世界遺産検定1級を目指す学習者に向けて、複数の世界遺産にまたがる「風水」を整理した大辞典エントリーです。個々の遺産の解説ではなく、風水の考え方で立地や設計が説明されている世界遺産を横断して一覧できる索引として使えます。
目次
基礎データ
| 見出し語 | 風水(風水思想・プンス) |
|---|---|
| 定義 | 地形・山や水の配置などから、建物や墓の場所の良し悪しを判断する、中国で生まれた伝統的な考え方(一般的な説明)。 |
| 韓国での呼び名 | 風水(プンス)。「プンス」は風水の韓国語読みで、UNESCOは韓国の遺産で「pungsu (fengshui in Chinese)」と注記しています。 |
| 世界遺産での現れ方 | 皇帝陵・王陵の立地選び/宮殿・宗廟の配置/集合住宅(土楼)と周囲の景観の調和 |
| 関連する世界遺産 | 辞典内は7件(中国4件・韓国3件)。このほか、UNESCOの記述に風水が出るベトナム・北朝鮮の2件を下に挙げます(大辞典には未収録)。 |
「風水」と「プンス」は別のもの?
「プンス」は「風水」の韓国語読みで、源流は同じ考え方です。UNESCOは、中国などの遺産では「Fengshui/feng shui」(geomancy)、韓国の遺産では「pungsu」と書いています。朝鮮半島では、地形の足りない部分を人工の造成で補う考え方など、独自の発展も見られます(宗廟がその例です)。どちらの遺産でも、自然の地形を生かした立地選びが評価の背景にあります。
関連する世界遺産の一覧
中国
- 明・清王朝の皇帝陵墓群(2000年、拡張2003・2004年):UNESCOは、立地が風水の原則に従って慎重に選ばれたこと、配置と設計が「人と自然の調和」と身分秩序の両方を反映していることを挙げています(基準(i)〜(iv)(vi))。
- 承徳の避暑山荘と外八廟(1994年):自然で調和のとれた配置が、中国の伝統的な風水の文化の成功例であるとUNESCOは述べています(基準(ii)(iv))。
- 上都遺跡(2012年):クビライ・カンの都の跡。UNESCOは、近くの山や川との関係で、伝統的な中国の風水に従って計画されたと述べています(基準(ii)(iii)(iv)(vi))。
- 福建土楼(2008年):大きな集合住宅と周囲の景観の関係が、風水の原則と景観の美・調和を体現しているとされます(基準(iii)(iv)(v))。
韓国
- 朝鮮王朝の王陵群(2009年):プンスの原則に形づくられた自然環境が、祖先祭祀の伝統を支える場になっています(基準(iii)(iv)(vi))。
- 宗廟(1995年):谷間と低い丘に囲まれ、自然の要素の均衡を補う人工の造成も、伝統的なプンスの原則に沿っています(基準(iv))。
- 昌徳宮(1997年):山麓にあり、プンスの原則に従って地形を抱くように設計されました。南に宮殿、北に後苑(秘苑)を置きます。基準(iii)は、プンスと儒教の原則を体現する点が根拠です(基準(ii)(iii)(iv))。
ベトナム・北朝鮮(大辞典には未収録)
- ホー王朝の城塞(ベトナム、2011年、基準(ii)(iv)):風水の原則に従って造られ、トゥオンソン山とドンソン山を結ぶ軸線上に置かれたとUNESCOは述べています。
- 開城の歴史的建造物群と遺跡群(北朝鮮、2013年、基準(ii)(iii)):UNESCOは、かつての都・開城の「風水的な配置」を挙げています。
よくある質問

風水が評価された世界遺産は、どんな点が見どころですか?
共通するのは、建物だけでなく立地や周囲の自然を含めて評価されている点です。皇帝陵や上都遺跡(中国)、王陵・宗廟・昌徳宮(韓国)は、山や水の配置を読んで場所が選ばれ、福建土楼は山あいの景観との調和が評価されています。
風水は世界遺産ではどう扱われていますか?
UNESCOは、風水(プンス)を伝統的な立地・設計の考え方として、遺産の価値を説明する文脈で取り上げています。たとえば明・清王朝の皇帝陵墓群では、風水の原則による「人と自然の調和」の思想が評価の理由に挙げられています。


