栄えた後、1009〜1010年の内戦で破壊され、その遺構は忘れられていました。
バレアレス諸島
地中海に浮かぶ、マヨルカ島、メノルカ島、イビサ島などからなる島々です。自然と先史時代の文化を伝える遺産があります。
イビサ島の生物多様性と文化(No.31)
海と沿岸の生態系の相互作用の優れた例です。地中海にのみ分布する固有種のポシドニア(海草)の密な群落が、豊かな海洋生物を支えています。イビサ島にはまた、長い歴史の証拠が多く残る、自然と文化の複合遺産です。
トラムンタナ山脈の文化的景観(No.44)
マヨルカ島の北西海岸に平行して走る、切り立った山脈の文化的景観です。資源に乏しい環境での、数千年にわたる農業が地形を変え、水の管理のための装置が複雑なネットワークをなしています。
メノルカ島のタライオティック文化先史遺跡群(No.50)
地中海西部のメノルカ島にある、農牧の景観の中に位置する考古遺跡群です。島の先史時代の共同体が残した、多様な集落跡と墓で、材料・形・場所に、それぞれの特色が表れています。
カナリア諸島
アフリカ大陸の北西沖、大西洋に浮かぶ島々です。火山地形と森林の自然遺産、先住民の文化にまつわる遺産、スペイン植民都市の姿を伝える町があります。
ガラホナイ国立公園(No.13)
カナリア諸島のラ・ゴメラ島の中央にある国立公園で、面積の約70%を照葉樹林(ラウリシルバ)が占めます。泉と多数の小川に恵まれた豊かな植生は、第三紀の植物相を思わせ、気候変動で南ヨーロッパではほぼ姿を消したものです。
サン・クリストバル・デ・ラ・ラグナ(No.32)
カナリア諸島のテネリフェ島にあり、無計画に発展した上の町と、哲学の原則に基づく最初の「理想の都市=領土」として計画された下の町の、2つの核をもちます。広い街路や広場に、16〜18世紀の教会や公共・民間の建物が並びます。
テイデ国立公園(No.42)
テネリフェ島にある、テイデ=ピコ・ビエホ成層火山を擁する国立公園です。標高3,718mはスペイン領の最高峰で、海底から7,500mそびえ、世界で3番目に高い火山体とされます。
リスコ・カイドとグラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観(No.48)
グラン・カナリア島の中央の広い山岳地帯にある、断崖、渓谷、火山地形からなり、豊かな生物多様性をもつ景観です。住居、穀物倉、貯水槽などの洞窟集落が多く、スペイン到来以前の先住民文化の存在を示しています。
複数の自治州・国にまたがる遺産
ここでは、スペイン国内の複数の自治州に点在する遺産や、ほかの国と共同で登録された遺産を紹介します。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道(No.20)
1993年に登録された巡礼路(カミノ・フランセス)の拡張として、2015年に、スペイン北部の4つの巡礼路(海岸の道、バスク州=ラ・リオハ州の内陸の道、リエバナの道、原始の道)が加わり、総延長は約1,500kmの巡礼路網になりました。
ピレネー山脈のペルデュ山(No.24)
フランスとスペインの国境にまたがる、ペルデュ山(3,352m)を中心とした山岳景観です。スペイン側には欧州最大級の深い峡谷、フランス側の急峻な北斜面には3つの大きな圏谷(カール)があります。伝統的な牧畜の暮らしも残る、自然と文化の複合遺産です。
イベリア半島の地中海沿岸の岩絵群(No.29)
イベリア半島の地中海沿岸にある、後期先史時代の岩絵遺跡群で、非常に大きなグループをなしています。人類の発展の重要な段階の暮らしが、様式も主題も独特な絵画で、鮮やかに描かれています。
カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林(No.41)
ブナが氷河期の終わりから数千年のうちに、ヨーロッパ全域へ広がった過程を示す、18か国にまたがる原生的なブナ林の資産群です。スペインでは、マドリード州のモンテホのブナ林などが構成資産です。
まとめ
スペインにある世界遺産一覧【2026年最新版】をご紹介しました。スペインのどの地域に多くの遺産があるのか、登録された世界遺産の歴史的な背景・概要を知り、旅をすることであなたの旅がより充実することを切に願っています。
スペインの世界遺産は、イスラム、キリスト教、古代ローマ、先史時代と、時代も文化も異なる遺産が重なり合っているのが魅力です。ガウディの建築からカナリア諸島の自然遺産まで、気になる世界遺産はあったでしょうか。思い立ったら、興味の湧く場所に足を運んでみてはいかがでしょうか。
世界遺産に興味を持たれた方は、世界遺産検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。
世界遺産検定公式HP
よくある質問

スペインの世界遺産はいくつありますか?
2026年10月時点で50件です。内訳は文化遺産44件、自然遺産4件(ガラホナイ国立公園、ドニャーナ国立公園、テイデ国立公園、ブナ原生林)、複合遺産2件(ピレネー山脈のペルデュ山、イビサ島の生物多様性と文化)です。複数の国にまたがる遺産も、関係する国それぞれの件数に含めて数えています。
スペインで最も早く登録された世界遺産は?
1984年に登録された、コルドバの歴史地区、グラナダのアルハンブラ宮殿・ヘネラリーフェ離宮・アルバイシン地区、ブルゴスの大聖堂、エル・エスコリアール修道院と王立施設、アントニ・ガウディの作品群の5件です。
世界遺産が最も多い地域はどこですか?
この記事の地域区分では、カスティーリャ・イ・レオン州とアンダルシア州が各7件で最多です。カスティーリャ・イ・レオン州にはブルゴスの大聖堂やセゴビアの水道橋、アンダルシア州にはコルドバ、グラナダ、セビーリャの3古都があります。
ほかの国と共同で登録されている遺産はありますか?
あります。フランスと共有するピレネー山脈のペルデュ山、ポルトガルと共有するコア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵群、スロベニアと共有するアルマデンとイドリア-水銀鉱山の遺跡のほか、ブナ原生林(18か国)などがあります。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの世界遺産は何がありますか?
巡礼の終着地の旧市街(1985年登録)と、巡礼路「カミノ・フランセスとスペイン北部の道」(1993年登録、2015年に範囲拡大)の2件があります。フランス国内の巡礼路は、別の世界遺産として登録されています。
島にある世界遺産はどこですか?
バレアレス諸島のイビサ島、マヨルカ島のトラムンタナ山脈、メノルカ島のタライオティック文化先史遺跡群と、カナリア諸島のガラホナイ国立公園、サン・クリストバル・デ・ラ・ラグナ、テイデ国立公園、リスコ・カイドとグラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観の7件です。






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