世界遺産検定1級を目指す学習者に向けて、複数の世界遺産にまたがる「古墳(墳墓)」を整理した大辞典エントリーです。個々の遺産の解説ではなく、古墳・王陵・巨石墓を含む世界遺産を横断して一覧できる索引として使えます(東アジアの墓を扱います)。
基礎データ
| 見出し語 | 古墳(墳墓) |
|---|---|
| 定義 | 土や石を盛り上げた墳丘をもつ墓(墳丘墓)。日本では、3世紀後半から7世紀ごろに造られた墳丘墓を古墳と呼びます(一般的な説明)。UNESCOは、百舌鳥・古市古墳群を3〜6世紀の古墳時代を代表するものと説明しています。 |
| 日本の古墳の特徴 | 形は前方後円墳(鍵穴形)・帆立貝形・方墳・円墳。UNESCOは、日本に約16万基ある古墳から選ばれたものと説明しています。 |
| 世界遺産での現れ方 | 古墳(日本・韓国・中国の高句麗)/先史時代の巨石墓=支石墓(韓国)/王陵・皇帝陵(中国・韓国)/都の遺跡に含まれる墓 |
| 関連する世界遺産 | 13件(日本4件・韓国5件・中国4件)。下の一覧のリンクから、各遺産の大辞典エントリーへ移動できます。このほか北朝鮮の高句麗古墳群を下に挙げます(大辞典には未収録)。 |
混同しやすい点:古墳・支石墓・陵(王陵・皇帝陵)
古墳は土を盛った墳丘をもつ墓で、日本の百舌鳥・古市古墳群や、韓国の伽耶古墳群・慶州の古墳公園などが当たります。支石墓(ドルメン)は、巨大な石の板で造られた先史時代の墓で、高敞・和順・江華の遺産が代表です。陵は王や皇帝の墓です。明・清の皇帝陵と朝鮮王陵は、風水で立地が選ばれた点も評価されています(風水参照)。一方、秦の始皇帝陵は、兵馬俑などの陪葬坑で知られる、中国史で最大の皇帝陵です。祭祀との結びつきは、祖先祭祀のエントリーを参照してください。
関連する世界遺産の一覧
日本
- 百舌鳥・古市古墳群(2019年):大阪平野を見下ろす台地にある古墳群。3〜6世紀の古墳時代の、権力者の墓を代表します。形は鍵穴形・帆立貝形・方形・円形などがあり、墳丘は葺石と埴輪で飾られました。日本最大の前方後円墳は仁徳天皇陵古墳(大仙古墳)です(一般的な説明)。
- 飛鳥・藤原の宮都(2026年):古代の都の構成資産に、宮殿・役所や寺院とともに、7世紀の古墳(石舞台古墳、壁画で知られる高松塚古墳・キトラ古墳など)が含まれます。
- 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(2017年):構成資産に、古墳群(新原・奴山古墳群)が含まれます。
- 琉球王国のグスク及び関連遺産群(2000年):構成資産に、琉球王の墓である玉陵(たまうどぅん)が含まれます。
韓国
- 伽耶古墳群(2023年):1〜6世紀に栄えた伽耶連盟の古墳群(7か所)。独自の政治体制を示します。
- 百済歴史地域(2015年):公州の宋山里古墳群(武寧王陵を含む)や、扶余の陵山里古墳群(王墓)を含みます。
- 慶州歴史地域(2000年):新羅の都にある古墳公園地帯。3つの王墓群があり、白樺の皮に描かれた天馬の絵が出土した墓もあります。
- 高敞・和順・江華の支石墓跡(2000年):紀元前1千年紀の先史時代の墓地で、巨大な石の板で造られた支石墓(ドルメン)が数百基あります。UNESCOは、これほど集中している場所は他にないと述べています。
- 朝鮮王朝の王陵群(2009年):1408年から1966年にかけて造られた王陵。祖先を敬い、王権を示し、風水(プンス)の考え方で立地が選ばれました。
中国
- 高句麗前期の都城と古墳群(2004年):40基の墓(皇帝の墓14基、貴族の墓26基)を含みます。石や土の墳丘を支える、工夫された天井をもつ墓があります。
- 秦の始皇帝陵と兵馬俑坑(1987年):紀元前3世紀に中国を統一した始皇帝の陵。約200の陪葬坑があり、実物大の兵馬俑が出土しました。中国史で最大の皇帝陵とされます。
- 明・清王朝の皇帝陵墓群(2000年、拡張2003・2004年):明・清の皇帝の墓。風水の原則で選ばれた自然環境に、建築群が調和して造られました。
- 殷墟(2006年):殷(商)後期の都の遺跡。遺跡の中に、王墓(王陵区)が含まれます。
北朝鮮(大辞典には未収録)
- 高句麗古墳群(2004年):高句麗の後期の墓約30基。中国側の「高句麗前期の都城と古墳群」と同じ年に登録された、対になる遺産です。
よくある質問

古墳と支石墓(ドルメン)は、どう違いますか?
古墳は土を盛り上げた墳丘をもつ墓で、日本では3世紀後半〜7世紀ごろに造られました。支石墓は、巨大な石の板を組んで造った先史時代の墓で、韓国の高敞・和順・江華が世界遺産に登録されています。時代と造り方が違います。
日本の古墳と、中国・韓国の王陵・皇帝陵は何が違いますか?
UNESCOの記述では、百舌鳥・古市古墳群は古墳時代(3〜6世紀)の権力者の墓を代表します。明・清の皇帝陵と朝鮮王陵は、風水の考え方で立地が選ばれ、祖先祭祀と結びついた点も評価されています。秦の始皇帝陵は、兵馬俑などの陪葬坑で知られます。


