日光の社寺(下の地図の⑩)は歴史的で重要な社寺を備え、世界遺産(文化遺産)に登録されています。「日光の世界遺産に行きたいけど、日帰りでも楽しめる?」 「たくさん見どころがあって、どう回ればいいか分からない…」
そんな悩みを抱えている方のために、この記事では東京からのアクセス方法から、限られた時間で効率よく日光の世界遺産を巡るモデルコースまで、日光初心者でも安心の情報を徹底解説します。

日光の社寺への行き方

旅行に行く時期にもよりますが、繁忙期(GW、夏休み、冬休み等)を外した安い時期の1人旅で2万円程度かかります。(日帰り基準)
東京から日光の社寺への行き方は、以下の通りです。
- 1.新幹線や特急 JR新幹線・特急のチケットを自宅にお届け!【NAVITIME Travel】
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- 東北新幹線(東京駅⇒宇都宮駅)とJR日光線(宇都宮駅⇒日光駅)
東京駅からの運賃は5,060円で所要時間は約2時間です。 - 東武鉄道の特急(浅草駅⇒東武日光駅)
浅草駅から東武日光駅まで2,700円で所要時間は約2時間です。 - JRの特急(新宿駅⇒東武日光駅)
新宿駅⇒東武日光駅まで4,000円で所要時間は約2時間です。
- 東北新幹線(東京駅⇒宇都宮駅)とJR日光線(宇都宮駅⇒日光駅)
- 2.車
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- 高速道路で約160KM
東京から日光まで約5,000円で所要時間は約2時間です。
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- 高速道路で約160KM
主な見どころ
世界遺産の構成資産を中心に見どころについて、ご紹介します。
日光山輪王寺
日光駅からバスで20分程度で到着する、日光山輪王寺から観光すると良いでしょう。
日光東照宮
日光東照宮は、日本が誇る世界遺産であり、江戸初期の名工たちが集結して作り上げた職人技と美の結晶です。御祭神として祀られているのは、徳川初代将軍の徳川家康公で、おもな社殿は3代将軍家光公が建て替えたものです。
国宝8棟、重要文化財34棟を含む55棟が並び、極彩色に輝く豪華絢爛な空間に酔いしれることができます。日光東照宮の見どころを余すところなくご紹介します。
- 陽明門:宮中正門の名前を授かる国宝で、江戸初期の伝統技術が集約され、500体を超える彫刻と鮮やかな彩色が見事です。修復により漆塗りや金箔が施され、今まで以上に豪華な姿をみせてくれます。
- 三猿:重要文化財で、見ざる、言わざる、聞かざるの三猿が神厩舎の一番左にいます。
- 眠り猫:重要文化財で、牡丹の花に囲まれ、日の光を浴びてうたた寝をしている彫刻です。
日光二荒山神社
ベストシーズンと観光に必要な日数
ベストシーズンと観光に必要な日数について、ご紹介します。
ベストシーズン
一般的には春と秋が適しています。
- ・春 (4月から6月)
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桜が咲く春は、日光の社寺を訪れるのに素晴らしい季節です。特に日光二荒山神社や日光山輪王寺など、桜が美しく咲く場所があります。寺社の境内が桜の花で彩られ、春の爽やかな気候の中で観光することができます。
- ・秋 (9月から11月)
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秋は紅葉が美しい季節で、特に日光の自然や寺社の周辺で紅葉が楽しめます。東照宮や輪王寺の境内で見ることができる紅葉は見事です。涼しい秋の気候で、美しい自然と歴史的建造物を同時に楽しむことができます。
- ・夏 (7月から8月)
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夏は日光が比較的涼しいエリアであるため、過ごしやすい季節です。ただし、湿度が高いことがありますので、気温に対応した服装が必要です。また、夏季には日光例大祭(日光祭り)が開催され、伝統的な行事やパレードが行われます。
- ・冬 (12月から2月)
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冬は寒冷であるため、雪景色を楽しむこともできます。ただし、積雪がある場合は足元に注意が必要です。冷え込む冬の季節に訪れることで、静寂な雰囲気の中で寺社をゆっくりと楽しむことができます。
観光に必要な日数
日光の社寺観光の一般的なスケジュールは、訪れたい場所にもよりますが東京からは、日帰りや1泊2日が多いです。国内ツアーはHISホームページ、クラブツーリズムを参照ください。
また、現地のアクティビティは、アクティビティジャパン、アソビュー!を参照ください。
日光の世界遺産を巡る!効率的な日帰りモデルコース
日光の世界遺産は、日光山輪王寺、日光東照宮、日光二荒山神社の3つの社寺から構成されています。これらを効率よく巡るためのプランを時間帯別に紹介します。
【午前】日光東照宮で歴史と芸術に触れる
午前中に最も混雑するため、朝早めの時間に日光東照宮から巡るのがおすすめです。
- 陽明門: 豪華絢爛な装飾は圧巻。時間をかけてじっくりと細工を眺めましょう。
- 三猿: 有名な「見ざる・言わざる・聞かざる」の彫刻。実は、子供の成長過程を表しているのをご存知でしたか?
- 眠り猫: 眠っているようで、実は獲物を狙っているといわれる猫の彫刻。その裏側にある雀の彫刻にも注目です。
【午後】二荒山神社と輪王寺で自然と歴史を感じる
東照宮を満喫したら、隣接する日光二荒山神社へ。
- 日光二荒山神社: 縁結びのご利益で知られる神社です。境内には樹齢数百年を数える御神木があり、パワースポットとしても人気があります。
最後に、向かいにある日光山輪王寺へ。
- 日光山輪王寺: 三仏堂の迫力ある三体の仏像は必見です。
・水戸岡鋭治氏デザインバス「クラブツーリズムフアースト」
・日光山内の二社一寺などゆったり散策
・グルメ 光湯波と栃木ブランド牛「とちぎ和牛」の牛すき鍋御膳の昼食
日光観光をさらに楽しむための豆知識
- グルメ: 湯葉料理が有名です。ランチには湯葉丼や湯葉そばをぜひお試しください。
- お土産: 煎餅や羊羹、カステラなど、歴史ある和菓子が豊富です。
おすすめの宿
日光東照宮から近くておすすめな温泉宿をランキング形式で紹介します。
世界遺産の価値

日光の社寺は、東照宮や日光二荒山神社など、歴史的で重要な社寺があります。
- 1.概要
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- 登録基準(ii)(iv)(vi)が適用されている。
- 8世紀に勝道上人が日光山を開山して以降に発展した日本有数の霊場である。
- 東照宮、二荒山神社、輪王寺の二社一寺に属する建造物103棟が登録されている。
- 山岳信仰と仏教の結びつきによる「修験道」、亡くなった偉人を神としてまつる「人物神」など日本特有の様々な信仰形態をもつ。
- 2.歴史
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- 782年勝道上人が男体山に登頂、2年後に寺院を建立し日光山を開山した。
- 神道と仏教が融合した山岳信仰の聖地として発展した。
- 12世紀には堂社の創建が盛んになり、霊山として整備が進んでいった。
- 鎌倉時代は源頼朝など歴代将軍の保護のもとで活発化した。
- 室町時代に日光修験は最盛期を迎えた。
- 戦国時代に勢力争いの余波で衰退、1590年豊臣秀吉の領地没収で荒廃した。
- 江戸時代に徳川家康の側近であった僧の天海が、日光山再興に着手した。
- 1616年徳川家康が病没し遺体は日光に埋葬、1617年東照社が造営された。
- 1634年3代徳川家光による「寛永の大造替」で権現造りを主体とする東照宮の姿が完成した。
- 明治の神仏分離令で二社一寺に分離、いくつかの建造物が移設された。
- 3.構成資産の概要
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資産名 概要 東照宮 1617年創建家康の霊廟。1645年朝廷から宮号が授与され東照宮と改称、本殿と拝殿間を石の間で結ぶ様式は権現造りの完成形。国宝8棟、重文34棟 二荒山神社 1619年から本殿と諸社殿が造営。大己貴命、田心姫命、味耜高彦根命を祭神。23棟が重文 輪王寺 766年勝道上人が創建した四本龍寺を起源。本地垂迹説:大己→千手、田心→阿弥陀、味耜→馬頭。慈眼堂は天海の霊所
- 4.具体的な資産価値
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資産名 概要 権現造 横長の拝殿と本殿の間を石の間でつなぎ一棟の建物とするもの 陽明門 高さ11.1m横幅7m、一本だけ彫刻模様が逆の柱、1654年に檜皮葺から銅瓦葺へ 八棟造 寛永の大造替前の建造物である二荒山神社本殿に残る様式、京都の北野天満宮にも (入母屋造りの屋根や破風、向拝などが複雑に入り組んだ構造)
世界遺産検定1級 模擬問題:日光の社寺
世界遺産検定1級の予想問題にもチャレンジしてみましょう。
問題1
日本の世界遺産「日光の社寺」に関する記述として、最も適切なものを一つ選びなさい。
- ア. 日光の社寺は、平安時代初期に空海によって開かれ、主に密教の修行の場として発展した山岳寺院群である。
- イ. 日光東照宮は、徳川家康を祀るために江戸時代初期に創建され、当時の最高の技術と芸術を投入して造営された権現造の代表的な建築群である。
- ウ. 日光二荒山神社は、主に皇室の祖先神を祀る神社であり、伊勢神宮や出雲大社と同じく、簡素で清浄な建築様式を特徴とする。
- エ. 世界遺産に登録されているのは、日光東照宮、日光二荒山神社、日光山輪王寺の3つの社寺とその周辺の自然景観全体であり、中禅寺湖もその核心地域に含まれる。
正解!
不正解...
正解はイ. 日光東照宮は、徳川家康を祀るために江戸時代初期に創建され、当時の最高の技術と芸術を投入して造営された権現造の代表的な建築群である。です。
問題に戻る
問題2
日光の社寺が世界遺産に登録された際の評価に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
- ア. 建築物群は、日本の伝統的な建築様式と、中国伝来の装飾技法が融合した独自の様式であり、後の日本の寺社建築に大きな影響を与えたため、登録基準(iv)が適用された。
- イ. 日光の社寺は、徳川家康をはじめとする歴史上の人物と関連が深く、その信仰や政治思想が具体的に表現されている点も評価され、登録基準(vi)が適用された。
- ウ. 周囲の豊かな自然景観と、歴史的建造物が一体となって創出する独特の景観は、日本の伝統的な山岳信仰や神仏習合の思想を体現している。
- エ. 徳川家光によって造営された陽明門は、中国の竜や鳳凰の彫刻が中心であり、日本の伝統的な彫刻技術はほとんど見られない点が評価された。
正解!
不正解...
正解はエ. 徳川家光によって造営された陽明門は、中国の竜や鳳凰の彫刻が中心であり、日本の伝統的な彫刻技術はほとんど見られない点が評価された。です。
アが正しい理由: 日光の社寺の建築物群は、日本の伝統的な建築様式に、中国伝来の技法や思想が融合した独特の豪華絢爛な装飾様式を確立し、後の日本の寺社建築に大きな影響を与えました。これは世界遺産登録基準(iv)(建築様式または科学技術の総合体、あるいは景観の優れた例)に合致します。イが正しい理由: 日光東照宮は徳川家康を神として祀り、その思想(神道と仏教、儒教の融合)や、江戸幕府の政治的・精神的な権威を示す象徴として創建されました。このように、歴史上の人物や思想、信仰と深く結びついている点が評価され、登録基準(vi)(顕著な普遍的意義を有する出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術的及び文学的作品と直接または目に見える形で関連するもの)が適用されています。ウが正しい理由: 日光の社寺は、周辺の豊かな自然(聖なる山々、森林)と一体となり、古くからの山岳信仰や、日本の神道と仏教が融合した神仏習合の思想を色濃く体現しています。エが誤っている理由: 徳川家光によって造営された陽明門(ようめいもん)は、その豪華な装飾と精巧な彫刻で知られ、中国の竜や鳳凰のモチーフも使われていますが、「日本の伝統的な彫刻技術はほとんど見られない」という記述は明確に誤りです。当時の最高の日本の職人たちが伝統的な技術と外来の要素を融合させ、独自の傑作を創り上げました。これが評価の重要な点です。
問題に戻る
まとめ
日光の社寺への行き方・費用・観光に必要な日数・ベストシーズン・世界遺産の内容について、解説してきました。ポイントを以下にまとめます。
・旅行にかかる費用は、日帰りで2万円(繁忙期を除く)程度です。
・春と秋がベストシーズンとなる。
・8世紀に勝道上人が日光山を開山して以降に発展した日本有数の霊場である。
・東照宮、二荒山神社、輪王寺の二社一寺に属する建造物103棟が登録されている。
・山岳信仰と仏教の結びつきによる「修験道」、亡くなった偉人を神としてまつる「人物神」など日本特有の様々な信仰形態をもつ。
旅行することで様々な経験が出来て、人生が豊かになることでしょう。思い立ったら、興味の沸く場所に足を運んでみてはいかがでしょうか。
世界遺産に興味を持たれた方は、世界遺産検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。
世界遺産検定公式HP






よくある質問

日帰りでも世界遺産を全部見て回れますか?
はい、可能です。日光の世界遺産は一つのエリアに集まっているので、効率よく回れば日帰りでも十分に満喫できます。特に東京から特急電車を利用すれば、午前中から観光を開始できるため、無理なくプランを立てられます。
一番の見どころはどこですか?
やはり日光東照宮です。特に豪華絢爛な彫刻で飾られた「陽明門」や、教科書でもおなじみの「三猿」や「眠り猫」は必見です。東照宮だけでも2時間ほどかけてじっくりと見学する価値があります。
観光に必要な時間はどれくらいですか?
世界遺産エリアの3つの社寺(東照宮、輪王寺、二荒山神社)をじっくり巡るなら、3時間から4時間を目安にすると良いでしょう。これに移動時間やお土産選び、食事の時間を加えると、日帰りでも一日中楽しめる充実した旅になります。
ベストシーズンはいつですか?
春の桜や秋の紅葉の時期は、特に景色が美しくおすすめです。また、新緑がまぶしい初夏(5月~6月)も、気候が穏やかで気持ちよく観光できます。ただし、紅葉のトップシーズン(10月下旬~11月上旬)は非常に混雑しますので、早めの行動が大切です。
2.航空券・バス






3.ホテル
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4.アクティビティ


現地と直接つながる【Hello Activity】




5.通信機器
6.スーツケース
アが不適切である理由: 日光の開山は平安時代に勝道上人によって行われました。空海ではありません。イが最も適切である理由: 日光東照宮は、江戸幕府初代将軍である徳川家康を祀るために、江戸時代初期(主に17世紀)に創建されました。当時最高の技術と芸術を結集して造営された「権現造(ごんげんづくり)」という複雑な建築様式を代表する、豪華絢爛な建築群です。ウが不適切である理由: 日光二荒山神社は、日光の開山以来の山岳信仰の対象であり、男体山(二荒山)を御神体とする神社です。皇室の祖先神を祀るわけではなく、また簡素な建築様式を特徴とするわけでもありません。エが不適切である理由: 世界遺産に登録されているのは、日光東照宮、日光二荒山神社、日光山輪王寺の「二社一寺」と、それらの建造物を取り巻く人工林を含む、緩衝地帯を持つ景観全体です。中禅寺湖自体は世界遺産の核心地域には含まれていません。