世界遺産検定1級では、直近の世界遺産委員会で登録されたばかりの遺産が出題されます。なかでも中国は、2021年の第44回から2026年の第48回まで、毎回の委員会で新規登録が続きました(2022年は委員会が開かれなかったため、5回の委員会で計6件)。この記事は、その中国の新規登録6件だけに絞った模擬問題30問です。全問に解説がついています。
泉州(2021年)・景邁山(2023年)・バダインジャラン砂漠(2024年)・北京中軸線(2024年)・西夏王陵群(2025年)・景徳鎮(2026年)を1件4問ずつ、最後に6件を横断する比較問題6問で仕上げます。数字と登録基準は、UNESCOの顕著な普遍的価値の声明と諮問機関の評価書で裏取りした、当サイトの各遺産の解説記事に基づいています。
直近の委員会で登録されたほかの国の遺産や、危機遺産の動向もあわせて確認したい方は、先に【世界遺産検定1級】近年(直近数年間)の新規登録遺産&動向予測テスト20問を解いておくと効果的です。この記事はその続編にあたり、中国の6件を深掘りします。

最初に確認:中国の新規登録遺産6件の早見表
問題に入る前に、6件の基本データを表で確認しておきましょう。遺産名は世界遺産検定の公式表記で、リンク先は各遺産のユネスコ世界遺産センターの公式ページ(英語)です。登録年の「第◯回」は世界遺産委員会の回次です。
| 登録年 | 遺産名(検定表記) | 世界遺産委員会 | 所在地 | 種別 | 登録基準 | 覚えるキーワード |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 泉州:宋・元時代の中国における世界の中心地 | 第44回(拡大会合・オンライン。福州から議事進行) | 福建省 | 文化 | (iv) | ザイトン・構成資産22件・2018年は情報照会 |
| 2023年 | 普洱(プーアル)の景邁山古茶林の文化的景観 | 第45回(拡大会合・サウジアラビアのリヤド) | 雲南省 | 文化(文化的景観) | (iii)(v) | 林下栽培・プーラン族とタイ族・5・3・9 |
| 2024年 | バダインジャラン砂漠:砂の塔と湖群 | 第46回(インドのニューデリー) | 内モンゴル自治区 | 自然 | (vii)(viii) | 相対高度460m・144の湖・鳴き砂 |
| 2024年 | 北京の中軸線:中国首都の理想的秩序を示す建造物群 | 第46回(インドのニューデリー) | 北京市 | 文化 | (iii)(iv) | 約7.8km・15の構成要素・『考工記』 |
| 2025年 | 西夏王陵群 | 第47回(フランスのパリ) | 寧夏回族自治区 | 文化 | (ii)(iii) | タングート・帝陵9基・7号陵 |
| 2026年 | 景徳鎮の手工芸磁器産業遺産群 | 第48回(韓国の釜山) | 江西省 | 文化 | (ii)(iii)(iv)(vi) | 二元配方・カオリン・青花とシノワズリ |
第1部:泉州(2021年登録)
10〜14世紀、アラビア語や西洋の文献で「ザイトン」と呼ばれた福建省の交易港です。2018年に一度差し戻され、名称・構成資産・登録基準を変えて再挑戦した経緯が最大の論点になります。
問1 泉州の登録基準
2021年に登録された「泉州:宋・元時代の中国における世界の中心地」の登録基準として、正しいものを選びなさい。
- 1.(ii)(iii)(iv)
- 2.(iv)のみ
- 3.(ii)(iii)(vi)
- 4.(iii)(iv)
正解!
不正解...
正解は2.(iv)のみです。
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問2 2018年の審議結果
泉州は2018年の第42回世界遺産委員会(バーレーンのマナーマ)で一度審議されました。このときの決議として、正しいものを選びなさい。
- 1.登録延期
- 2.不記載
- 3.情報照会
- 4.危機遺産リストへの記載
正解!
不正解...
正解は3.情報照会です。
2018年は情報照会(推薦を締約国に差し戻し、追加の情報を求める決議)でした。当時の英語名は Historic Monuments and Sites of Ancient Quanzhou (Zayton) で、構成資産は16件。2021年の再推薦で6件が加わり22件になりました。
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問3 登録された委員会
泉州の登録が決まった世界遺産委員会について、正しいものを選びなさい。
- 1.2021年の第44回(オンラインの拡大会合。中国の福州から議事進行)
- 2.2021年の第45回(中国の福州)
- 3.2020年の第44回(中国の福州)
- 4.2021年の第44回(サウジアラビアのリヤド)
正解!
不正解...
正解は1.2021年の第44回(オンラインの拡大会合。中国の福州から議事進行)です。
第44回は本来2020年に福州で開かれる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期され、2021年にオンラインの拡大会合として開かれました。「2021年なのに第44回」が狙われます。同じ会合で、日本の奄美大島・徳之島・沖縄島北部及び西表島と北海道・北東北の縄文遺跡群も登録されています。
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問4 宋・元時代の泉州
宋・元時代の泉州についての記述として、誤っているものを選びなさい。
- 1.アラビア語や西洋の文献では「ザイトン」と呼ばれた
- 2.マルコ・ポーロやイブン・バットゥータがその繁栄を伝えた
- 3.海上貿易を管理する役所「市舶司」は元代に初めて置かれた
- 4.構成資産22件には内陸の窯跡や製鉄遺跡も含まれる
正解!
不正解...
正解は3.海上貿易を管理する役所「市舶司」は元代に初めて置かれたです。
市舶司が泉州に置かれたのは北宋の1087年で、元代ではありません。マルコ・ポーロやイブン・バットゥータが「ザイトン」の繁栄を伝えたのは元代です。構成資産は古城の役所跡・寺院から、海沿いの埠頭、内陸の徳化窯址や安渓の製鉄遺跡まで広がっています。
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泉州の登録基準ごとの根拠やひっかけは【世界遺産検定1級対策】泉州の「顕著な普遍的価値」を徹底攻略で、行き方・見どころなどの現地情報は泉州(世界遺産)観光ガイド|22の構成資産・行き方・登録基準で詳しく解説しています。

第2部:普洱(プーアル)の景邁山古茶林の文化的景観(2023年登録)
雲南省の山地で、森の木陰で茶の木を育てる林下栽培が1000年以上続く文化的景観です。信仰が重要なのに基準(vi)を持たない点と、担い手の民族名がひっかけの定番です。
問5 景邁山の登録基準
茶祖信仰が文化的伝統の核心とされる「普洱(プーアル)の景邁山古茶林の文化的景観」の登録基準として、正しいものを選びなさい。
- 1.(iii)(v)(vi)
- 2.(v)(vi)
- 3.(iii)(v)
- 4.(ii)(iii)(v)
正解!
不正解...
正解は3.(iii)(v)です。
登録基準は(iii)と(v)の2つです。茶祖信仰は、林下栽培の伝統や「部族・行政・宗教」の三者統治を支える核心として(iii)の中で評価されており、(vi)は含まれません。(v)(vi)は、ICOMOSが比較に挙げたコロンビアのコーヒー農園の文化的景観の組み合わせです。
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問6 林下栽培の担い手
景邁山で林下栽培を1000年以上続けてきた人々の組み合わせとして、正しいものを選びなさい。
- 1.ラフ族とハニ族
- 2.ナシ族とタイ族
- 3.プーラン族とラフ族
- 4.プーラン族とタイ族
正解!
不正解...
正解は4.プーラン族とタイ族です。
担い手はプーラン(布朗)族とタイ(傣)族です。村9つのうち、プーラン族が5つ、タイ族が4つです。所在地が「瀾滄ラフ族自治県」であることからラフ族を、同じ雲南省の棚田からハニ族を選ばせるひっかけに注意しましょう。
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問7 構成の数
景邁山の世界遺産の構成として、正しいものを選びなさい。
- 1.古茶林9・分隔防護林3・伝統的な村落5
- 2.古茶林5・分隔防護林3・伝統的な村落9
- 3.古茶林3・分隔防護林5・伝統的な村落9
- 4.古茶林5・分隔防護林9・伝統的な村落3
正解!
不正解...
正解は2.古茶林5・分隔防護林3・伝統的な村落9です。
構成は古茶林5か所・分隔防護林3か所・伝統的な村落9か所の「5・3・9」です。分隔防護林は古茶林どうしの間に残された森で、強い風や害虫を防ぎ、村の境界にもなっています。資産面積は7167.89haです。
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問8 文化的景観の分類
UNESCOは景邁山を、文化的景観の3つの分類のうちどれにあたると説明しているか、正しいものを選びなさい。
- 1.意匠された景観
- 2.関連する景観
- 3.有機的に進化してきた景観
- 4.残存する産業景観
正解!
不正解...
正解は3.有機的に進化してきた景観です。
UNESCOは「有機的に進化してきた文化的景観」と説明しています。茶の栽培と村の暮らしが今も続いているため、その中の「継続する景観」の性格を持ちます。茶祖信仰が重要でも、信仰は今も続く土地利用と一体のものとして評価されているので、「関連する景観」とは区別します。
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景邁山(ジンマイ山)の登録基準ごとの根拠やひっかけは【世界遺産検定1級対策】景邁山古茶林の「顕著な普遍的価値」を徹底攻略で、行き方・見どころなどの現地情報は景邁山(ジンマイ)世界遺産ガイド|プーアル茶の古茶林・行き方で詳しく解説しています。

第3部:バダインジャラン砂漠:砂の塔と湖群(2024年登録)
内モンゴル自治区の超乾燥砂漠で、中国初の砂漠タイプの自然遺産です。数字(460m・144)と、同じ年・同じ基準で登録されたブラジルの遺産との区別がポイントです。
問9 種別と登録基準
「バダインジャラン砂漠:砂の塔と湖群」の遺産の種別と登録基準の組み合わせとして、正しいものを選びなさい。
- 1.自然遺産・(vii)(viii)
- 2.自然遺産・(vii)(viii)(ix)(x)
- 3.複合遺産・(iii)(vii)(viii)
- 4.自然遺産・(viii)(ix)
正解!
不正解...
正解は1.自然遺産・(vii)(viii)です。
自然遺産で、登録基準は(vii)(viii)の2つです。湖のほとりの寺院や遊牧民の暮らしがあっても、文化遺産の基準は持たないため複合遺産ではありません。同じ砂丘の遺産でも、ナミブ砂漠(ナミビア)は(vii)(viii)(ix)(x)の4基準です。
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問10 砂丘と湖の数字
バダインジャラン砂漠の特徴を示す数字の組み合わせとして、正しいものを選びなさい。
- 1.海抜460mの固定砂丘と144の砂丘間湖
- 2.相対高度460mの固定砂丘と144の砂丘間湖
- 3.相対高度460mの固定砂丘と72の砂丘間湖
- 4.相対高度1611mの固定砂丘と144の砂丘間湖
正解!
不正解...
正解は2.相対高度460mの固定砂丘と144の砂丘間湖です。
最も高い砂丘は相対高度460m(ふもとからの高さ)で、固定された砂丘として世界一の高さです。海抜ではない点に注意しましょう(中国の報道では、最高峰の海抜は約1611m)。砂丘の間には144の湖があり、砂丘間湖の集中度は地球上で最も高いとUNESCOは評価しています。
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問11 湖の色が違う理由
UNESCOが基準(vii)の根拠の一つに挙げた、144の湖が見せる多彩な色。その色の違いの原因として、正しいものを選びなさい。
- 1.鉱物の溶け込み方と水深の違い
- 2.藻の大量発生と気温の違い
- 3.火山性ガスと地下水の温度の違い
- 4.塩分の濃さと微生物の群集の違い
正解!
不正解...
正解は4.塩分の濃さと微生物の群集の違いです。
湖の色の違いは、塩分の濃さと微生物の群集の違いによるものです。基準(vii)では、このほか固定された巨大砂丘の雄大さや、乾いた砂が音を立てる鳴き砂の「音の景観(サウンドスケープ)」まで美的価値の根拠に挙げられています。
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問12 同じ年・同じ基準の遺産
2024年の同じ第46回世界遺産委員会で、バダインジャラン砂漠と同じ登録基準(vii)(viii)で登録された「砂丘と湖」が特徴の自然遺産を選びなさい。
- 1.ナミブ砂漠
- 2.ルート砂漠
- 3.レンソイス・マラニャンセス国立公園
- 4.ウルク・バニ・マアリド
正解!
不正解...
正解は3.レンソイス・マラニャンセス国立公園です。
ブラジルのレンソイス・マラニャンセス国立公園です。バダインジャラン=内陸の超乾燥砂漠・固定砂丘、レンソイス=ブラジルの海岸近くの砂丘と雨水がたまる湖、と国と立地で区別します。ナミブ砂漠は2013年・(vii)(viii)(ix)(x)、ルート砂漠(イラン)は2016年・(vii)(viii)、ウルク・バニ・マアリド(サウジアラビア)は2023年・(vii)(ix)です。
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バダインジャラン砂漠の登録基準ごとの根拠やひっかけは【世界遺産検定1級対策】バダインジャラン砂漠の「顕著な普遍的価値」を徹底攻略で、行き方・見どころなどの現地情報はバダインジャラン砂漠(世界遺産)行き方・460m砂丘・144の湖で詳しく解説しています。

第4部:北京の中軸線(2024年登録)
北端の鐘鼓楼から南端の永定門まで、北京の旧市街を南北に貫く都市の軸線です。軸線上の故宮や、軸線の東に並ぶ天壇がすでに別の世界遺産であるため、「どの遺産の、どの基準か」の取り違えが狙われます。
問13 北京中軸線の登録基準
「北京の中軸線:中国首都の理想的秩序を示す建造物群」の登録基準として、正しいものを選びなさい。
- 1.(iii)(iv)
- 2.(i)(iii)(iv)
- 3.(iii)(iv)(vi)
- 4.(ii)(iii)(iv)
正解!
不正解...
正解は1.(iii)(iv)です。
登録基準は(iii)(iv)の2つです。推薦時は(iii)(iv)(vi)でしたが、ICOMOSは(vi)は証明されていないと評価しました。軸線上にある北京と瀋陽の故宮は(i)(ii)(iii)(iv)、天壇は(i)(ii)(iii)と、別の遺産として別の基準を持っています。
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問14 左祖右社の東西
古代の書物『考工記』の「左祖右社」の原則に沿った、北京中軸線の東西の配置として、正しいものを選びなさい。
- 1.東に太廟・西に社稷壇
- 2.東に社稷壇・西に太廟
- 3.東に先農壇・西に天壇
- 4.東に天壇・西に太廟
正解!
不正解...
正解は1.東に太廟・西に社稷壇です。
「左」「右」は南を向いた皇帝から見た方向なので、地図上では東=太廟(祖先を祀る廟)、西=社稷壇(土地と穀物の神を祀る壇)になります。外城では、東に天壇・西に先農壇が軸線をはさんで対称に並びます。
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問15 全長と構成要素の数
北京中軸線の全長と構成要素の数の組み合わせとして、正しいものを選びなさい。
- 1.約3.75km・11
- 2.約7.8km・11
- 3.約7.8km・15
- 4.約15km・7
正解!
不正解...
正解は3.約7.8km・15です。
全長は約7.8km、構成要素は15(軸線上の11と、軸線の東西に対称に置かれた太廟・社稷壇・天壇・先農壇の4)です。約3.75kmは、元の大都の段階の軸線の長さです。資産面積は589ha、緩衝地帯は4542haです。
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問16 北京中軸線の説明
北京中軸線についての記述として、誤っているものを選びなさい。
- 1.軸線の起源は、クビライが1267年に建設を始めた元の大都にある
- 2.故宮の世界遺産の範囲を拡大するかたちで登録された
- 3.人民大会堂などを含む天安門広場と建築群(20世紀の建築を含む)も構成要素である
- 4.構成要素の万寧橋は、京杭大運河の構成資産の一部でもある
正解!
不正解...
正解は2.故宮の世界遺産の範囲を拡大するかたちで登録されたです。
北京中軸線は2024年の新規登録で、故宮の範囲拡大ではありません。北京と瀋陽の故宮(1987年登録、2004年に瀋陽の皇宮を追加)と天壇(1998年登録)は、それぞれの世界遺産として存続したまま、北京中軸線の構成要素としても重複しています。
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北京中軸線の登録基準ごとの根拠やひっかけは【世界遺産検定1級対策】北京中軸線の「顕著な普遍的価値」を徹底攻略で、行き方・見どころなどの現地情報は北京中軸線(世界遺産)観光ガイド|故宮・天安門の予約と行き方で詳しく解説しています。

第5部:西夏王陵群(2025年登録)
寧夏回族自治区の賀蘭山の東麓に広がる、西夏王朝の皇帝と皇族の墓域です。「皇帝の陵墓だから(i)(iv)もあるはず」という思い込みが最大の落とし穴です。
問17 西夏王陵群の登録基準
2025年に登録された「西夏王陵群」の登録基準として、正しいものを選びなさい。
- 1.(i)(ii)(iii)(iv)(vi)
- 2.(i)(iii)(iv)(vi)
- 3.(ii)(iii)(iv)
- 4.(ii)(iii)
正解!
不正解...
正解は4.(ii)(iii)です。
登録基準は(ii)(iii)の2つだけです。(ii)は唐・宋の陵墓制度とタングートの信仰・葬制の融合、(iii)は記録の多くが失われた西夏文明の独自性の証拠です。(i)(ii)(iii)(iv)(vi)は明・清時代の皇帝陵墓、(i)(iii)(iv)(vi)は始皇帝陵と兵馬俑坑の基準です。
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問18 西夏という王朝
西夏王陵群に眠る西夏王朝についての記述として、正しいものを選びなさい。
- 1.タングートが1038年に建国し、1227年にモンゴルに滅ぼされた
- 2.契丹が1038年に建国し、1227年に金に滅ぼされた
- 3.タングートが1227年に建国し、1368年に明に滅ぼされた
- 4.女真が1038年に建国し、1279年にモンゴルに滅ぼされた
正解!
不正解...
正解は1.タングートが1038年に建国し、1227年にモンゴルに滅ぼされたです。
西夏は遊牧民のタングート(党項)が1038年に建てた王朝で、1227年にチンギス・カン率いるモンゴル軍に滅ぼされました。皇帝の系譜は200年近く続き、自らを「大白高国」と称しました。滅ぼした側のモンゴルが築いた都が、元の上都遺跡(2012年登録)です。
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問19 被葬者が確定している帝陵
9基の帝陵のうち、考古学の研究で被葬者が確定している帝陵と被葬者の組み合わせとして、正しいものを選びなさい。
- 1.3号陵・李元昊(景宗)
- 2.7号陵・仁宗(仁孝)
- 3.1号陵・李元昊(景宗)
- 4.7号陵・李元昊(景宗)
正解!
不正解...
正解は2.7号陵・仁宗(仁孝)です。
7号陵の碑亭から出土した石碑の断片の碑文から、西夏の第5代皇帝・仁宗(仁孝)の陵と判明しました。被葬者が確定しているのは現在も7号陵だけです。3号陵は建国者の李元昊(景宗)の陵と考えられていますが、考古学的には確定していません。
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問20 構成要素
西夏王陵群の構成要素として、正しいものを選びなさい。
- 1.帝陵7基・陪葬墓271基・北端の建築遺跡1か所・洪水対策施設32か所
- 2.帝陵9基・陪葬墓32基・北端の建築遺跡1か所・洪水対策施設271か所
- 3.帝陵9基・陪葬墓271基・北端の建築遺跡1か所・洪水対策施設32か所
- 4.帝陵13基・陪葬墓271基・洪水対策施設9か所
正解!
不正解...
正解は3.帝陵9基・陪葬墓271基・北端の建築遺跡1か所・洪水対策施設32か所です。
構成要素は帝陵9基・陪葬墓271基・北端の建築遺跡1か所・洪水対策施設32か所です。山から流れ出る水から陵墓を守る施設まで含めた墓域全体が登録対象です。資産面積3899haに対し、緩衝地帯は40569.5haと約10倍あります。
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西夏王陵群の登録基準ごとの根拠やひっかけは【世界遺産検定1級対策】西夏王陵の「顕著な普遍的価値」を徹底攻略で、行き方・見どころなどの現地情報は西夏王陵(世界遺産)観光ガイド|見どころ・行き方・登録基準で詳しく解説しています。

第6部:景徳鎮の手工芸磁器産業遺産群(2026年登録)
2026年に登録された、中国でいちばん新しい世界遺産です。4つの登録基準それぞれに結びつくキーワード(二元配方・カオリン・青花・シノワズリ)を正確に対応させられるかが問われます。
問21 景徳鎮の登録基準
2026年に登録された「景徳鎮の手工芸磁器産業遺産群」の登録基準として、正しいものを選びなさい。
- 1.(i)(ii)(iv)(vi)
- 2.(ii)(iii)(iv)(vi)
- 3.(ii)(iii)(iv)(v)
- 4.(ii)(iv)(vi)
正解!
不正解...
正解は2.(ii)(iii)(iv)(vi)です。
登録基準は(ii)(iii)(iv)(vi)の4つです。青花の芸術性が評価されていても(i)は含まれず、鉱山や薪の森が範囲に入っていても(v)は含まれません。同じ江西省の廬山国立公園と、登録基準の組み合わせがまったく同じです。
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問22 二元配方
景徳鎮で13〜15世紀に生まれた革新「二元配方」の説明として、正しいものを選びなさい。
- 1.磁石にカオリンを混ぜる製法
- 2.カオリンに骨灰を混ぜる製法
- 3.長石と石英を混ぜる製法
- 4.コバルトと鉄を混ぜる製法
正解!
不正解...
正解は1.磁石にカオリンを混ぜる製法です。
二元配方は、磁器の原料の磁石(じせき)にカオリン(高嶺土)を混ぜる製法です。登録基準(ii)では18世紀ヨーロッパの高温焼成の硬質磁器への影響(交流)として、(iv)では13〜19世紀の技術革新の一つとして、両方の基準の根拠に登場します。
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問23 カオリンの語源
国際的な鉱物名「カオリン(kaolin)」の語源となったとされる地名をもつ構成資産を選びなさい。
- 1.湖田古窯跡
- 2.長嶺の磁石鉱山跡
- 3.蛟潭の窯用燃料産地
- 4.高嶺の磁土鉱山跡
正解!
不正解...
正解は4.高嶺の磁土鉱山跡です。
カオリンは、構成資産の高嶺(Gaoling)の地名に由来するとされています。「景徳鎮」の地名のほうは、北宋の景徳年間(1004〜1007年)の年号に由来すると伝えられます。構成資産は5件で、日本語名は当サイトの仮訳です。
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問24 登録基準(vi)の根拠
景徳鎮の登録基準(vi)で評価された内容として、正しいものを選びなさい。
- 1.青花磁器と17〜18世紀ヨーロッパの装飾芸術(シノワズリ)との直接の結びつき
- 2.10〜13世紀に中国の北と南の技術が融合して生まれた青白磁
- 3.原料と燃料の産地を水運で結んだ産業の構造
- 4.大規模な分業と規格化された生産のしくみ
正解!
不正解...
正解は1.青花磁器と17〜18世紀ヨーロッパの装飾芸術(シノワズリ)との直接の結びつきです。
基準(vi)は、景徳鎮の青花磁器が17〜18世紀のヨーロッパの装飾芸術と直接結びつき、シノワズリ(中国趣味)の中核要素の一つとなったことを評価しています。青白磁の技術融合は(ii)、分業と規格化は(iv)の根拠です。
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景徳鎮の登録基準ごとの根拠やひっかけは【世界遺産検定1級対策】景徳鎮の「顕著な普遍的価値」を徹底攻略で、行き方・見どころなどの現地情報は景徳鎮(世界遺産)観光ガイド|行き方・見どころ・登録基準で詳しく解説しています。

第7部:6件を横断する比較問題
最後は、6件を並べて比べる問題です。登録年・委員会の開催地・登録基準の組み合わせは、1件ずつ覚えるより横に並べたほうが記憶に残ります。
問25 委員会の開催地
登録年・遺産・世界遺産委員会の開催地の組み合わせとして、誤っているものを選びなさい。
- 1.2023年・景邁山・サウジアラビアのリヤド
- 2.2024年・北京中軸線・インドのニューデリー
- 3.2025年・西夏王陵群・韓国の釜山
- 4.2026年・景徳鎮・韓国の釜山
正解!
不正解...
正解は3.2025年・西夏王陵群・韓国の釜山です。
西夏王陵群が登録された2025年の第47回委員会は、フランスのパリで開かれました。韓国の釜山は2026年の第48回で、景徳鎮と日本の飛鳥・藤原の宮都が登録された会議です。2021年の第44回は福州から議事を進めたオンラインの拡大会合です。
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問26 2024年に登録された2件
2024年の第46回世界遺産委員会で、中国から新たに登録された2件の組み合わせとして、正しいものを選びなさい。
- 1.北京中軸線と西夏王陵群
- 2.北京中軸線とバダインジャラン砂漠
- 3.バダインジャラン砂漠と景邁山
- 4.泉州と北京中軸線
正解!
不正解...
正解は2.北京中軸線とバダインジャラン砂漠です。
第46回(インドのニューデリー)では、自然遺産のバダインジャラン砂漠と文化遺産の北京中軸線が登録されました。同じ回で、中国の黄海・渤海湾沿岸の渡り鳥保護区は第2段階として範囲が拡大されています。日本からは佐渡島の金山が登録された回です。
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問27 真正性の項目がない遺産
6件のうち、UNESCOの顕著な普遍的価値の声明に「真正性(オーセンティシティ)」の項目がないものを選びなさい。
- 1.泉州
- 2.景邁山
- 3.西夏王陵群
- 4.バダインジャラン砂漠
正解!
不正解...
正解は4.バダインジャラン砂漠です。
作業指針では、真正性の条件は文化遺産の登録基準(i)〜(vi)に適用され、完全性はすべての遺産に求められます。6件のうち自然遺産はバダインジャラン砂漠だけなので、真正性の項目がありません。かわりに、湖を養う地下水の管理などが完全性の説明に入っています。
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問28 基準(iv)だけで登録
登録基準(iv)だけで登録された遺産の組み合わせとして、正しいものを選びなさい。
- 1.泉州と佐渡島の金山
- 2.泉州と北京中軸線
- 3.景徳鎮と佐渡島の金山
- 4.西夏王陵群と泉州
正解!
不正解...
正解は1.泉州と佐渡島の金山です。
泉州(2021年)と日本の佐渡島の金山(2024年)は、どちらも基準(iv)のみで登録されました。北京中軸線は(iii)(iv)、景徳鎮は(ii)(iii)(iv)(vi)、西夏王陵群は(ii)(iii)です。
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問29 絹・茶・磁器
中国の報道では、景徳鎮の登録で中国の代表的な輸出品「絹・茶・磁器」のすべてが世界遺産にそろったと紹介されました。このうち「茶」にあたる遺産を選びなさい。
- 1.杭州にある西湖の文化的景観
- 2.武夷山
- 3.紅河ハニ族棚田群の文化的景観
- 4.普洱(プーアル)の景邁山古茶林の文化的景観
正解!
不正解...
正解は4.普洱(プーアル)の景邁山古茶林の文化的景観です。
茶は2023年登録の景邁山の古茶林、絹はシルク・ロード:長安-天山回廊の交易網(2014年)、磁器は景徳鎮(2026年)です。杭州にある西湖の文化的景観(龍井茶)や武夷山(岩茶)も茶の産地として知られますが、報道が「茶」の遺産として挙げたのは景邁山です。
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問30 登録基準の組み合わせが同じペア
登録基準の組み合わせが同じではないペアを選びなさい。
- 1.景邁山と紅河ハニ族棚田群の文化的景観
- 2.西夏王陵群と土司の遺跡群
- 3.景徳鎮と廬山国立公園
- 4.バダインジャラン砂漠と新疆天山
正解!
不正解...
正解は4.バダインジャラン砂漠と新疆天山です。
新疆天山は(vii)(ix)で、バダインジャラン砂漠の(vii)(viii)とは違います(同じ(vii)(viii)は中国の丹霞やブラジルのレンソイス・マラニャンセス国立公園)。景邁山と紅河ハニ族棚田群はどちらも(iii)(v)、西夏王陵群と土司の遺跡群は(ii)(iii)、景徳鎮と廬山国立公園は(ii)(iii)(iv)(vi)です。
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6件をはじめ、中国の世界遺産61件を省ごとに整理した一覧は中国の世界遺産一覧にまとめています。登録基準の番号と内容の対応に不安がある方は、登録基準の練習問題20問で確認しておきましょう。
間違えやすいポイントを復習
30問のうち、ひっかけになりやすいポイントを表にまとめます。
| テーマ | 覚えるポイント |
|---|---|
| 推薦時から外れた基準 | 泉州=推薦(ii)(iii)(iv)→登録(iv)のみ。北京中軸線=推薦(iii)(iv)(vi)→登録(iii)(iv)。 |
| 信仰があっても(vi)なし | 景邁山は茶祖信仰が核心でも(iii)(v)。信仰は(iii)の中で評価。 |
| 覚える数字 | 泉州22件(2018年は16件)、景邁山5・3・9、バダインジャラン460m・144、北京中軸線7.8km・15、西夏王陵群9・271・1・32、景徳鎮5件。 |
| 委員会の回と開催地 | 第44回2021年(福州からオンライン)→第45回2023年(リヤド)→第46回2024年(ニューデリー)→第47回2025年(パリ)→第48回2026年(釜山)。 |
| 同じ基準の遺産 | 景邁山=紅河ハニ族棚田群(iii)(v)、バダインジャラン=レンソイス・マラニャンセス国立公園・中国の丹霞(vii)(viii)、西夏王陵群=土司の遺跡群(ii)(iii)、景徳鎮=廬山国立公園(ii)(iii)(iv)(vi)、泉州=佐渡島の金山(iv)。 |
まとめ
中国の新規登録6件は、「推薦時から外れた基準」「信仰があっても(vi)なし」「数字」「委員会の開催地」の4つで差がつきます。泉州は(iv)のみ、北京中軸線は(vi)が不採用、景邁山は茶祖信仰があっても(iii)(v)、西夏王陵群は皇帝陵でも(ii)(iii)。この「なぜその基準なのか」を説明できれば、選択肢の入れ替えに惑わされません。
間違えた問題は、早見表と各遺産の試験対策記事に戻って確認してください。登録から日が浅い遺産は、知っている人だけが確実に得点できる分野です。本番までに、6件の登録年と登録基準を表を見ずに言えるようにしておきましょう。
中国の6件を押さえたら、文化遺産全体の力試しとして世界の文化遺産特化・模擬問題50問に進むのがおすすめです。
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よくある質問

この30問は、どの遺産が対象ですか?
2021〜2026年に中国から新規登録された6件(泉州・景邁山・バダインジャラン砂漠・北京中軸線・西夏王陵群・景徳鎮)です。既存の遺産の範囲拡大(2024年の黄海・渤海湾沿岸の渡り鳥保護区の第2段階など)は対象にしていません。
中国の世界遺産は、全部で何件ですか?
中国の報道によると、2026年の景徳鎮の登録で61件目になりました。2021年の泉州は56件目、2023年の景邁山は57件目、2024年のバダインジャラン砂漠と北京中軸線は58・59件目、2025年の西夏王陵群は60件目です。件数は新しい登録で変わります。
北京中軸線と故宮は、同じ世界遺産ですか?
別の世界遺産です。故宮は「北京と瀋陽の故宮」(1987年登録)、天壇は「天壇:北京の皇帝祭壇」(1998年登録)として、それぞれ存続したまま、2024年に登録された北京中軸線の構成要素としても重複しています。登録基準も、故宮は(i)(ii)(iii)(iv)、天壇は(i)(ii)(iii)、北京中軸線は(iii)(iv)と異なります。
新しく登録された遺産は、どこまで覚えればよいですか?
登録年と委員会の回・開催地、登録基準、構成資産などの数字に加えて、推薦時の基準との違い(泉州・北京中軸線)のように「なぜその基準なのか」まで押さえておくと、ひっかけの選択肢に強くなります。出題範囲は、世界遺産検定の公式サイトで確認してください。
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泉州の登録基準は(iv)のみです。2021年の推薦は(ii)(iii)(iv)でしたが、ICOMOSは(ii)(iii)は証明されていないと評価し、委員会も(iv)だけで登録しました。(ii)(iii)(vi)は、2018年の委員会が「満たす可能性が高い」とした組み合わせです。