世界遺産検定1級を目指す学習者に向けて、複数の世界遺産にまたがる「道教」を整理した大辞典エントリーです。個々の遺産の解説ではなく、道教の発祥地・建築群・信仰の場を含む世界遺産を横断して一覧できる索引として使えます(辞典内は中国の遺産です)。
基礎データ
| 見出し語 | 道教(道教の聖地と建築) |
|---|---|
| 定義 | 中国で生まれた宗教。老子・荘子の道家思想や民間信仰を源流とし、張陵が始めた五斗米道(天師道)が教団としての道教の始まりとされます(一般的な説明)。UNESCOは、青城山で142年に張陵が道教の教えを創始したと述べています。 |
| 世界遺産での現れ方 | 発祥の地(青城山)/皇帝が整えた大規模な建築群(武当山)/儒教・仏教との融合(大足石刻)/聖山・名山にある道教の要素(泰山・廬山・武夷山) |
| 関連する世界遺産 | 辞典内は7件(いずれも中国。うち1件は対比)。下の一覧のリンクから、各遺産の大辞典エントリーへ移動できます。 |
混同しやすい点:道教の発祥地・建築群・三教の融合
役割で区別します。青城山は、道教の発祥地とされる山で、古い寺院群が道教の教えを伝えてきました。武当山は、道教の大規模な建築群です。大足石刻は、仏教・道教・儒教の調和した統合を示す石の彫刻群です。泰山・廬山・武夷山は、道教以外の要素が主ですが、道教の絵画・経典の蔵・寺院が含まれる遺産です。儒教との関わりは儒教(朱子学・性理学)、聖山としての見方は霊山(山岳信仰)のエントリーも参照してください。
関連する世界遺産の一覧
発祥の地
- 青城山と都江堰の灌漑施設(2000年):道教の発祥地。142年に哲学者の張陵が、この山で中国の道教の教えを創始したとされます。17世紀に再び、道教の知的・精神的な中心になりました(水利の面は水利と棚田(水の利用と農耕の景観)を参照)。
大規模な建築群
- 武当山の古建築群(1994年):唐の初めから道教の中心で、7世紀にさかのぼる道教の建物があります。14〜17世紀の明代に、組織的な建築群として整えられました。
三教の融合
- 大足石刻(1999年):9〜13世紀に彫られた石刻群(最大の北山だけで1万点を超える彫刻)。UNESCOは、仏教・道教・儒教の調和した統合の優れた証拠と述べています。
道教の要素を含む遺産
- 泰山(1987年):主神殿の岱廟には、UNESCOが道教の傑作と述べる1009年の絵画が伝わります。
- 廬山国立公園(1996年):仏教・道教の寺院と儒教の拠点が、美しい景観に溶け込みます。唐代に、道教の経典を納める蔵として建てられた寺院が含まれます。
- 武夷山(1999年):60を超える道教の寺院や僧院(道観)の遺構があります。
対比で押さえる:道教と仏教の論争の舞台
- 上都遺跡(2012年):クビライ・カンの都の遺跡。UNESCOは、ここで行われた宗教論争の結果、チベット仏教が広まったと述べています(論争の相手が道教であることは一般的な説明)。
辞典には未収録の世界の代表例
辞典内は中国の遺産だけです。道教の概念が関わる辞典外の代表例を、リンクなしで挙げます(登録年はUNESCO)。
- 開城の歴史的建造物群と遺跡群(朝鮮民主主義人民共和国、2013年)(総合ガイド記事あり):UNESCOは、仏教・儒教・道教・風水の概念の統合を述べています
よくある質問

武当山の古建築群は、どれくらいの規模ですか?
UNESCOによれば、明代に頂点に達し、9つの宮、9つの観、36の尼寺、72の廟がありました。永楽帝が、帝国の体制を道教と結びつけるために行った大規模な造営によるものです。
「三教」とは何ですか?
中国で併存し、影響し合ってきた儒教・仏教・道教のことです(一般的な説明)。UNESCOは、大足石刻が三教の調和した統合を示し、廬山には仏教・道教の寺院と儒教の拠点が同じ山にあると述べています。


